43 / 69
第43話 教育ママ
しおりを挟む
で、夕食の場である。
「後で台所貸してー」
という、上目遣いでおねだりポーズをエディットにして使用許可を取った後、わたしたちは大きな部屋に通されることになった。これもまた、映画でしか見られないような、食事のためのホールみたいな場所である。
大きなテーブル、お誕生席にはこのお屋敷のご主人――つまり、エディットの父親が座っているわけだ。
白いものが混じり始めた黒髪と、柔和な顔立ちが印象的な四十代前半くらいの男性。っていうか、白髪になるの早くない? と思ったのは秘密だけれど、彼の傍には毒のような言葉しか吐かないエディットの母親がいるのだからストレスがたまっているのかもしれない。
「私がトルデル商会の責任者でね。面白い商品を扱っていると娘から聞いたが」
わたしたちに席に着くよう促した男性は、目元に笑い皺を刻みながらそう言った。
「ええと、はい」
わたしとヴェロニカは促されるままに椅子に腰を下ろしたものの、マルガリータは壁際に立ったままだ。残念ながら、マルガリータは骨格標本みたいな姿なので、素顔を晒すわけにいかない。だから、「ご主人様であるシルフィア様を守るため、武装を解くわけにはいきません」と可愛らしい声で宣言して甲冑の面を下ろしたままなのだ。
その様子を見て男性が困惑したように眉根を寄せ、母親は怒りに満ちたような目でわたしたちを見る。
「せっかく夕食の場にお招きしてあげているというのに……」
と、とても小さいとは言えない声で言うと、父親が慌てたようにわざとらしい笑い声を上げた。
「いや、まあ、そういうこともあるだろう! 高価な商品を取り扱う人間は、護衛の人間を雇うのは当然のことであるからな!」
……いい具合に納得してもらえたようで何より。
そこでお父さんはその場の空気を和ませようと、言わなくてもいいんじゃないかな、っていうような細かなことまで説明をしてくれた。商会のこととか、いつから貴族になったのかとか。
エディットの両親の名前を知ったのもこの時だ。
エディットの父親がジョセフ・トルデル。母親がミッシェル・トルデル。典型的なかかあ天下とも言えそうな雰囲気を漂わせている。とにかく母親が放つ言葉が強すぎて、父親は引き気味という感じ。
それでも、父親はわたしが持ち込んだアコーディオンに興味を持ったようで、食事も取らずに色々尋ねてきた。気づけばエリクがアコーディオンを運んできてくれていたので、わたしもジョセフさんと一緒に椅子から立ち上がり、簡単な演奏も交えて売り込んだのだった。
そんな自由な会話をわたしたちがしている間、エディットと彼女の母親は何か緊迫感を持って話をしているようだった。でもそれは、玄関の前でした会話の繰り返しに近い。
エディットに向けて、明日は学園に行きなさいとか、とにかくしつこく繰り返す。
いい成績を取るためには――。
素晴らしい男性と婚約するためには――。
早く結婚して子供を――。
エディットは食欲も失せたような顔でテーブルの上に並んだ皿を見つめ、じっと唇を噛んでいた。それでも、やがて顔を上げて母親に何か言おうとしたものの、すぐに遮られてしまう。
「あなたのためなの。いい? お父様もお母様も、いつまでもあなたと一緒に暮らしていけないのよ? 学園で素晴らしい男性と出会って、早く後継ぎを作るのがあなたの役目なの」
「でも、学園はわたしに合ってないわ!」
そこで苛立ったようにエディットが叫ぶ。「わたし、困ってるのよ!? 学園って貴族連中ばっかりだし! 変な男が寄ってくるし!」
「でも相手は貴族なんでしょう? つながりを作るのは大切なことよ?」
「だって」
「できるだけ上の爵位の男性を狙いなさい」
「わたしに声をかけてくるのが、婚約者持ちの男でも!?」
エディットの声が大きすぎて、アコーディオンのことを色々話し合っていたわたしとエディットの父親も、さすがに息を呑んで固まった。
我に返ったジョセフさんは、さすがに聞き流すことができなかったのだろう、すぐに二人の間に割って入って「どういうことだ?」と訊いている。
「言葉の通りよ。婚約者持ちの男が、わたしに言い寄ってくるの。その婚約者も、同じ学園にいるのに、よ!? お蔭でわたし、男を誑かす悪女みたいに言われてるんだから!」
