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第68話 幕間15 フェルディナント
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「面倒くせー」
俺は洞窟内にある椅子に腰を下ろし、テーブルに頬杖をついてため息をこぼしていた。
魔力をこの世界に与えるとか何とかが俺の役目らしいが、正直なところ、誰か代わりにやってくれねえかなあ、と言いたい。
さりげなくシェルトがテーブルの上に白いカップに注いだお茶を置いてくれるが、これも……さっぱりしすぎていて物足りない。もっと美味いと思えるものが飲みたい。
そんな俺の考えを読んだかのように「近くの村に行かれますか?」と言い出す。
どうやら北の竜の神殿の近くには、大きな村があるらしい。近隣に魔物が出るということで、その村には魔物討伐のための剣士や魔術師といった人間たちが集まっていて、かなり賑わっているようだ。
人の出入りがあればそれだけ村も豊かになるようで、食事や買い物もそれなりに楽しめるらしい。
「人間の姿になる魔法をお教えしますが……どうされますか?」
シェルトは俺のすぐ傍に立ったまま何の感情も写さない目で見下ろしてくる。それを横目で見上げながら、軽く舌打ちする。
何だろうな、最近、シェルトの目が気に入らない。
お前は俺の下僕なんだろう?
シェルトの無表情さにイライラしつつ椅子から立ち上がり、俺は「さっさと教えろ」と命令した。
どうして俺の守護者とやらは男なんだろう。
可愛い女の子だったら、毎日が楽しかっただろうに。
竜の心臓とかいう果実を食べた俺は、もうほとんど完全体と呼べるくらい魔力が多いらしい。シェルトが教えてくれた魔法は、俺が頭の中で意識しただけで発動してくれる。呪文の構築を必要とする魔術と違って魔法は簡単だ。俺の魔力と、この世界にある魔素とやらを集めるだけでいい。
目立つ俺の二本の角と尻尾を隠し、シェルトが用意してくれた人間の服を着て外に出る。
いい天気だ。
冷えた空気と青い空。
何の面白みもない洞窟の外は、切り立った崖とその下に広がる広大な森が存在している。ただ、まだ秋にも到達していないだろうと思えるような太陽の強さなのに、森の木々は枯れている部分が目立つ。
どうやらここに魔力を注いで復活させなくてはいけないらしい。
さらに、森だけじゃなく他にも色々な村や街を回って――マジ、面倒。普通、上に立つやつってのは部下に命じて手足として使うものだろう。俺みたいなやつは、のんびりとその結果を待っているだけでいいはずなのに。
俺はうんざりしながらも、シェルトに促されるまま適当に森に魔力を放出し、木々が瑞々しい色を取り戻すのを確認した後、一番近い村とやらに向かったのだった。もちろん、歩きなんて面倒なことはしない。シェルトに空を飛ぶ魔法とやらを教えてもらって、あっという間の移動。
シェルトは俺が魔力を使いすぎなんじゃないかと気にしていたようだったが、俺の魔力がそんな簡単になくなってたまるか、って話だ。腹の奥から無限に湧いてくる魔力の渦は、出しても出しても枯渇することはない。
何か俺、すげえ無敵なんじゃないかな!
