【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

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第十三章 神王の御名手

396.兄側の理解

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 当然、イシャールさんは訳がわからないと首を傾げました。


「んふふふふ~~!!」


 さらに、フィーさんが意味深な笑顔になったから余計にお顔がはてなマークを浮かべているようなものになった。


「なんだなんだ??」


 イシャールさんは、まだサイノスさんから逃げようと頑張っているエディオスさんと距離を詰めて行く。サイノスさんは、マントが破けない絶妙な力加減でエディオスさんを逃がそうとしない……。


(あとで、いざこざする前に決着つけさせる感じかな?)


 だとしたら、早いこと解決の方がいいね。色々と。


「エディお兄様? さっさと、イシャールお兄様にもお伝えするべきですわ。あとあと面倒事になる前に」
「……俺?」
「イシャールお兄様が、これまで守り続けたことを……エディお兄様が横取りされましたの」
「は?」
「アナ!?」


 ますますわからないと首を傾げられるイシャールさんを他所に、アナさんが大雑把に説明されたのをエディオスさんが驚いて声を上げられた。

 ここまでくると……事情を詳しく知らない僕だったらちんぷんかんぷんだけど、セリカさんとエディオスさんの事は知っている。御名手みなてになられたことをどう理解されるか、イシャールさんの様子を見ていると……イシャールさんは思いっきり考え込んでから、エディオスさんとセリカさんを交互に見た。


「……………………はぁああああああ!!」


 しばらくして、イシャールさんは怒りも喚きもせずに……何故か大袈裟なくらいため息を吐くだけでした。

 これには、サイノスさんが苦笑いされる以外呆気に取られましたとも。


「……イシャールさん? どうしたんですか?」


 誰も聞こうとしないので、僕が代表で聞くと今度は大きな手でご自分の顔半分を覆いました。


「あ~……なんだ?」


 もう一度、ため息を吐いてから僕をチラッと見ました。


「?」
「よーやく……つーか、セリカが帰還した時点でくっついてたかもしんねーと思ってたが」
「え? じゃあ……」
「とっくの昔に知ってた。御名手の事実はともかく、セリカの気持ちは。エディは……無自覚だったがな? やっとか!!」


 さすがは、セリカさんのお兄さん。既に気づいていらしたようです。けど、怒らず受け入れていたみたい?


「なーんだ、つまんなーい。めちゃくちゃ騒ぐと思ってたのにぃ」


 フィーさんは煽るように、ぶーぶーと頬を膨らませていました。


「今更だろ? つか、お前が認めているあたり……マジで御名手か?」
「ほんと、数刻前に儀式もしちゃったよー?」


 えっへんと、フィーさんが胸を張っていると……イシャールさんは思いっきりエディオスさんと距離を詰め……がっと胸ぐらを掴んだのです!?


「……神王妃になるからって、泣かすなよ?」
「……………………あ……ああ」


 とりあえず、鬱憤みたいなのは今ので帳消し? のようです。


「…………ありがとう、イシャールお兄様」


 セリカさんも認めてくださったのに、涙ぐんでいました。本当によかったよかった。
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