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第十八章 バカンスも終わって
589.本能ゆえか(セヴィル視点)
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温かい。
心地が良い。
カティアと共に寝ると言うのは初めてではないのに、今日は一段と心地が良かった。
寝るなど、今まで寝起きの魔力が暴走することで苦痛でしかなかったのに……愛しい者が隣にいるだけでこうも気の持ちようが変わるのか。
クラウはいるが、エディオスやフィルザス神らがいないので騒がしくないのも好ましい。
今まで騒がしい中に居たが、穏やかな時間というものも良いものだ。カティアと婚儀を結んだら、もっといっしょに居られる……であれば、皆が提案していた同室や共寝も可能となる。最初はカティアが反対していたので、無理強いはしないつもりでいたが……今は少し実行したいと思っていた。
こんな心地よい時間を得られるのであれば、カティアとも今一度相談した上で実現したい。
もともと、淡白な性格でいると自負していたが……カティアだけは違う。世界を超えてまで得た、俺の御名手。心も通わし、お互いが唯一だと思えるようにまでなった。
だから、俺も……今までとは違う。何よりも大事だと思っていた存在と共にいられるのだ。欲が出て仕方がない。
もう少し、カティアに手を伸ばしたいと思ってうたた寝しながら引き寄せたつもりが……俺の位置がおかしいことに気づいた。
温かいものが下にいた?
俺は……寝惚けて、カティアの上に乗っているのか!?
慌てて意識を覚醒させたら、これでもかと顔を赤くしているカティアの顔が間近にあった。
「せ、セヴィル……さん」
「す、済まない! 今退く!」
男の身体は重いだろうに、カティアは俺を無理矢理起こさずに耐えてくれていたようだ。すぐに身体をずらせば、今度はクラウを潰しそうになった……当然、クラウからは盛大に怒られてしまった。
「ふゅぅ!」
「……済まない」
「だ、大丈夫ですよ! それより、魔力暴走してないですね?」
「あ、ああ……」
覚醒前後はそれが起きて当然だったはずが、寝室は何も荒れていない。本当にカティアと共に寝る時だけは……俺の内面も安心し切っているのか。
喜ばしいことだろうが、クラウがいなければ寝惚けてでもカティアを襲おうとしていただろう。
本人の了承も得ずに動くことなどしたくない!
カティアもだが、俺も初めてなので……そこは、良きものにしたいからな。
とりあえず、二度寝することもないくらいだったので……今度は魔術を使わずにゆっくりとピッツァなどを仕込もうとカティアが提案してくれた。
穏やかな時間はまだもう少しある。
せめて、今は欲情抜きにカティアと共に過ごしていたいのだ。
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