エディットが泣きそうな顔で父親にそう言っても、それを痛ましげな表情で慰めるのは父親だけで、母親は厳しい表情を崩さない。
それどころか、彼女はこう続けるのだ。
「その男性の爵位は?」
そしてそれを複雑な想いを含んだ目で見つめるエリクは、部屋の隅に立ったままずっと無言だった。
「こっちが台所」
重苦しい空気のまま食事を終えて、ヴェロニカはわたしの手首を掴んで廊下へ出た。わたしのすぐ横にマルガリータ、少し遅れてヴェロニカ。エリクはさらにその後に続いて、オレンジ色の光を放つランプがずらりと並んだ廊下を進んでいく。
まあ、わたしがヴェロニカのために料理を作って部屋に持ち込みたい、とお願いしたからね。
階下に降りて、料理人の男女数名が残る広い台所に案内され、わたしはそこで念願の唐揚げ丼を作ることに成功した。
さっきの夕食に並んだ料理は、いかにもプロが作ったと見た目からも解る、盛り付けも味付けも完璧なものだったけれど、正直、あまり食べた気がしない時間だった。味を楽しむ余裕もなかったし。
ついでに、唐揚げ丼に興味を持ったエディットとエリクにもおすそ分け。料理人の人たちにも。
マルガリータは唐揚げ丼の皿を抱えたまま怪しく身体を左右に揺らして上機嫌さを見せている。早く食べたいというアピールだ。
そんなどこか緩んだ空気のせいか、エディットも少しだけ笑みを見せてくれるようになって。
広い台所にある料理人用のテーブルにつき、唐揚げ丼を食べながらわたしたちに向けて「ごめんね、変な家に呼んじゃって」と頭を下げてくれた。
「っていうか、この料理、初めて食べたけど美味しいね? わたし、気取った料理よりこういうのが好き。できれば我が家の定番にしたいくらい」
と、レシピまで訊いてきた。
今回作った唐揚げは、日本で作ってたわたしの定番の醤油による味付けだ。
だから、彼らが少しだけわたしから視線が外れている時に、魔力で醤油の一升瓶をどーんと出してテーブルに置いて見せた。これは一宿一飯のお礼、プレゼントだよ、とテンション高く笑うわたし。
どこから出した!? と彼らが一様に驚いているのも気にせず、醤油を使った料理を色々教えていると、時間はあっという間に過ぎていったのだった。
――そして。
「わたし、前世でエディットと似た人を知ってるんだよね」
夜遅い時間になって、わたしたち三人は用意された部屋に案内された。
一人一部屋、どれも広い客室であったけれど、マルガリータもヴェロニカも当然のようにわたしの部屋に集合している。
だからきっと、他の二つの客室は使われないままここで朝を迎えることになるだろう。ベッドは三人が一緒に寝ても問題ないくらい大きいし。まあ、神殿にあるわたしたちのベッドほどではないけれど。
「似た人ですか?」
やっと他人の目がなくなったので、甲冑を脱ぎ捨てて骸骨の顔を出したマルガリータはベッドに腰を下ろして唐揚げ丼を食べ出している。
うん、お行儀が悪い。せめてテーブル使おうか。
わたしがサイドテーブルを指さすと、マルガリータがベッドから立ち上がって素直にそれに従う。
「似た人っていうか、似た環境っていうのかなあ」
わたしはベッドにダイブして、うつ伏せになって足をじたばたと動かした。「教育ママと気の弱い父親。それに振り回される娘って構図」
そう。
最近、色々なことを思い出している。
多分、この世界で前世と似たようなことを経験すると、忘れていた記憶が頭の片隅から引っ張り出されてくる、って感じだろうか。ぽろぽろと浮かび上がってくる前世の記憶は、懐かしいのにどこか他人事のようにも思えるくらい、『遠く』感じる。
それでも間違いなく、わたしの一部を形成している『経験』だ。
「その子は君島桂子ちゃんって言ってね、凄くいい子だったんだ。真面目で、明るくて。でも、母親がいわゆる教育ママっていうのかな」
「教育ママ、ですか?」
聞きなれない言葉なのだろう、ヴェロニカが首を傾げつつ、用意された夜着に着替えている。わたしも着替えなきゃ、と思ったけど、そんな気力が湧かない。このまま寝てしまいたいくらいだ。
わたしは枕に顔を埋めるようにして続けた。
「うん。勉強しろ、ピアノ練習しろ、何でも完璧にやれっていう人で。そして、父親はそんなお母さんにタジタジで。お母さんがいつも付き添いとして教室に来るのが多かったけど、たまにお父さんがやってくると、困ったような表情をしてたのが印象的だったなあ」
