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第十章 冬来たりて
319.冬の風邪には-②
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厨房とは違う、献上品が並ぶ貯蔵庫。
毎年毎年、世界各国からエディオスさんへ献上される色んな食べ物や服だったり宝石とかが保管されるところ。
僕はクラウを抱っこしながらフィーさんについていくと、フィーさんの顔パスであっさりと警護の人達に『どうぞ』と通された。
警護さんのおひとりが、食材の場所へと案内してくれれば……お酒コーナー? のような場所に着くとぷんっとアルコール特有の匂いがかすかにした。蓋を閉めているはずなのに、匂うって変なの??
けど、理由はすぐにわかった。
「ここだね!」
フィーさんが声を上げた場所には、大小様々なお酒の『樽』が棚だったり、地面に置かれたりしていた。
「持ち運びに、君はいいよ? 僕がいるから」
「……承知致しました」
フィーさんが、警護の人にそう言うと彼は持ち場に戻って行くのか帰られました。
「ふゅぅ、ふゅふゅぅう!!」
クラウはお酒に興味があるのか、匂いを嗅ぐと僕の腕の中でジタバタし出した。
いくら神獣でも、赤ちゃんに変わりないから……当然僕はダメだと、クラウに言いつけたよ?
「えーっと……ウルス米の酒……酒」
わかるのはフィーさんなので、クラウと端で待っていたら……少し経つと、これだと言わんばかりに大きめの樽をフィーさんが軽く叩いた。
「それですか??」
「多分ね? んじゃ、これを」
お決まりの指パッチンで、多分フィーさんの亜空間収納に入れたのか消えてしまった。そこからは、また徒歩で保管庫から上層の厨房に戻り……材料を用意して待っててくださっていたマリウスさん達の前に、フィーさんが日本酒の樽を出現させて、大人の皆さんが手分けして蓋を開けてくださったんだけど。
「ふゅふゅぅ!!?」
「ふわわ~~……」
漂ってきた日本酒特有のフルーティーな香りの強さに。
何故か、僕は酔っ払ったのかクラウを抱っこしたまま床にへたり込んでしまいました……。
「え、カティア!?」
「カティアちゃん??」
「カティアさん!!」
フィーさん達の声が少し遠い……。匂いだけで酔っ払うだなんて、前の世界でもあっただろうか?
とりあえず、ふにゃふにゃしていたら……フィーさんだと思う細くて柔らかい手におでこを撫でられ。少しすると、酔っ払ってふわふわしていた感覚が無くなった。
「……あれ??」
顔を上げると、フィーさんが大きくため息を吐いていた。
「とりあえず、匂いとか酒精を遮断する結界は張ったよ。まさか、君がこんなにも酒が弱いだなんて」
「ご迷惑おかけしました??」
「僕も気をつけてなかったのが悪かったよ。で、卵酒作れそう??」
「はい」
中身は成人過ぎてても、体がお子ちゃまだとお酒の匂いでも酔っ払っちゃうんだ……。まだ参加はしたことないけど、エディオスさん達の晩酌には出ないでおこうと決めたのだ。
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