【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

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第十四章 異界の春へ

415.覚悟とは別に(セリカ視点)

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 ☆      ☆      ☆      ☆      ☆      ☆(セリカ視点)











 覚悟はしていたはずなのに。

 エディ……オス様は、全然違う対応をしてくださった。

 これから、共に過ごす時間はたっぷりとある……だから、今日は共に寝ようとだけおっしゃって。

 私は少し戸惑ったが……あの事件より前には、何度かしていた共寝を実際すると、鼓動が早くなっていく!!


(あ……あったか、い……ち、近い!?)


 まだ、口づけもほとんどしていないのに……久しぶりに感じる兄より慕っていた方の温かさに、どうしていいのか頭の中でわけがわからなかった。

 抱きしめられるのは、幼い時には何度もあったのに……やはり、お慕いしていた殿方となれば気持ちは全然違う。

 身長差の関係で、私の髪にエディオス様の吐息がかかってしまう。その熱さに、私は鼓動がまた早くなっていくのがわかった。

 エディオス様が、今日は寝るだけ……とおっしゃっていたのに、これでは全然眠れない!!


「…………寝れねぇか?」


 髪に当たる吐息が、艶めかしく感じるのは気のせいじゃないと思いたい。


「……少し」
「……まあ。お前の覚悟、裏切るような真似しちまったからな?」
「い、いえ!」



 たしかに……断られることも想定していたが、このような形になるとは思っていなかった。大丈夫かと聞かれたら、大丈夫だと答えてしまいそうになるが……降りかかる熱い吐息に返事がうまく紡げない!!


「んじゃ、あれだな」


 エディオス様が、急に楽し気な雰囲気に変わって……少し驚いてしまう。


「……あれ、とは?」
「俺もだが、セリカもここ百年以上は思い出に空白がある。そこ、まず埋めようぜ? 眠くなるまで、くっちゃべねぇか?」
「お話?」
「そ。俺もなんで、『エディ』って冒険者の顔もあるとか」
「……し、知りたい」


 お互いに知らない、お互いの思い出。

 私が記憶を取り戻してからも、諦められなかった『エディお兄様』への想いとか。

 たくさん……たくさん、小さな子供の時のように……エディオス様とたくさんお話出来たお陰か。

 本当に子供の時のように……いつのまにか眠ってしまい、起きた時に目に飛び込んできた光景には……あやうく鼻血を噴きそうになったわ!!


(き、綺麗……な胸板!!?)


 ミービスさんのところで、たくさんの冒険者を見てきたはずなのに。

 露出の多い男女もたくさん見てきたのに。

 やはり、想う相手ということもあり……エディオス様のはとても素敵過ぎた。均整が取れていると言うべきか……とにかく、美しい。

 思わず……手を伸ばして、触れてみると固くて熱かった。


「……ん」


 そして、触れた直後。

 エディオス様から漏れたため息が、素敵過ぎて……自分の鼻から鼻血が出ていないか、再度確認してしまうくらいだった!
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