確かにその村は大きかった。
高い塀に覆われた大きな村の正門には、門番らしい男性が数人立っている。そして、出入りする人間たちを管理しているみたいだった。
「あれ、何だ?」
俺が門番が人々から受け取ってチェックしている小さなカードみたいなものに気づいてシェルトに聞くと、フードを目深に下ろした彼が静かに返してくる。
「おそらく、ギルドカードというものですね」
「ギルドカード」
「ギルドというのは商会みたいなものです。いくつかの有名なギルドがこの世界には存在していまして、そこで戦士登録して依頼を受けて魔物と戦い、その結果に応じて報酬を得られるシステムとなっています。そして、その登録時にもらえるギルドカードが身分証明書として使われているんです。村としても身元不明の怪しい人間を入れるわけにもいかないですから、その都度、ギルドカードの提示をお願いしているというわけですね」
「あー、理解したわ」
俺は頭を掻きながら頷いた。「でも俺たち、ギルドカード持ってないじゃん。入れんのか?」
俺たちも村に入るために並んでいる列の最後尾についたわけだが、そのギルドカードとかがないと無駄足じゃないだろうか。
「ご安心ください」
そこで、シェルトが自分の服から小さなカードを二枚取り出して、一枚を俺に渡した。「これは商人としての通行証です。村にある食料や武器などを買いに来た人間としての身分証となります」
「商人か」
「……戦いたくはないでしょう?」
「ああ?」
「下手にギルドカードなんて持っていると、魔物が出たら戦ってくれと言われますが」
そこでシェルトがちらりと俺の方へ視線を投げた気配がした。ちりちりした圧力を頬に感じながら、俺は苦笑する。
「面倒だから戦いたくねーし。そういう意味ではお前、有能」
「ありがとうございます」
そんなことを言っていると、門番が流れるようなチェックを行い、俺たちの番がやってきた。
「商人か。何も売りに来たわけじゃないんだな」
俺たちが手ぶらだったこともあって、少しだけ怪訝そうな目で見られたものの、シェルトが適当に言ってくれたお蔭で問題なく村の中に入る。すると、意外と賑やかな大通りが目の前にあった。
武器を身に着けている男たちの姿が多いのは、予想の範囲内。
そして、そういったよそからやってきた戦士たちを相手に商売をしている村の人間も多いのも目に入る。
おそらくどこかの食事処の呼び込みなんだろう、数人の女の子が色々な場所で「いらっしゃいませー」と声を張り上げているのも聞こえた。
「俺、何か食べたい。魔力回復、魔力回復」
俺がそわそわしつつシェルトに声をかけると、彼は少しだけ首を傾げてみせた。まあ、食事を取って魔力回復なんて必要ないくらい俺は元気だ。でも、せっかく遊びに来たんだから何か美味しいものを食べたいと思うのが普通だろう」
「あらあ、お兄さんすっごい美形ー」
そんな俺たちに声をかけてきたのは、二十代後半くらいの派手なドレスを着た女性だった。美人だとは思うが、濃い化粧のせいで本当に彼女が美人かどうかは解らない。女ってのは化粧で化ける生き物なんだと俺は知っている。
知っている……けれど。
どこで知ったっけ?
何ていう僅かな疑問も、すぐに消えた。
「うちの店、昼からお酒出してるの! お酒の提供は村長さんから許可貰ってるから大丈夫よー? 食事も美味しいし人気あるし。どう、来てみない?」
どうやらこの村では酒の取り扱いが厳しいらしく、食事と一緒に提供できるのは太陽が地に落ちた後からなんだそうだ。
しかし村長に賄賂を送れば、昼から酒の販売する許可証が出るとか何とか……そんなことを、後になって彼女から聞いた。
「あたし、シンシアって言うの。あなたは?」
