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第1章 最果ての少女
はじめての街3
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突如として暴走し広場に集まっていた魔族たちを蹴散らして、森の奥へと消え去ってしまったケルベロス。
あまりにも突飛な出来事にアリスは現状の理解への処理が追い付かず、ポカンと立ち尽くしていた。
(伝説の魔獣がゆえに、やはり制御することが出来なかったのか??)
何かに怯えていた気がしなくもないが、ケルベロスが恐れるものなどこの世にあるとは思えない。
きっと何かの勘違いだろう、訳も分からぬ土地に召喚され、気が動転していたに違いない。
そうアリスは結論づけた。
広場の騒ぎを聞きつけ、砦から魔族たちが続々とあふれ出てきた。
その時になって、ようやっとアリスは正気に戻る。
ケルベロスによって砦の外へ出るための活路は開かれている。
アリスはちーちゃんを肩に抱き上げると、急いで外へと引き返す。
「お嬢ちゃん、私と一緒に街へ逃げるんだ!
少しの間我慢してくれ!!」
相変わらずポカンとした表情のちーちゃん。
(この子は現状を理解できているのか、いやこの顔は出来ていないだろうな…。
まあ理解して恐怖のあまり暴れられるよりよっぽどマシか)
俊敏さには定評のあるアリスは、ケルベロスの災厄から運よく逃れた魔族たちの合間を掻い潜り、あっという間に砦の外へと抜けだした。
勢いを殺すことなく、アリスは力の限り走り続ける。
およそ20分程走り続けただろうか。
茂みに身を潜ませ、追手が来ないことを確認すると、アリスは大きく息を吐いた。
「ふーーーーーっ、流石に今回は死ぬかと思った!!!」
ちーちゃんを地面におろすと、アリスは背中から大の字に寝ころがった。
ケルベロスを前にした時、アリスは生きた心地がしなかった。
あれが伝説の魔獣、ひと度この世に現れれば必ず歴史上にその名を刻みこむ、桁違いの化け物。
その謳い文句も納得の圧倒的で濃密な殺意であった。
自分が100人いたところで敵わないであろう、とアリスは改めて恐怖に身を震わせる。
(この少女がいなければ、膝を折っていただろうな)
ちらりとちーちゃんを見やる。
「大丈夫、お姉ちゃん??」
心配そうにのぞき込むちーちゃんの顔をみて、アリスは少し心を落ち着かせることができた。
なぜこのような少女があの場にいたのか、どこからきたのか、親はどうしたのか、など色々と聞きたい事はあるが、とりあえず街に戻ることにしよう。
「お嬢さん、お名前は何と言うのかな?」
「わたしの名前はちーちゃんです!7歳です!」
「そう、ちーちゃんっていうの、いい名前ね。
良かったら私と一緒に街へ行かない?
ちーちゃんを一人にできないし、何より夜の森は危ないからね」
街という言葉を聞くと、ちーちゃんは爛々と目を輝かせた。
「街!? お姉ちゃん連れていってくれるの!?」
「ええ、もちろん」
アリスが手を差し出すと、ちーちゃんは嬉しそうにその手を握る。
「へへっ、街にいくの楽しみ!!」
あまりにも突飛な出来事にアリスは現状の理解への処理が追い付かず、ポカンと立ち尽くしていた。
(伝説の魔獣がゆえに、やはり制御することが出来なかったのか??)
何かに怯えていた気がしなくもないが、ケルベロスが恐れるものなどこの世にあるとは思えない。
きっと何かの勘違いだろう、訳も分からぬ土地に召喚され、気が動転していたに違いない。
そうアリスは結論づけた。
広場の騒ぎを聞きつけ、砦から魔族たちが続々とあふれ出てきた。
その時になって、ようやっとアリスは正気に戻る。
ケルベロスによって砦の外へ出るための活路は開かれている。
アリスはちーちゃんを肩に抱き上げると、急いで外へと引き返す。
「お嬢ちゃん、私と一緒に街へ逃げるんだ!
少しの間我慢してくれ!!」
相変わらずポカンとした表情のちーちゃん。
(この子は現状を理解できているのか、いやこの顔は出来ていないだろうな…。
まあ理解して恐怖のあまり暴れられるよりよっぽどマシか)
俊敏さには定評のあるアリスは、ケルベロスの災厄から運よく逃れた魔族たちの合間を掻い潜り、あっという間に砦の外へと抜けだした。
勢いを殺すことなく、アリスは力の限り走り続ける。
およそ20分程走り続けただろうか。
茂みに身を潜ませ、追手が来ないことを確認すると、アリスは大きく息を吐いた。
「ふーーーーーっ、流石に今回は死ぬかと思った!!!」
ちーちゃんを地面におろすと、アリスは背中から大の字に寝ころがった。
ケルベロスを前にした時、アリスは生きた心地がしなかった。
あれが伝説の魔獣、ひと度この世に現れれば必ず歴史上にその名を刻みこむ、桁違いの化け物。
その謳い文句も納得の圧倒的で濃密な殺意であった。
自分が100人いたところで敵わないであろう、とアリスは改めて恐怖に身を震わせる。
(この少女がいなければ、膝を折っていただろうな)
ちらりとちーちゃんを見やる。
「大丈夫、お姉ちゃん??」
心配そうにのぞき込むちーちゃんの顔をみて、アリスは少し心を落ち着かせることができた。
なぜこのような少女があの場にいたのか、どこからきたのか、親はどうしたのか、など色々と聞きたい事はあるが、とりあえず街に戻ることにしよう。
「お嬢さん、お名前は何と言うのかな?」
「わたしの名前はちーちゃんです!7歳です!」
「そう、ちーちゃんっていうの、いい名前ね。
良かったら私と一緒に街へ行かない?
ちーちゃんを一人にできないし、何より夜の森は危ないからね」
街という言葉を聞くと、ちーちゃんは爛々と目を輝かせた。
「街!? お姉ちゃん連れていってくれるの!?」
「ええ、もちろん」
アリスが手を差し出すと、ちーちゃんは嬉しそうにその手を握る。
「へへっ、街にいくの楽しみ!!」
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