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プロローグ
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しおりを挟むむかし、むかし
天使や悪魔の存在が信じられ、魔力を持ち天使や悪魔を召喚できる人間が重宝し崇める時代があった。
それから数える事も億劫になるほどの時間が流れ、世界に『科学』という概念が生まれ、天使や悪魔という存在は想像上のものと言われるようになった。
魔力とかつては呼ばれたそれも、科学世界では『霊感』と呼ばれた。強すぎる霊感を持つものには特異な体質が現れ、差別の対象とされたのだ。
しかし、天使や悪魔という存在がなくなったわけではない。彼らは確かに今も存在しているのだ。
そして、いくら科学が進み、天使や悪魔という存在が『非科学的』と一言で片付けられるようになっても、かつて使われていた天使や悪魔を召喚するための儀式を記した書物は世界にあふれている。
それを、興味本位で試してしまう、そんな人間が居なくなることはなかった。
かつて、ある者は力を望み悪魔と契約し、ある者は幸せを望み天使と契約した。
そしてまた、天使や悪魔もそれぞれのある望みを叶えるべく人間を利用していた。
しかし、数える事も億劫になるほどの時間の中で、そういった事実はネジ曲がっていく。
人間は自分たちに都合の良い部分のみを受け入れ、事実を全て伝えることができなかったのだ。
今では、天使や悪魔は人間の望みを叶えてくれる存在として扱われてしまっていたのだ。それ故に、非科学的な召喚術に手を付けてしまう人間が現れてしまったのだ。
だが、そんな事、天使にとっても悪魔にとっても関係ない。
彼らは以前より確実に少なくなった召喚の機会を伺いながら、今なお自分たちの望みを叶えたいという思いを募らせているのだった。
[魔界]
暗く、一筋の光すらも受け入れないような闇が支配する、そこが魔界だった。
魔界は、今では世界に出ることがほぼ出来ない悪魔たちで溢れかえっていた。
そんな魔界の中央部にはそれはそれは高い山があり、その頂上に光がないにもかかわらず黒光りする城があった。
その城の中には、魔界の頂点として君臨している4人の悪魔の姿があった。
「ほんと、めっきり召喚されることも少なくなったなぁ」
城の中の広い広い空間にポツポツと円を描くように置かれた椅子に座り、背もたれに身体を預けながら、間延びした少し高めの声でその悪魔は言った。
くわっと欠伸をするその姿は人間にしか見えないが、背中から生える黒い羽と口から小さく覗く歯の鋭さが人間ではない事を知らしめている。
欠伸をしたためか浮かんだ涙を払うべく、その悪魔は水色の瞳を瞬かせた。
「水色の言うとおりだね。前までは定期的に何回かは召喚の儀が人間界で行われたのに…ここ最近はほぼなくなった」
深緑色の瞳をした悪魔が頷きながら言う。
『水色』というのは先程欠伸をした悪魔の事だ。
悪魔である彼らに固有の名称はない。しかし、それでは話をするときに困難なため、この城に集まっている悪魔たちは相手の事を瞳の色で呼ぶ。
「深緑でも、現状の打開策は浮かばんのか?」
「召喚されて人間達に干渉できる状態なら方法はあったろうけど…魔界からじゃ人間に干渉できないからね」
「かぁ~、使えんのう」
水色の言葉に深緑は肩を竦めた。
「フヒヒ…。あの『戦争』とかっていうのやってた時に召喚された時は楽しかったなぁ…」
思い出に浸るように言ったのは黄緑色の瞳をした悪魔だった。
黄緑の手には、普通悪魔が使うとは思えないナイフのような形をした武器が握られており、煌々とした瞳が楽しげにその刃を見つめていた。
「また参加したいなぁ…」
「僕は、今のままでいいけどな…」
気弱そうな声を出すのは藍色の瞳の悪魔。その発言やショボンと頭たれている様子は、魔界の頂点に君臨する悪魔の一人とはとても思えない。
「藍色!お前はほんとに悪魔らしくない!この魔界の現状を見てみろ!こんなに悪魔で溢れかえって皆窮屈している。この土地だけでは悪魔の居場所は足りんのだ!人間界に出て、人間界を征服し、悪魔の地とするのが悪魔達を救うことであり、我々が成すべき使命なのだ!」
「…そうかも知れないけど…」
水色の説教じみた言葉に、藍色は更に身を小さくした。
「水色の言うとおりだ」
その空間に低い、低い、バリトンの声が響いた。
4人の悪魔はハッと口をつぐむ。
その声は虚空から響いていた。
…いや、違う。4人の悪魔が座る椅子の輪の中央部に何やら黒い靄のような物が存在していた。その靄からバリトンの声はしていた。
「その望みを叶えるためには、まずは黒を復活させねばならない」
深緑が呟くように言った。
「そのとおり。そして、黒を復活させるには…人間界に赴かねばならない」
黄緑が言った。
「話が堂々巡りじゃないかそれ。召喚の儀が行われることがめっきり少なくなった、この現状を変えなければ結局意味はない」
