16 / 33
臨終録X1
佐々木 玲
しおりを挟む
臨終録_No.011
■氏名:佐々木 玲
■性別:女
■年齢:25歳
■死亡理由:
就職活動に失敗し、叔母が経営する喫茶店のバイトとして生活する日々もすっかり日常の一部となり、新卒という肩書も失われようとしていた。より一層、就職活動が厳しさを迎える予感を感じている今、決して何かしらの仕事に対しての熱意があるわけでもない彼女は、いっそのこと永久就職を考えたほうが、この先の人生ラクなんじゃないかと考えながらも、年季のはいったコーヒーカップを慣れた手つきで洗う。
和気あいあいと喫茶店で夫の愚痴を語る有閑マダムたちが、成功者たちに見えてきた。
その時、世界は変わった。
アテッサの南方にある街。
タイトロジアン帝国から度々侵攻を受けるこの街の防壁は非常に高く、警備もまた厳重であった。
常に数十人態勢で防壁の上を等間隔で巡回している。
近隣の森の中、獣の気配に怯えながらも、命からがら逃げだしてきた彼女の服装は、すっかり泥にまみれていた。
街影を見つけ、命が助かると思ったが、彼女に与えられたのは永遠の安息であった。
二日前に帝国からの襲撃を受けたばかりの街はいつも以上にヒリついており、南からやってくる者は有無を言わさず攻撃を受けていた時であった。
■生存日数:2日
■氏名:佐々木 玲
■性別:女
■年齢:25歳
■死亡理由:
就職活動に失敗し、叔母が経営する喫茶店のバイトとして生活する日々もすっかり日常の一部となり、新卒という肩書も失われようとしていた。より一層、就職活動が厳しさを迎える予感を感じている今、決して何かしらの仕事に対しての熱意があるわけでもない彼女は、いっそのこと永久就職を考えたほうが、この先の人生ラクなんじゃないかと考えながらも、年季のはいったコーヒーカップを慣れた手つきで洗う。
和気あいあいと喫茶店で夫の愚痴を語る有閑マダムたちが、成功者たちに見えてきた。
その時、世界は変わった。
アテッサの南方にある街。
タイトロジアン帝国から度々侵攻を受けるこの街の防壁は非常に高く、警備もまた厳重であった。
常に数十人態勢で防壁の上を等間隔で巡回している。
近隣の森の中、獣の気配に怯えながらも、命からがら逃げだしてきた彼女の服装は、すっかり泥にまみれていた。
街影を見つけ、命が助かると思ったが、彼女に与えられたのは永遠の安息であった。
二日前に帝国からの襲撃を受けたばかりの街はいつも以上にヒリついており、南からやってくる者は有無を言わさず攻撃を受けていた時であった。
■生存日数:2日
0
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる