【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

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第十一章 異界の年の瀬

347.共有して撃沈

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 大混乱しているイシャールさんが正気に戻ったのは……フィーさんが持っていた特大ハリセンで思いっきり何度も叩いてしばらく経ったくらいでした。

 床にあぐらをかいて座り込んだ姿勢になったイシャールさんは……僕をめちゃくちゃ怖い目で見つめてきたけど、怒ってはないみたい??


「……イシャールさん??」


 僕が声を掛ければ、イシャールさんは大きくため息を吐いた。


「……やっぱ、なんかの封印が綻んでいるな? ブレて、セリカくらいのカティアが視えるぜ」
「……そうなんですか?」


 さっきも聞いたけど、僕の体の封印が解けかけているかもしれない。これは最重要事項だ!!


「僕もわっかんないけど~……さっきセリカに、今日になってカティアの姿がそんな風に視え出したって報告あったからさ? イシャールに見つかったらまずいと思ったとこに……こうなっちゃったし」
「セリカさん?」
「あの子もイシャールと同じ魔眼持ちだったでしょ?」
「あ」


 そう言えば、活躍の場がないのですっかり忘れてたよ……。


「つか、フィーでも解けねぇ封印? なんかヤベェのか??」
「まだ僕ら神にも詳しい事情がわかっていないのに言える?」
「……おぅ」


 一気にまくし立てて、座ったままのイシャールさんに詰め寄っていくフィーさんが……ちょっと怖かったのは言わないでおこう。

 だけど……。


「僕……元の体に戻れるんですか??」


 それが本当なら、物凄く嬉しい!!

 セヴィルさんの隣に堂々と立てれるかもしれないから!!


「ん~~……たしかに、綻びはあるけど。ちょっと危ない」
「え?」
「中途半端過ぎだから。下手すると、逆に戻れないし」
「……そうですか」


 ぬか喜びしてしまったけど、レイアークさんにも言われたことがあるし……無闇に封印を解いた方が危ないなら仕方がない。

 とりあえず、秘密の共有者がまた増えてしまったわけだが。


「……なあ。蒼の世界ってうめーもんが多いって、昔にフィーに聞いたが」
「あ、はい」


 話題を切り替えるために、イシャールさんが僕に地球の食文化について色々聞き出そうとしてきました。


「あのティラミスとか、ピッツァもか……?」
「はい。……僕、一応専門店で修行してたので」
「……あれが、普通に??」
「そうですね? 他にも競走店とかはたくさんありましたから……」
「…………っつーことは。ある意味、無限にあったのか?」
「そうですね?」


 ゆっくりした質問に、合わせてゆっくりと答えれば……イシャールさんはまた床に突っ伏してしまった。


「カティアがむちゃくちゃすげぇと思ってたのに、さらに上の連中がいるぅ!?」
「師匠達も凄いですが、アレンジする料理人さん達はたくさんいましたよ」
「…………マジか」


 よっぽど、僕と言うより地球の食文化の凄さに圧倒されたようだ。

 そしてこの後、クラウのお腹が盛大に鳴ったので気分転換も兼ねて、お料理をさせていただくことに。
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