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第十四章 異界の春へ
434.久しぶりに食べたいが
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「んで、そのパン……なんちゃらってピッツァはどんなんだ?」
場所は変わりまして、マリウスさんが受け継いでいる個室の厨房。
別にここじゃなくてもいいけど、気軽に異世界知識を口にしたいので……ちょっとマリウスさんにはお願いしました。
「パンツェロッティと言います。簡単に言うと、揚げたピッツァです」
「……ピッツァを揚げる?」
「あのままじゃないですよ? 生地を半分に折って、具材を包み込んでからです」
「ほー? そりゃ美味そうだ」
「クラウに、最初に作ったピッツァなんです」
「ふゅぅ!(覚えてるー!)」
と、クラウ本人は僕から離れないので、頭の上でデロんとなっています。
「生地の仕込みはいつも通りか?」
「はい。だいたいは」
「ソースもだが……それにゃ、どんな具材が合うんだ? カッツは絶対だろ?」
「マトゥラーベースにして……口臭気にすると、ヘルネのソースは作り難いですが。今日は作りましょう。マヨネーズとかは合いにくいので」
「肉とかどーする?」
「ルーストとかは確実に合います! あとバラ肉の燻製とかも」
「手分けするか」
なので、材料運搬などの肉体労働はイシャールさんが。その間に、僕は生地の仕込みだ。
時間の操作はイシャールさんに見ていただきながら行い、ソース類も出来上がったら……パンツェロッティ用に小さめに生地を分割。
「これを手で……イシャールさんくらいの手の大きさまで広げて」
ソース、角切りなどの具材を飛び出さないように包み込むだけ。
揚げの作業は、一応イシャールさんに行っていただくので……それまでは、二人でちまちまと閉じの作業を続けていく。
「……パンを揚げるか」
「蒼の世界には、色んな揚げパンがありますよー?」
「……どんなだ?」
「普通の丸いパンを軽く揚げて、そのあとお砂糖などの粉の中に入れて……味付けしちゃうんです」
「……美味そうだな」
「食事向きだと、カレーパンって言うのがあるんですけど」
「……カレー?」
「えっと……香辛料をたっぷり使った、ソースのようなものです」
ファルミアさんなら作れそうだけど……僕は、イタリア系の料理が得意だから、さすがにカレーは仕込めないんだよね?
けど、カレーのピザとかも日本はあったから……再現したい!!
転生しちゃったとは言え……もう二度と食べれないのは、ちょっと、いや、だいぶ苦痛!!
けど……こっち来てどこかで食べたような?
「辛いのか?」
「甘い……と言うより、辛さを控えめにしたのが一般的です。見た目は茶色なんですけど、美味しいんですよね」
「お前さんじゃ無理か?」
「……専門外なので」
「……ファルだと出来そうか?」
「今回の事を含めた、識札で聞いてみます」
実は、色々あり過ぎて……まだ識札は送っていない。
そうこうしているうちに、生地は全部使い切ることが出来。
イシャールさんにお願いして、少しずつパンツェロッティを揚げてもらうことに!!
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