水色が眉をひそめた。
「いや、召喚の儀が行われていないわけではない。ただ、お前たちの様な高位の悪魔を召喚出来るだけの魔力を持つ者が召喚の儀をしていないと言うだけだ」
黒い靄が続ける。
「魔力を持たぬものがいくら願ったところで、魔界と人間界を繋ぐことはできないのだからな」
「まぁ、そうだな。でも、どうする事も出来ない現状は結局変わんない」
水色は眉をひそめたまま言う。
「焦るな、水色。時期を待つのだ」
「そうだよ、水色。俺たちを召喚出来るだけの魔力を持つ人間が居なかったら黒を復活させる事も出来ないんだから」
深緑の言葉に水色は重々しく一度頷いた。
彼ら、4人の悪魔は魔界の頂点に居るだけあり、かなり高位の悪魔である。それぞれ他の悪魔を圧倒するだけの優れた部分を持っていた。そして、それと同時に弱点も持っていた。
水色は強い意志の持ち主だった。
彼はこの魔界の事を誰よりも考え、魔界のために己の持てるものを差し出すことが出来る悪魔だった。
しかし、水色の意志はあくまでも魔界のために働くものであるため、自分や相手の感情などは把握することが出来なかった。
水色には『心』が無かった。
深緑は優れた知性の持ち主だった。
魔界の誰よりも知性のある彼は、常に思考を働かせることができた。そして、彼の考えは誰もが納得するだけの説得力を持っていた。彼はそんな悪魔だった。
しかし、知性のある彼は、力でもって相手を支配することを放棄した。悪魔としての力は持っているもののそれはとても微々たるものだった。
深緑には『力』が無かった。
黄緑は強すぎる戦闘力の持ち主だった。
そして、何より戦うことが好きだった。誰とでも何とでもしのぎを削る戦いを望み、圧倒するだけの力を持つ。ある意味一番悪魔らしい悪魔だった。
しかし、戦うことしかできない彼は戦いたいという衝動を抑える力を持たなかった。また、何故殺さねばならないのか、何故戦うのかという事を考える力を持たなかった。
黄緑には『理性』が無かった。
藍色は他の悪魔に比べてとても弱かった。優れた知性がある訳でも、強い戦闘力がある訳でもなく、だからといって魔界のために自分を捨てることも厭わない意思があるわけでもない。とても悪魔らしくない悪魔だった。
しかし、彼は他のどの悪魔も持っていない物を持っていたのだが…それに彼自身は気づいていなかった。
黒色は悪魔たちのトップだった。
頂点である4人の悪魔の上に立つ存在だった。力を持ち、知恵を持ち、意思を持つ悪魔だった。そして、多くの悪魔を率いるだけのカリスマ性を持っていた。彼が一度命令を下せば、どんな悪魔だってそれに従うだろう。
しかし、彼には実態がなかった。強すぎる力を抑えるだけの器が存在しなかった。そのため、彼は今も黒色の靄としてしか姿を表すことができなかった。そして、黒色の靄のままでは自身の力を存分に発揮することは出来なかった。
黒色には『姿』が無かった。
悪魔達の願いは1つ。
トップたる黒色を復活させ、人間界を支配すること。
しかし、そのためには黒色の力を宿す器が必要だった。そして、その器は人間で無ければならなかった。
ひとえに人間と言っても誰でもいい訳ではない。黒色の力を宿しても壊れることがないであろう器である必要だった。
それを見極めることができるのは、ここに集まる高位の悪魔のみ。
人間界に赴き、黒色の力を宿すことができる器を探したい。それが、彼らが人間界に行きたい理由であった。
彼らは人間と契約する際、人間の望みを叶える代わりに自分たちへの協力を望み、利用する。
黒色の力を宿す器が見つかった際、器に黒色の力を宿すためには強い魔力を持つ人間の命が必要なのだ。
それこそ、高位の悪魔を召喚できる程の魔力を持つ人間の命が…。
高位の悪魔を召喚してしまった人間は、文字通り『命尽きるまで』悪魔に利用される。
しかし、その事を人間達は知らない。
[天界]
上空には綺麗な青空が広がり、至るところに虹の橋がかかり、太陽の優しげな陽射しが降り注ぐ、そこが天界だった。
広々とした地には花が咲き乱れ、今では世界に出ることがほぼ無い多くの天使たちが大勢いた。
そんな、天界の端に当たる場所に、一際美しい宮殿が存在した。
宮殿の中には、大天使に招集をかけられた4人の高位天使たちが集まっていた。
「最近、我々が人間界に召喚されることもめっきり少なくなった。そのせいで、我々、天使の願いを叶える機会がなくなってしまっている。こうしている間にも魔界で悪魔たちが何か企んでるかもしれぬというのに…。そうは思わないか?」
集まった4人の天使を順に見ながら大天使が言った。
「そのとおりですね、大天使様」
4人を代表するように、黄色い瞳をした天使が言った。
「しかし、そう焦ることも無いのではありませんか?」
そう言ったのは赤い瞳をした天使だった。
大天使は赤い瞳の天使を見て
「どういう意味です?赤」
と言った。
赤、というのは赤い瞳の天使の呼び名だった。