確か、ケイちゃん、ってわたしは彼女のことを呼んでたっけ。
音楽教室の受付スタッフだって、生徒さんの表情は気になるものだ。もしかしたらレッスンが上手くいってないのかな、退会になったら大変だな、みたいに考えて、相談に乗るために声をかけるのが日常的だった。
そうしているうちに、年齢が離れていたとしてもだんだん生徒さんのことを友達のように感じてくる。力になってあげたいな、って思うようになる。
今回もそうだった。
エディットがケイちゃんに似ていると感じてしまったからこそ、見過ごせないなあ、と思ってしまったのだ。
「後で台所貸してー」
という、上目遣いでおねだりポーズをエディットにして使用許可を取った後、わたしたちは大きな部屋に通されることになった。これもまた、映画でしか見られないような、食事のためのホールみたいな場所である。
大きなテーブル、お誕生席にはこのお屋敷のご主人――つまり、エディットの父親が座っているわけだ。
白いものが混じり始めた黒髪と、柔和な顔立ちが印象的な四十代前半くらいの男性。っていうか、白髪になるの早くない? と思ったのは秘密だけれど、彼の傍には毒のような言葉しか吐かないエディットの母親がいるのだからストレスがたまっているのかもしれない。
「私がトルデル商会の責任者でね。面白い商品を扱っていると娘から聞いたが」
わたしたちに席に着くよう促した男性は、目元に笑い皺を刻みながらそう言った。
「ええと、はい」
わたしとヴェロニカは促されるままに椅子に腰を下ろしたものの、マルガリータは壁際に立ったままだ。残念ながら、マルガリータは骨格標本みたいな姿なので、素顔を晒すわけにいかない。だから、「ご主人様であるシルフィア様を守るため、武装を解くわけにはいきません」と可愛らしい声で宣言して甲冑の面を下ろしたままなのだ。
その様子を見て男性が困惑したように眉根を寄せ、母親は怒りに満ちたような目でわたしたちを見る。
「せっかく夕食の場にお招きしてあげているというのに……」
と、とても小さいとは言えない声で言うと、父親が慌てたようにわざとらしい笑い声を上げた。
「いや、まあ、そういうこともあるだろう! 高価な商品を取り扱う人間は、護衛の人間を雇うのは当然のことであるからな!」
……いい具合に納得してもらえたようで何より。
そこでお父さんはその場の空気を和ませようと、言わなくてもいいんじゃないかな、っていうような細かなことまで説明をしてくれた。商会のこととか、いつから貴族になったのかとか。
エディットの両親の名前を知ったのもこの時だ。
エディットの父親がジョセフ・トルデル。母親がミッシェル・トルデル。典型的なかかあ天下とも言えそうな雰囲気を漂わせている。とにかく母親が放つ言葉が強すぎて、父親は引き気味という感じ。
それでも、父親はわたしが持ち込んだアコーディオンに興味を持ったようで、食事も取らずに色々尋ねてきた。気づけばエリクがアコーディオンを運んできてくれていたので、わたしもジョセフさんと一緒に椅子から立ち上がり、簡単な演奏も交えて売り込んだのだった。
そんな自由な会話をわたしたちがしている間、エディットと彼女の母親は何か緊迫感を持って話をしているようだった。でもそれは、玄関の前でした会話の繰り返しに近い。
エディットに向けて、明日は学園に行きなさいとか、とにかくしつこく繰り返す。
いい成績を取るためには――。
素晴らしい男性と婚約するためには――。
早く結婚して子供を――。
エディットは食欲も失せたような顔でテーブルの上に並んだ皿を見つめ、じっと唇を噛んでいた。それでも、やがて顔を上げて母親に何か言おうとしたものの、すぐに遮られてしまう。
「あなたのためなの。いい? お父様もお母様も、いつまでもあなたと一緒に暮らしていけないのよ? 学園で素晴らしい男性と出会って、早く後継ぎを作るのがあなたの役目なの」
「でも、学園はわたしに合ってないわ!」
そこで苛立ったようにエディットが叫ぶ。「わたし、困ってるのよ!? 学園って貴族連中ばっかりだし! 変な男が寄ってくるし!」
「でも相手は貴族なんでしょう? つながりを作るのは大切なことよ?」
