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第十五章 異界の夏に向けて
446.クリームを焼くケーキ-②
しおりを挟む「あれ? なにこれ……どうしたの?」
フィーさんは、僕とイシャールさんがやらかしてしまったティラミスケーキの惨状を見て、目を丸くされました。
「実は、かくかくしかじか」
ざっくり説明しますと、フィーさんはぽんと自分の手を叩いた。
「へー! ティラミスをケーキにしちゃうんだ?」
「そこで、イシャールさんにお願いしたんですが……ご覧の通り」
「りょーかいりょーかい! これもったいないし!!」
えい、と……フィーさんは指パッチンでダメになったティラミスケーキを……元通りの形にしてくださった! さらに時間操作までしてくださったようで……切ってみてと言われたのだ。
「んじゃ……」
僕じゃなく、イシャールさんが型からケーキを取り出せば!!
さっきのようにでろんでろんにはならなくて……ちゃんと自立したケーキが出来上がっていた!!
「「おお!!」」
「ふーゅ!(すごーい!!)」
「あと、どうするのー?」
「えっと……コパトをかけて、切るだけです!」
「……食べていい?」
「もちろんです!!」
フィーさんの魔術がなきゃ、失敗が元通りにならなかったんだもの!!
ここは、シャルロッタさんもお呼びして……と思ったら、何故かラディンさん姿のレストラーゼさんまで!?
「なーんか、カティアちゃんが美味しそうなの作ってる予感がして!」
レストラーゼさん……食欲レーダーでも持っているんでしょうか?
さすがに……エディオスさんのお誕生日の式典には、こっちに来ないとも……限らないかな? 即位式典でも、エディオスさんと打ち合わせして交代してまで抜け出してきたんだもん。
「…………式典で働かせるぞ、ラディン」
イシャールさんは正体を知っているけど……シャルロッタさんのいる手前だから、普通に接している。と言うか呆れ通り越して怒ってる!?
「え? いいよ?」
「…………いいのかよ」
「カティアちゃんとなら楽しく料理出来るし!」
「ま、いいんじゃなーい?」
フィーさんまで許可出しちゃっているから……いい、のかな?
「あら。人手が多いのは嬉しいわ! ラディンなら助かるし!」
シャルロッタさんは正体を知らないので……本当にありがたいと思っています。僕は……知らないフリをするしかありましぇん!
「ねー、食べよー!」
「ふゅ!(ケーキぃ!)」
それもだけど、食いしん坊が待っていられないようなので……薄く切ってからそれぞれのお皿に。
僕はまず、クラウに食べさせてあげることにした。
「……うんめぇ!」
「美味しー!!」
もう先に食べていたイシャールさん達は、すぐに絶賛の声を上げてくれました。
「うん。甘過ぎないし、口当たりが良い上に……コフィーとコパトの適度な苦味が失われていない。いい……いいね! これ!!」
すぐに作り方を知りたい、とレストラーゼさんはラディンさんのキラキラ笑顔で僕の方に来た。
「く……詳しい作り方は、食べてからでいいですか?」
「もちろんだよ!」
「ふゅふゅぅ!(おいしー!!)」
クラウの口周りを汚さないように食べさせてあげれば……本当に美味しそうに手足や翼をばたつかせてくれたよ。
なので、僕もひと口入れれば……スフレチーズケーキばりの、美味しいティラミスケーキの出来栄えに満足出来ました。
これは……仕込みの手間を頑張れば、式典で役に立つに違いない!!
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