【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

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第十四章 異界の春へ

423.言伝(フィルザス視点)

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 ☆      ☆      ☆      ☆      ☆      ☆(フィルザス視点)











 納得いかないんだけど?


「……じい様」


 春期の陽気も気持ちよく、絶好のお昼寝日和だと思って……裏庭の木の上で寝てたら。

 夢路を通じて……じい様に捕まえられたんだ!?


『ほっほ。伝える日が来たから、呼んだまでよ』


 髪とか髭は真っ白だけど……目は、僕と同じかそれ以上に……深い漆黒の瞳。その瞳は口調と同じように、ご機嫌そうにゆるめられていた。


「……伝えたいこと?」
『うむ、あの子によ。お前さんもだが』
「は? 誰?」
『カティアにじゃ』


 と言うことは……まさか、言うの?!

 記憶……だけど、前世の記憶を蘇らせて。自分がファルみたいに転生したことを。

 誰が……でもなく、僕が?

 嫌……と言う簡単なことではない。

 カティアが……耐えられるか心配なんだ。いくら、身体が少しずつ封印が解けても。

 神域の時のような……あんな出来事にはもうなってほしくないんだ!


「じい様……僕には」
『大丈夫じゃ。クラウの成長も加え、神力を通じて足りない部分は補填した。じゃから、心はともかく身体は心配いらん。あの子はただの幼子ではない。信じてあげんか』
「……そう、だけど」


 たしかに……外見に惑われやすいが、カティアの本来の年齢はセリカくらい。

 セヴィルって、御名手みなてもちゃんといるし……お互いの気持ちを確かめ合っている。

 僕とは違う……きちんと心の拠り所はきちんとあるんだ。


『もうひとつは……【あの子】が目覚めた』
「……え??」


 あの子……あの子。

 クロノ兄様とかが、言っていたあの子。

 僕の……反対の反対。

 それが……目覚めた?

 びっくりし過ぎて……僕は、しばらく言葉が出てこなかった。


『うむ。その準備をそろそろフィーにも手伝ってもらわねばな? 他の孫らにも当然声はかけた』
「……いつ、なの? 目覚めた……って」
『そちらの時間軸じゃと、昨日じゃな?』
「早く言ってよ!?」


 そんな重大な事、なんで翌日に言うのさ!?
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