「だって」
「できるだけ上の爵位の男性を狙いなさい」
「わたしに声をかけてくるのが、婚約者持ちの男でも!?」
エディットの声が大きすぎて、アコーディオンのことを色々話し合っていたわたしとエディットの父親も、さすがに息を呑んで固まった。
我に返ったジョセフさんは、さすがに聞き流すことができなかったのだろう、すぐに二人の間に割って入って「どういうことだ?」と訊いている。
「言葉の通りよ。婚約者持ちの男が、わたしに言い寄ってくるの。その婚約者も、同じ学園にいるのに、よ!? お蔭でわたし、男を誑かす悪女みたいに言われてるんだから!」
エディットが泣きそうな顔で父親にそう言っても、それを痛ましげな表情で慰めるのは父親だけで、母親は厳しい表情を崩さない。
それどころか、彼女はこう続けるのだ。
「その男性の爵位は?」
そしてそれを複雑な想いを含んだ目で見つめるエリクは、部屋の隅に立ったままずっと無言だった。
「こっちが台所」
重苦しい空気のまま食事を終えて、ヴェロニカはわたしの手首を掴んで廊下へ出た。わたしのすぐ横にマルガリータ、少し遅れてヴェロニカ。エリクはさらにその後に続いて、オレンジ色の光を放つランプがずらりと並んだ廊下を進んでいく。
まあ、わたしがヴェロニカのために料理を作って部屋に持ち込みたい、とお願いしたからね。
階下に降りて、料理人の男女数名が残る広い台所に案内され、わたしはそこで念願の唐揚げ丼を作ることに成功した。
さっきの夕食に並んだ料理は、いかにもプロが作ったと見た目からも解る、盛り付けも味付けも完璧なものだったけれど、正直、あまり食べた気がしない時間だった。味を楽しむ余裕もなかったし。
ついでに、唐揚げ丼に興味を持ったエディットとエリクにもおすそ分け。料理人の人たちにも。
マルガリータは唐揚げ丼の皿を抱えたまま怪しく身体を左右に揺らして上機嫌さを見せている。早く食べたいというアピールだ。
そんなどこか緩んだ空気のせいか、エディットも少しだけ笑みを見せてくれるようになって。
広い台所にある料理人用のテーブルにつき、唐揚げ丼を食べながらわたしたちに向けて「ごめんね、変な家に呼んじゃって」と頭を下げてくれた。
「っていうか、この料理、初めて食べたけど美味しいね? わたし、気取った料理よりこういうのが好き。できれば我が家の定番にしたいくらい」
と、レシピまで訊いてきた。
今回作った唐揚げは、日本で作ってたわたしの定番の醤油による味付けだ。
だから、彼らが少しだけわたしから視線が外れている時に、魔力で醤油の一升瓶をどーんと出してテーブルに置いて見せた。これは一宿一飯のお礼、プレゼントだよ、とテンション高く笑うわたし。
どこから出した!? と彼らが一様に驚いているのも気にせず、醤油を使った料理を色々教えていると、時間はあっという間に過ぎていったのだった。
――そして。
「わたし、前世でエディットと似た人を知ってるんだよね」
夜遅い時間になって、わたしたち三人は用意された部屋に案内された。
一人一部屋、どれも広い客室であったけれど、マルガリータもヴェロニカも当然のようにわたしの部屋に集合している。
だからきっと、他の二つの客室は使われないままここで朝を迎えることになるだろう。ベッドは三人が一緒に寝ても問題ないくらい大きいし。まあ、神殿にあるわたしたちのベッドほどではないけれど。
「似た人ですか?」
やっと他人の目がなくなったので、甲冑を脱ぎ捨てて骸骨の顔を出したマルガリータはベッドに腰を下ろして唐揚げ丼を食べ出している。
うん、お行儀が悪い。せめてテーブル使おうか。
わたしがサイドテーブルを指さすと、マルガリータがベッドから立ち上がって素直にそれに従う。
「似た人っていうか、似た環境っていうのかなあ」
わたしはベッドにダイブして、うつ伏せになって足をじたばたと動かした。「教育ママと気の弱い父親。それに振り回される娘って構図」
そう。
最近、色々なことを思い出している。
多分、この世界で前世と似たようなことを経験すると、忘れていた記憶が頭の片隅から引っ張り出されてくる、って感じだろうか。ぽろぽろと浮かび上がってくる前世の記憶は、懐かしいのにどこか他人事のようにも思えるくらい、『遠く』感じる。
