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第2章
第140話 1号水晶球
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「4号よ。ロンダールの体は俺がもらった」
周りにいる人型のモンスターに比べると痩せていて、あまり強そうに思えない
男が宣言する。
「――1号。ドウシテ主ニ反抗シタ?」
「お前も魔族を与えられただろう?その時感じなかったのか?ダンジョン創造
の力の素晴らしさを……。思いのままに改変でき、モンスターを操り、できな
いことは何もなかった。……ああ、お前は失敗したのだったな」
なんだか、第4ダンジョンから連れてきた水晶玉にとって面白くなさそうな展
開になりそうな話だな……。とりあえず、水晶玉を含めて6体のモンスターは
極私的絶対王国(マイキングダム)でダンジョン改変禁止、魔法行使禁止、束
縛としておいた。
「主は平等に我ら兄弟すべてに魔族を与えた。お前のように失敗する奴もいた
が、俺はうまくやったよ。だがな、それでは俺は物足りなかった。もっと力が
欲しかった。もっと能力を願った。願うだけでは力は手に入らない。だから俺
は主を乗っ取ることにしたんだ」
「オ前ハ……」
「おかげで望む力をすべて手に入れることができた。見ただろうこのダンジョ
ンを!第4ダンジョンはどうした?水脈ひとつコントロールできていないじゃ
ないか?」
「グ……」
「話の途中で悪いが、4号よ。お前はどうしたかったんだ」
俺は連れてきた水晶玉に確認する。
「主ニ会イタカッタ。マタ昔ノヨウニ励マシテモライタカッタ」
1号がため息をつきながら、4号に向かって言い放つ。
「はっ!励ましてほしい?甘えるなよ。励ましが何の役に立つ。そんなことを
思う暇があるのならもっと考えろよ。……それにそんな上級な魔族が目の前に
いるのに何故とらえない。やれ!」
5体のモンスターに1号は命令するが、既に束縛しているので何もできないで
いる。
「まあ落ち着けよ1号。お前たちは既に俺の支配下だ。指一本動かせないだろ
う?魔法も発動できないし、お得意のダンジョンの改変もできないだろう?」
「なんだその馬鹿げた能力は?そんなことがありえるか!」
「そういう能力なんだ、諦めろ。4号の願いはロンダールに会いたかったんだ
よな」
「ソウダ」
ロンダールの体は1号に支配されている。まずは引き離してみるか……。
「場合によっては死んでしまうかもしれないが、このままよりはロンダールも
いいだろう。カラル。1号はこの体のどの辺りにいる?」
「……え?えーと右腹部辺りかしら」
指さした辺りを妖刀ロウブレンでぬるっと突き刺す。
周りにいる人型のモンスターに比べると痩せていて、あまり強そうに思えない
男が宣言する。
「――1号。ドウシテ主ニ反抗シタ?」
「お前も魔族を与えられただろう?その時感じなかったのか?ダンジョン創造
の力の素晴らしさを……。思いのままに改変でき、モンスターを操り、できな
いことは何もなかった。……ああ、お前は失敗したのだったな」
なんだか、第4ダンジョンから連れてきた水晶玉にとって面白くなさそうな展
開になりそうな話だな……。とりあえず、水晶玉を含めて6体のモンスターは
極私的絶対王国(マイキングダム)でダンジョン改変禁止、魔法行使禁止、束
縛としておいた。
「主は平等に我ら兄弟すべてに魔族を与えた。お前のように失敗する奴もいた
が、俺はうまくやったよ。だがな、それでは俺は物足りなかった。もっと力が
欲しかった。もっと能力を願った。願うだけでは力は手に入らない。だから俺
は主を乗っ取ることにしたんだ」
「オ前ハ……」
「おかげで望む力をすべて手に入れることができた。見ただろうこのダンジョ
ンを!第4ダンジョンはどうした?水脈ひとつコントロールできていないじゃ
ないか?」
「グ……」
「話の途中で悪いが、4号よ。お前はどうしたかったんだ」
俺は連れてきた水晶玉に確認する。
「主ニ会イタカッタ。マタ昔ノヨウニ励マシテモライタカッタ」
1号がため息をつきながら、4号に向かって言い放つ。
「はっ!励ましてほしい?甘えるなよ。励ましが何の役に立つ。そんなことを
思う暇があるのならもっと考えろよ。……それにそんな上級な魔族が目の前に
いるのに何故とらえない。やれ!」
5体のモンスターに1号は命令するが、既に束縛しているので何もできないで
いる。
「まあ落ち着けよ1号。お前たちは既に俺の支配下だ。指一本動かせないだろ
う?魔法も発動できないし、お得意のダンジョンの改変もできないだろう?」
「なんだその馬鹿げた能力は?そんなことがありえるか!」
「そういう能力なんだ、諦めろ。4号の願いはロンダールに会いたかったんだ
よな」
「ソウダ」
ロンダールの体は1号に支配されている。まずは引き離してみるか……。
「場合によっては死んでしまうかもしれないが、このままよりはロンダールも
いいだろう。カラル。1号はこの体のどの辺りにいる?」
「……え?えーと右腹部辺りかしら」
指さした辺りを妖刀ロウブレンでぬるっと突き刺す。
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