酒が飲みたいと思ったから、シェルトが苦々しい雰囲気を発しているのも無視して彼女と並んで歩きだす。すると、彼女――シンシアは俺の右腕に自分の腕を絡めてきた。
「俺は……フェル」
フェルディナント、と名乗るのはまずいかと思ってそう言うと、彼女は赤い唇を大きく開けて笑った。
「格好いい名前ー。ねえ、お兄さん……フェルは王都とか、もっと大きな街から着たの? 凄くあか抜けてるっていうかー」
どこか貪欲な光を灯す瞳をこちらに向けたシンシアは、その綺麗な顔に反して醜悪にも思えた。
っていうか、俺より見た目が年上のくせに、お兄さんとか呼んでくるのはちょっとムカつく。
何だろうか、この感じ。
俺の運命の相手であるシルフィアと違いすぎるからだろうか。シルフィアは可愛い。もう少し育てば完璧な容姿になるだろう。
そんな彼女と比べるのが間違っているのかもしれないが――。
最初は派手なドレスと均整の取れた体つきに揺らいでしまった俺だけれど、もうすでに後悔し始めている。
でもまあ、彼女が連れて行ってくれた食事処は、近づくにつれて凄く良い匂いを漂わせていたし多くの客で賑わっていた。大通りから少しだけ裏道に入ったところにある大きな店で、いかにも筋肉自慢といった男たちばかりで溢れているものだから、ちょっと暑苦しい感じもしたが。
それでも、確かに人気のある店らしいから不満なところは目をつむることにした。
「そっちのお兄さんも入って入って」
シンシアは軽い足取りでその店に入っていくと、きょろきょろと辺りを見回して、今まさに立ち上がろうとしている客のテーブルを確保した。そして、入り口に立ったままの俺と、入りたくなさそうにしているシェルトに向かって手招きをする。
「何だシンシア、新しい鴨でも捕まえたかー?」
そのテーブルの隣の席にいた男がそんな声を飛ばしてくるが、彼女はあっけらかんと笑って頷いた。
「そうなのー。こんなすっごい美形、この村では滅多に見ないでしょ? そりゃ捕まえるわよう」
テーブルの上の食器を片づけて、あっという間に席を空けた彼女は、また俺の近くに駆け寄ってくると腕を掴んで引っ張った。
「気を付けなよ、兄ちゃん」
隣の席の男はニヤリと笑ってジョッキグラスを掲げて見せる。「その女、肉食獣みたいなもんだからな? 食われる前に逃げろよ」
「何それ、ひっど! か弱い女に何を言うのよう」
「お前がか弱いなら、俺たちだって充分か弱いだろ」
「えー!」
シンシアは派手で軽薄そうな女だし好みではないけれど、こういう軽いノリは嫌いじゃない。
俺はシェルトを促して店に入ると、そこで食事を取ることにした。
この世界で目覚めてから、初めて洞窟の外での食事。
それは俺が考えていたよりもずっと美味しかった。
俺は洞窟内にある椅子に腰を下ろし、テーブルに頬杖をついてため息をこぼしていた。
魔力をこの世界に与えるとか何とかが俺の役目らしいが、正直なところ、誰か代わりにやってくれねえかなあ、と言いたい。
さりげなくシェルトがテーブルの上に白いカップに注いだお茶を置いてくれるが、これも……さっぱりしすぎていて物足りない。もっと美味いと思えるものが飲みたい。
そんな俺の考えを読んだかのように「近くの村に行かれますか?」と言い出す。
どうやら北の竜の神殿の近くには、大きな村があるらしい。近隣に魔物が出るということで、その村には魔物討伐のための剣士や魔術師といった人間たちが集まっていて、かなり賑わっているようだ。
人の出入りがあればそれだけ村も豊かになるようで、食事や買い物もそれなりに楽しめるらしい。
「人間の姿になる魔法をお教えしますが……どうされますか?」
シェルトは俺のすぐ傍に立ったまま何の感情も写さない目で見下ろしてくる。それを横目で見上げながら、軽く舌打ちする。
何だろうな、最近、シェルトの目が気に入らない。
お前は俺の下僕なんだろう?