それでも間違いなく、わたしの一部を形成している『経験』だ。
「その子は君島桂子ちゃんって言ってね、凄くいい子だったんだ。真面目で、明るくて。でも、母親がいわゆる教育ママっていうのかな」
「教育ママ、ですか?」
聞きなれない言葉なのだろう、ヴェロニカが首を傾げつつ、用意された夜着に着替えている。わたしも着替えなきゃ、と思ったけど、そんな気力が湧かない。このまま寝てしまいたいくらいだ。
わたしは枕に顔を埋めるようにして続けた。
「うん。勉強しろ、ピアノ練習しろ、何でも完璧にやれっていう人で。そして、父親はそんなお母さんにタジタジで。お母さんがいつも付き添いとして教室に来るのが多かったけど、たまにお父さんがやってくると、困ったような表情をしてたのが印象的だったなあ」
確か、ケイちゃん、ってわたしは彼女のことを呼んでたっけ。
音楽教室の受付スタッフだって、生徒さんの表情は気になるものだ。もしかしたらレッスンが上手くいってないのかな、退会になったら大変だな、みたいに考えて、相談に乗るために声をかけるのが日常的だった。
そうしているうちに、年齢が離れていたとしてもだんだん生徒さんのことを友達のように感じてくる。力になってあげたいな、って思うようになる。
今回もそうだった。
エディットがケイちゃんに似ていると感じてしまったからこそ、見過ごせないなあ、と思ってしまったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
冴えない建築家いずれ巨匠へと至る
木工槍鉋
ファンタジー
「建築とは、単なる箱を作ることではない。そこに流れる『時』を設計することだ――」
かつてそう語り、伝説の巨匠と呼ばれることになる男も、かつては己の名前に怯えるだけの冴えない二級建築士だった。
安藤研吾、40代。独立したものの仕事はなく、下請けとして「情緒のない真四角な箱」の図面を引き続ける日々。そんな彼が恩師に教えられた座標の先で迷い込んだのは、昭和初期を彷彿とさせる、魔法のない異世界だった。
現代の建築知識、そして一釘一釘を大切にする頑固大工との出会い。 「便利さ」ではなく「住む人の幸せ」を求めて、研吾は廃村に時計台を建て、水路を拓き、人々の暮らしを再生していく。
異世界で「百年の計」を学んだ研吾が現実世界に戻ったとき、その設計は現代の建築界をも揺るがし始める。 これは、一人の男が仕事への誇りを取り戻し、本物の「巨匠」へと駆け上がるまでの、ひたむきな再建の記録。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
#密売じゃありません!ミツバイギフトで最高に美味しい果物作ったら、領主令息が夫になった件について
国府知里
ファンタジー
「がんばっても報われなかったあなたに」“スローライフ成り上がりファンタジー”
人生に疲れ果てた北村めぐみは、目覚めると異世界の農村で少女グレイスとして転生していた。この世界では6歳で神から“ギフト”を授かるという。グレイスが得た謎の力「ミツバイ」は、果物を蜜のように甘くするという奇跡の力だった!村を、領地を、やがて王国までも変えていく果樹栽培の物語がいま始まる――。美味しさが未来を育てる、異世界農業×スローライフ・ファンタジー!
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
もしもゲーム通りになってたら?
クラッベ
恋愛
よくある転生もので悪役令嬢はいい子に、ヒロインが逆ハーレム狙いの悪女だったりしますが
もし、転生者がヒロインだけで、悪役令嬢がゲーム通りの悪人だったなら?
全てがゲーム通りに進んだとしたら?
果たしてヒロインは幸せになれるのか
※3/15 思いついたのが出来たので、おまけとして追加しました。
※9/28 また新しく思いつきましたので掲載します。今後も何か思いつきましたら更新しますが、基本的には「完結」とさせていただいてます。9/29も一話更新する予定です。
※2/8 「パターンその6・おまけ」を更新しました。
※4/14「パターンその7・おまけ」を更新しました。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる