【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

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第十七章 異界のバカンス旅行

553.未経験同士(女の場合)

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 ◆◇◆









 夜です。

 寝室は個人部屋が、プライベートビーチから離れた宿泊施設の中にあります。

 なので、夜はぐっすり寝れるのですが……。


「……アナさん?」


 何故か、アナさんが僕とクラウの部屋の前に座り込んでいたのです。トイレは部屋にないので、帰って来たらドアの前にアナさんが座り込んでいました。


「ふゅ?(アナー?)」


 クラウが飛んでいって、ポスっと肩に飛びついてもアナさんはゆっくりと顔を上げただけで……いつもならクラウを抱きしめるのに、しなかった。何か深刻なことでもあったのだろうか?!


「……アナさん。大丈夫ですか?」
「……カティアさん!」


 僕が前に立つと、クラウじゃなく僕に抱きついてきた!?

 寝巻き越しのナイスバディな柔らかい感触に押しつぶされそうになったけど!? 倒れないように足に力を入れて、アナさんをなんとか抱き止めた。成人サイズになっても、まだ体のバランスがうまくいかないんだよね……お恥ずかしながら。

 とりあえず事情を聞こうと、僕の部屋に入れました。


「どうしたんですか? その……サイノスさんと一緒じゃ?」


 ファルミアに聞いたのは濁したけど……それがいけなかったのか、アナさんはほっぺに手を添えてわなわなと震え出した。


「わ……わたくし! 行けませんわ!!」
「へ?」
「その……その。サイノス様にお誘いいただいたのですが……じ、自信がなくて」
「自信?」


 普段は元気いっぱいでムードメーカー的な存在はある意味、フィーさんと同じくらいなのに……何かあったのかな??


(……夜のお誘いへの自信についてかな?)


 たしかに……未経験からしたら、準備時間を設けられてても自信がないのは無理ないかも。


「…………わたくし、初めてですの!」


 うん、やっぱり。その通りだった。

 未経験だからこその不安でいっぱいになって……セリカさんやファルミアじゃなくて、僕のとこに来たようです。


「ふゅ?(はじめてー?)」
「クラウはわかんなくていいから」
「……その。つい、ここに来てしまって」
「大丈夫ですよ、アナさん。…………僕も前世含めて未経験なので」
「まあ……」


 下手に隠すより打ち明けた方がいいもんね!

 アナさんには安心してもらいたいからバラしたし、僕は今日いきなり初体験する身じゃないから……立ち向かっていくアナさんの話を聞こう。

 サイノスさんには待たせてしまうだろうが……経験はなくとも、女の子には色々準備すべきことが多いんです。特に内面の方で。

 僕でよければお手伝いしましょう!
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