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第八章 過去の嘆き
254.四凶とファルミア-①(ファルミア視点)
しおりを挟む☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ファルミア視点)
自分がこの世界で、異質だと言うのはすぐにわかった。
死んだ記憶が朧げ、そして目に映った情景は日本どころか海外のどことも違っていたから。そして何より。
【キタ】
【キタ】
【キタ】
【キタ】
ホラーどころか、妖怪大戦争並みにこっわい化け物が取り囲んでいるんだけどぉお!?
なにこれ、私死んだの!? と思うくらいパニクったわ……。けど、口から出るのは『あうあう』って泣き声だけだった。その時に自分が赤ん坊になっていることを理解したわけ。
(……何? 何何何!? これ何!!?)
なんで自分が赤ん坊でいるのか。
なんで、いつのまにか転生? とやらになっているのかわからずに私は泣くしか出来なかった。すると、ほっぺをペロンと何かに舐められた。
【泣くでない、悪かった】
相変わらず聞こえて来た声に、ゆっくり首を動かそうにも全然動かない。赤ん坊だから、首がすわっていないから仕方ないもの?
姿は相変わらず、ホラーと言うかクリーチャー顔負けの、こっわい怖い化け物だったけど…………声だけは渋めの超好みなのよね??
だから、泣き止むことが出来て……その一体どころかあと三体もいるのが赤ん坊の視界の中に見えてきた。彼らはなんだろうか?
【我らは四凶】
顔色を読んだのか、心を読まれたのか。
まだ怖いけど、右側にいる化け物が多分、私に話しかけてきた。渋くて良い声だけど……なんで姿とマッチしていないんだろうか? やっぱり怖い。
【我は窮奇】
【我は渾沌】
【我は饕餮】
【我は檮杌】
いきなり自己紹介されても、姿は怖い化け物だから覚えれるわけないでしょ!?
と叫びたくても、しゃべれるわけじゃないので『あうあう』しか言えなかった。
【……長よ。やはり、この幼児にも我らの姿は異質であろう】
【…………致し方ない。変わるか】
【泣き止みはしたが】
【致し方あるまい】
なんだか打ち合わせしている彼らがそう言った後に、シュバって白い光が部屋を包んで……気がついたら、あの大きな化け物の姿はなかった。代わりに、四人の男の人達が白いチャイナ服を着て部屋にいたのだ。
(おお!? 変身?? 魔法!?)
やっぱり、私は異世界転生とやらになってしまったのか。現実世界ではフィクションでしかない魔法を目にすることが出来た。
「……これで良いか?」
ちょっと変わった紫の長髪の渋めイケメンが、私を抱き上げてきた。やっぱり、赤ん坊だからか簡単に抱き上げられちゃうんだ……。声では返事が出来ないので、きゃっきゃとかで反応したら。
「念話で良い。……考えを我らが読む。主の声が我らに届く」
(そうなの??)
「ああ」
私が頭の中で返事をしたら、ほぼ同時に返事が返ってきた。
(……あなた達は何? 私はあなた達とどう関係があるの?)
ひとまず、この質問をすると……渋めイケメンが私をゆっくり抱き抱えてくれた。
「我らは、この黑の世界に住まう守護妖と言う存在」
(しゅごよー?)
「ただの人間には憑かぬ……主を待っていた」
(はい?)
「我らの主が主だ、ファルミア」
(ファルミアって私の名前??)
「是。ムスタリカの家で長い間待っていた。……頼む、我らを受け入れてくれ」
(ええ……??)
よくわかんないけど、このイケメンパラダイスの主人になれるのなら、と頷いてしまったが。
この家とやらの異質には、生まれてからひとりぼっちだった私はすぐ知ることが出来ないでいた。
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