シェルトの無表情さにイライラしつつ椅子から立ち上がり、俺は「さっさと教えろ」と命令した。
どうして俺の守護者とやらは男なんだろう。
可愛い女の子だったら、毎日が楽しかっただろうに。
竜の心臓とかいう果実を食べた俺は、もうほとんど完全体と呼べるくらい魔力が多いらしい。シェルトが教えてくれた魔法は、俺が頭の中で意識しただけで発動してくれる。呪文の構築を必要とする魔術と違って魔法は簡単だ。俺の魔力と、この世界にある魔素とやらを集めるだけでいい。
目立つ俺の二本の角と尻尾を隠し、シェルトが用意してくれた人間の服を着て外に出る。
いい天気だ。
冷えた空気と青い空。
何の面白みもない洞窟の外は、切り立った崖とその下に広がる広大な森が存在している。ただ、まだ秋にも到達していないだろうと思えるような太陽の強さなのに、森の木々は枯れている部分が目立つ。
どうやらここに魔力を注いで復活させなくてはいけないらしい。
さらに、森だけじゃなく他にも色々な村や街を回って――マジ、面倒。普通、上に立つやつってのは部下に命じて手足として使うものだろう。俺みたいなやつは、のんびりとその結果を待っているだけでいいはずなのに。
俺はうんざりしながらも、シェルトに促されるまま適当に森に魔力を放出し、木々が瑞々しい色を取り戻すのを確認した後、一番近い村とやらに向かったのだった。もちろん、歩きなんて面倒なことはしない。シェルトに空を飛ぶ魔法とやらを教えてもらって、あっという間の移動。
シェルトは俺が魔力を使いすぎなんじゃないかと気にしていたようだったが、俺の魔力がそんな簡単になくなってたまるか、って話だ。腹の奥から無限に湧いてくる魔力の渦は、出しても出しても枯渇することはない。
何か俺、すげえ無敵なんじゃないかな!
確かにその村は大きかった。
高い塀に覆われた大きな村の正門には、門番らしい男性が数人立っている。そして、出入りする人間たちを管理しているみたいだった。
「あれ、何だ?」
俺が門番が人々から受け取ってチェックしている小さなカードみたいなものに気づいてシェルトに聞くと、フードを目深に下ろした彼が静かに返してくる。
「おそらく、ギルドカードというものですね」
「ギルドカード」
「ギルドというのは商会みたいなものです。いくつかの有名なギルドがこの世界には存在していまして、そこで戦士登録して依頼を受けて魔物と戦い、その結果に応じて報酬を得られるシステムとなっています。そして、その登録時にもらえるギルドカードが身分証明書として使われているんです。村としても身元不明の怪しい人間を入れるわけにもいかないですから、その都度、ギルドカードの提示をお願いしているというわけですね」
「あー、理解したわ」
俺は頭を掻きながら頷いた。「でも俺たち、ギルドカード持ってないじゃん。入れんのか?」
俺たちも村に入るために並んでいる列の最後尾についたわけだが、そのギルドカードとかがないと無駄足じゃないだろうか。
「ご安心ください」
そこで、シェルトが自分の服から小さなカードを二枚取り出して、一枚を俺に渡した。「これは商人としての通行証です。村にある食料や武器などを買いに来た人間としての身分証となります」
「商人か」
「……戦いたくはないでしょう?」
「ああ?」
「下手にギルドカードなんて持っていると、魔物が出たら戦ってくれと言われますが」
そこでシェルトがちらりと俺の方へ視線を投げた気配がした。ちりちりした圧力を頬に感じながら、俺は苦笑する。
「面倒だから戦いたくねーし。そういう意味ではお前、有能」
「ありがとうございます」
そんなことを言っていると、門番が流れるようなチェックを行い、俺たちの番がやってきた。
「商人か。何も売りに来たわけじゃないんだな」
俺たちが手ぶらだったこともあって、少しだけ怪訝そうな目で見られたものの、シェルトが適当に言ってくれたお蔭で問題なく村の中に入る。すると、意外と賑やかな大通りが目の前にあった。
武器を身に着けている男たちの姿が多いのは、予想の範囲内。
そして、そういったよそからやってきた戦士たちを相手に商売をしている村の人間も多いのも目に入る。
おそらくどこかの食事処の呼び込みなんだろう、数人の女の子が色々な場所で「いらっしゃいませー」と声を張り上げているのも聞こえた。
「俺、何か食べたい。魔力回復、魔力回復」
俺がそわそわしつつシェルトに声をかけると、彼は少しだけ首を傾げてみせた。まあ、食事を取って魔力回復なんて必要ないくらい俺は元気だ。でも、せっかく遊びに来たんだから何か美味しいものを食べたいと思うのが普通だろう」
「あらあ、お兄さんすっごい美形ー」
そんな俺たちに声をかけてきたのは、二十代後半くらいの派手なドレスを着た女性だった。美人だとは思うが、濃い化粧のせいで本当に彼女が美人かどうかは解らない。女ってのは化粧で化ける生き物なんだと俺は知っている。
知っている……けれど。
どこで知ったっけ?
