【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

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第十四章 異界の春へ

428.奏樹の安堵

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 ◆◇◆










 大丈夫……大丈夫。

 痛かったけど……今は全然、痛くない。

 僕らは……生まれ変われた。

 大好きな人達の側に、生まれ変わることが出来たんだから。

 たくさんの神様にも、大好きな人達にも……たくさん助けてもらったんだ。

 だから……『僕』。

 泣かないで。

 苦しまないで?

 僕らは……もう大丈夫なんだ。

 僕は、『僕』をぎゅっと抱きしめてあげた。

 痛がっていて、血もいっぱいだったけど……僕は気にせずに抱きしめてあげた。

 少しずつ……嗚咽が消えていくのがわかってから。

 僕は『僕』の顔を見るのに、少しだけ体を離した。


『……お姉ちゃん、誰?』


 血だらけなのは変わらないが、『僕』は僕の顔を見てくれた。数年大きくなったのか……二十歳の僕なのかはわからないけど、自分自身だとはわからないようだ。


「……僕は、君だよ?」
『……僕?』
「いつかの、君。泣かないで? 絶対大丈夫だから」
『……ほんと?』
「うん」


 強く頷いてあげると……『僕』は僕に抱きついてきて、溶け込むように光の粒になって……消えたのだった。

 そして……気がついたら、僕は。

 いつかの記憶……子供の大きさのセヴィルさんと出会った場面を見ていたのだった。


(か……可愛い!?)


 さっきの殺伐とした記憶とのギャップがあり過ぎて……大好きな人の子供時代の姿と記憶に、僕は胸がキュンキュンとしてしまった!!

 触れたくても触れないけど……レイアークさんと、フィーさんそっくりの神様を見た後には……『僕』が、どれほどセヴィルさんを大好きなのか……心に響いたのだ。

 二つの『心』が重なり合い、大好きな気持ちから『愛する』ものに変わるのは、そんなにも時間がかからなかった。

 実感した後に……記憶から目が覚めると思いきや。

『僕』と出会ったのとは違う、真っ暗な空間にまた出てきたのだ。


『やあ、久しぶり?』


 フィーさんによく似た声。

 振り返れば、記憶にあったフィーさんを大きくしたイケメンさんが立っていた。

 フィーさんと違うのは……目が今の僕と同じ、虹色だったこと。
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