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第十五章 異界の夏に向けて
450.のほほんとお茶会
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「……うん。食べやすいな?」
式典に……苺のティラミスケーキや普通のティラミスケーキを出すかどうか決めかねている間。
別の日に、僕はフィーさんの魔術を借りずにマリウスさん達とティラミスケーキを作りました。無事にうまく出来たので……セヴィルさんのお茶会の時にお出ししたのだ。
甘いものが得意でないセヴィルさんでも、コーヒーとココアの苦味で程よく甘さが控えめになったケーキを、ぱくぱくと食べてくださいます。
と言うか、僕の作ったお菓子はなんでも食べてくれるんだよね?
こ、恋人としては……嬉しい限りです!!
「苺がうまくいけば……式典で提供出来るんですけど」
「……そうか。たしかに……これならば、ケーキであるから食べやすい」
「仕込みだけは、ちょっと大変ですけどね?」
イシャールさんの時間操作魔術だと……すぐに施してもでろんでろんって状態になるんだもの。何か改善点があればいいが……僕はもともと魔法がなかった世界の出身だから、どうアドバイスを言えばいいかわからない。
転生……を結局したお陰で、魔法は扱えるんだけど、まだまだ小さな魔法ばかりだ。
とは言っても、風の刃に水を出したり……目の色を隠すとか、既にチートかな?
「ふーゅぅ!(美味しいー!)」
僕とかセヴィルさんが悩んでいる横で、クラウは今日もバクバクと食べているよ……。ココアでお腹がすごいことになっているけど、あとでセヴィルさんが綺麗にしてくれるからとそのままに。
「……しかし。プチカもだが、果物を乾燥か。城下街などではあるが、水気の多いものでは初の試みだな?」
「日本とかでは定番になったのも、ごく最近ですね? お菓子以外にも、料理の飾りに使ったり」
「……興味深いな」
「僕はコース料理は作れないので……レストラーゼさんにお伝えしたら、離宮で試してみると」
「……先先代なら、かなり喜ぶな」
本当に……レストラーゼさんにこっそり教えたら、『ティナさんらのために作ろうぞ!』とはしゃいじゃったんだよね。
今でも仲良し老夫婦は良きことです。
「式典は、僕また中層でお世話になった方がいいですよね?」
話題を変えて、式典について聞いてみることにした。
エディオスさんは……ご自分の誕生日だから、多分脱走はしないと思うけど。
僕は僕で、神王家の遠縁だとは公表しても……特にこれといってすることがないのは、今も変わらず。朝晩寝て起きて、お勉強して……料理も時々。
役に立てていないわけじゃないけど……基本的に、お貴族さんと同じ生活だ。エディオスさんのお嫁さんになるセリカさんも、毎日頑張っているのは識札で教えてもらっています。
「……そうだな。先先代も関わっているのであれば、警護などに問題はないだろう。……俺としては、共に参加したいが」
「ふふ。僕の身体が、もう少し大きくなってからですね?」
ちょっとでも……セヴィルさんと一緒に居られるのは嬉しいけど。
僕は……もう元いた日本には帰えられない。今は妊娠中のファルミアさんと同じように、転生したのだから。
ゆっくり、長い時間を共有できるだけでも凄いんだもの。
あと少しで、エディオスさん主催のバカンスもあるから……たくさん遊べるんだ。
僕も、肌のお手入れは入念に頑張っているとも!!
「カティア!!」
のほほんとしてたら……いきなり、イシャールさんが駆け込んできた!?
僕らはびっくりしたけど……イシャールさんは、息切れしながら……思いっきり顔を上げました。
「式典でピッツァ出すの……手伝ってくれ!!」
「はへ?」
ティラミスケーキじゃないの? と思ったんだけど。
とりあえず……お話を聞くのに、イシャールさんには中に入ってもらうことにしました。
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