何ていう僅かな疑問も、すぐに消えた。
「うちの店、昼からお酒出してるの! お酒の提供は村長さんから許可貰ってるから大丈夫よー? 食事も美味しいし人気あるし。どう、来てみない?」
どうやらこの村では酒の取り扱いが厳しいらしく、食事と一緒に提供できるのは太陽が地に落ちた後からなんだそうだ。
しかし村長に賄賂を送れば、昼から酒の販売する許可証が出るとか何とか……そんなことを、後になって彼女から聞いた。
「あたし、シンシアって言うの。あなたは?」
酒が飲みたいと思ったから、シェルトが苦々しい雰囲気を発しているのも無視して彼女と並んで歩きだす。すると、彼女――シンシアは俺の右腕に自分の腕を絡めてきた。
「俺は……フェル」
フェルディナント、と名乗るのはまずいかと思ってそう言うと、彼女は赤い唇を大きく開けて笑った。
「格好いい名前ー。ねえ、お兄さん……フェルは王都とか、もっと大きな街から着たの? 凄くあか抜けてるっていうかー」
どこか貪欲な光を灯す瞳をこちらに向けたシンシアは、その綺麗な顔に反して醜悪にも思えた。
っていうか、俺より見た目が年上のくせに、お兄さんとか呼んでくるのはちょっとムカつく。
何だろうか、この感じ。
俺の運命の相手であるシルフィアと違いすぎるからだろうか。シルフィアは可愛い。もう少し育てば完璧な容姿になるだろう。
そんな彼女と比べるのが間違っているのかもしれないが――。
最初は派手なドレスと均整の取れた体つきに揺らいでしまった俺だけれど、もうすでに後悔し始めている。
でもまあ、彼女が連れて行ってくれた食事処は、近づくにつれて凄く良い匂いを漂わせていたし多くの客で賑わっていた。大通りから少しだけ裏道に入ったところにある大きな店で、いかにも筋肉自慢といった男たちばかりで溢れているものだから、ちょっと暑苦しい感じもしたが。
それでも、確かに人気のある店らしいから不満なところは目をつむることにした。
「そっちのお兄さんも入って入って」
シンシアは軽い足取りでその店に入っていくと、きょろきょろと辺りを見回して、今まさに立ち上がろうとしている客のテーブルを確保した。そして、入り口に立ったままの俺と、入りたくなさそうにしているシェルトに向かって手招きをする。
「何だシンシア、新しい鴨でも捕まえたかー?」
そのテーブルの隣の席にいた男がそんな声を飛ばしてくるが、彼女はあっけらかんと笑って頷いた。
「そうなのー。こんなすっごい美形、この村では滅多に見ないでしょ? そりゃ捕まえるわよう」
テーブルの上の食器を片づけて、あっという間に席を空けた彼女は、また俺の近くに駆け寄ってくると腕を掴んで引っ張った。
「気を付けなよ、兄ちゃん」
隣の席の男はニヤリと笑ってジョッキグラスを掲げて見せる。「その女、肉食獣みたいなもんだからな? 食われる前に逃げろよ」
「何それ、ひっど! か弱い女に何を言うのよう」
「お前がか弱いなら、俺たちだって充分か弱いだろ」
「えー!」
シンシアは派手で軽薄そうな女だし好みではないけれど、こういう軽いノリは嫌いじゃない。
俺はシェルトを促して店に入ると、そこで食事を取ることにした。
この世界で目覚めてから、初めて洞窟の外での食事。
それは俺が考えていたよりもずっと美味しかった。
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