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第2.5章 草原の詩
秘密のばしょ
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アリス達が旅立つのを見送ると、ちーちゃんはレイリに向かって手を差し出した。
「よろしくね、レイリ!
わたしはちーちゃん、こっちはケロちゃん!」
「よ、よろしくおねがいします…。
ち、ち、ちーちゃん…さん。
ケロちゃんも…」
やはり兄以外の人には馴れないのか、俯き加減で挨拶を交わす。
おどおどと差し出された手を、半ば強引に握りかえすちーちゃん。
「ちーちゃんでいいよ!
それじゃあ、なにしてあそぼうか♪」
「わおん、わおわおわおーん!」
「えっ、ケロちゃんは鬼ごっこがいいって?」
「わおーん」
「ぼ、ぼくあんまり運動が得意じゃないんだ…」
おずおずと話すレイリ。
「うーーん。
じゃあ、村を案内してほしいな!」
「村…を?」
「うん、きたばかりで、みぎもひだりもわからないから」
「で、でも…」
何もない村、案内するべき場所などひとつもない。
そう言おうとしてレイリはやめた。
ひとつだけあった。
自分だけの秘密の場所。
人を案内したことはない、兄にも秘密の場所だ。
だけど、レイリだって好き好んで人付き合いが苦手なわけではない。
ちーちゃんとだって仲良くなりたいという気持ちはある。
ただ、それがうまくできないだけで。
レイリは決意した。
「うん、ひ、ひとつだけいい場所がある…よ」
「いい場所!?」
「うん、僕の秘密の、場所なんだ」
秘密の場所と聞いて、ちーちゃんは目を爛々と輝かせた。
「いいな、いいな!
そこに連れてってよ!」
「いいよ、こっちだよ」
そう言って、ちーちゃんを先導するレイリは少しだけ打ち解けれたようだ。
案内されたのは、村から少し離れた川辺にある洞。
洞といっても雨露から少し逃れる程度の小さなへこみ。
大人であれば三人もはいればギュウギュウになるだろう。
そんな小さな場所でも、子供からすれば立派な秘密基地。
ちーちゃんのはしゃぎようったらなかった。
「ここが、僕の秘密のばしょだよ、ちーちゃん!」
「わぁーーー、すごい、すごい♪」
大きさが大事なのではない。
「ひみつ」という事が大事なのだ。
ひとしきりはしゃいだ後、レイリはちーちゃんに話しかけた。
「実は、お、お願いがあるんだ。
村には近い年の子がいないから、誰にも相談できなかったんだけど…」
「相談!!?」
この言葉にちーちゃんは目を輝かせた。
レイリと同じく、ちーちゃんも村に近い年の子はいない。
いつまでたっても子ども扱いされていることに、不満を抱いていたのだ。
そこへ、年下のレイリから相談を持ちかけられるというこの状況。
ちーちゃんがたぎらないわけがない。
「もちろんだよ!
おねえさんに、何でも相談して!!」
「よろしくね、レイリ!
わたしはちーちゃん、こっちはケロちゃん!」
「よ、よろしくおねがいします…。
ち、ち、ちーちゃん…さん。
ケロちゃんも…」
やはり兄以外の人には馴れないのか、俯き加減で挨拶を交わす。
おどおどと差し出された手を、半ば強引に握りかえすちーちゃん。
「ちーちゃんでいいよ!
それじゃあ、なにしてあそぼうか♪」
「わおん、わおわおわおーん!」
「えっ、ケロちゃんは鬼ごっこがいいって?」
「わおーん」
「ぼ、ぼくあんまり運動が得意じゃないんだ…」
おずおずと話すレイリ。
「うーーん。
じゃあ、村を案内してほしいな!」
「村…を?」
「うん、きたばかりで、みぎもひだりもわからないから」
「で、でも…」
何もない村、案内するべき場所などひとつもない。
そう言おうとしてレイリはやめた。
ひとつだけあった。
自分だけの秘密の場所。
人を案内したことはない、兄にも秘密の場所だ。
だけど、レイリだって好き好んで人付き合いが苦手なわけではない。
ちーちゃんとだって仲良くなりたいという気持ちはある。
ただ、それがうまくできないだけで。
レイリは決意した。
「うん、ひ、ひとつだけいい場所がある…よ」
「いい場所!?」
「うん、僕の秘密の、場所なんだ」
秘密の場所と聞いて、ちーちゃんは目を爛々と輝かせた。
「いいな、いいな!
そこに連れてってよ!」
「いいよ、こっちだよ」
そう言って、ちーちゃんを先導するレイリは少しだけ打ち解けれたようだ。
案内されたのは、村から少し離れた川辺にある洞。
洞といっても雨露から少し逃れる程度の小さなへこみ。
大人であれば三人もはいればギュウギュウになるだろう。
そんな小さな場所でも、子供からすれば立派な秘密基地。
ちーちゃんのはしゃぎようったらなかった。
「ここが、僕の秘密のばしょだよ、ちーちゃん!」
「わぁーーー、すごい、すごい♪」
大きさが大事なのではない。
「ひみつ」という事が大事なのだ。
ひとしきりはしゃいだ後、レイリはちーちゃんに話しかけた。
「実は、お、お願いがあるんだ。
村には近い年の子がいないから、誰にも相談できなかったんだけど…」
「相談!!?」
この言葉にちーちゃんは目を輝かせた。
レイリと同じく、ちーちゃんも村に近い年の子はいない。
いつまでたっても子ども扱いされていることに、不満を抱いていたのだ。
そこへ、年下のレイリから相談を持ちかけられるというこの状況。
ちーちゃんがたぎらないわけがない。
「もちろんだよ!
おねえさんに、何でも相談して!!」
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