天使に固有の名はない。しかし、それでは話をする時に不便なので、天使達は瞳の色で呼ばれていた。
赤は大天使の視線を受け止めながら、口を開く。
「確かに、人間達が俺達天使を召喚することは少なくなりました。しかし、それは魔界とて同じ事。悪魔達だって人間界に接触する機会を失っているのです。
我々が願いを叶えることが出来ないのは由々しき事態かもしれませんが、悪魔たちもまた願いを叶えることはできない。
今焦ったところでしょうがないのではありませんか?」
「確かにそれは赤の言うとおりかもしれないッスね」
紫の瞳をした天使が軽い口調で言った。
その隣で桃色の瞳の天使も頷くが、その顔は少し悩ましげであり、躊躇いがちに口を開く。
「赤の意見は最もだけど…。でも、何かの間違いで高位の悪魔が人間界に出て、今は実態のない黒の器を見つけちゃったら…って考えると焦らないわけには行かないと思うね」
「確かにそれは桃の言うとおりかもしれないッスね」
また紫が言った。
「そうは言ってもさ桃。現状、召喚されていない俺らが人間に接触することは出来ないわけだし、どうすることもできないじゃないか。
そうでしょう?大天使様」
黄色が大天使を見る。
大天使は重々しく頷いた。
「黄色の言うとおりです。私達には術がなく、時期を待つしかない」
大天使はギリリと音がするのではないかと思うほどに歯を噛み締めて続けた。
「全く…馬鹿な人間達だ…。私利私欲に満ち溢れた心しか持ち合わせていない下級の生き物のくせに…。さっさと我々を呼び出せばいいのだ。そうすれば、魔界を潰すことができるというのに…」
人間達の中で『天使』という言葉から想像される一般的なイメージは『優しい』とか『人を幸福に導く』とかそういうものではなかろうか。
天使という存在を盲信する者ならば、『信じるものを愛し、導く存在』などと評されるかも知れない。
しかし、実際は天使達は総意として人間の事を好きではなかった。
天使というものは字のごとく『天に使える』存在である。『天』とはつまり神である。
彼らが真に信じているのは神の言葉のみである。
そんな神の存在を普段は特段信じていないくせにピンチになるといきなり態度を変えて「助けてください」と懇願したり、自身が失敗した事なのに事実を棚に上げて「恨むぜ、神様」などと侮辱したりする、そんな人間という存在を天使が好むほうがおかしいとも言えよう。
だが、天使達は人間に召喚される事を望んでいた。何故ならば、それが天使達の願いを叶えるために必要な事だったからだ。
天使達の願い。
それは魔界の崩壊だった。
天使達は悪魔を、そして魔界という存在を嫌っていた。
人間と悪魔ならば、まだ人間のほうが好ましいと思うほどに、天使達は悪魔が嫌いだった。
天使とは反対の立場にある悪魔を、天使が嫌うのはまぁ当然と言えるのかもしれない。
そして、その嫌いな悪魔達のひしめく魔界という地を、天使達は壊したくて壊したくてたまらなかったのだ。
また、悪魔たちのトップたる黒の存在も懸念の材料だった。黒が復活すれば、悪魔たちは人間界の征服に乗り出すだろう。
それだけならば、天使にとってはどうでもいい事だった。
しかし、貪欲な悪魔たちが人間界の支配を終えたあとそれだけで満足するとは思えなかったのだ。
人間界が墜ちれば、次は天界を支配しようと企む事は容易に想像がついた。
そのため、天使達は魔界を崩壊させたかった。
そのためには、人間界に行く必要があった。
何故ならば、天界と魔界は互いに触れている部分がなかったからだ。
空間で考えた際、最上に位置するのが天界、最下に位置するのが魔界。そしてその間に人間界が存在する。
天使達が天界からいかに魔界を崩壊させようとしても、その力が魔界に届かないのだ。それ故に、天使達は人間界に赴き、人間界と魔界が最も接触している場所を見つけ出し、そこから魔界を崩壊させようとしているのだ。
彼らは人間と契約する際、人間の望みを叶える代わりに自分たちへの協力を望み、利用する。
魔界を崩壊するための莫大な力を得るためには人間の命が必要なのだ。
それこそ、高位の天使を召喚できる程の魔力を持つ人間の命が…。
高位の天使を召喚してしまった人間は、文字通り『命尽きるまで』天使に利用される。
しかし、その事を人間達は知らない。
[人間界]
人間界には天使や悪魔に関する多くの文献が残っていた。
人間界の中でも、最もその文献が多かったのは、地球の日本という国であった。また、魔力を持つ者が最も多いのも日本という国であった。
文献と言っても、それは真実のみを書き記したものではない。その事実があった時代から数える事も億劫になるほどの時間の中でネジ曲がり、都合のいい部分を抜き取ったような文献であった。
その事実に気付ける人間は、数える事も億劫になるほどの時間中で死にゆき、誰も気づくことが出来なくなっていた。
また、『科学』という概念を持った人間達にとって、天使や悪魔という存在が『非科学的』な物へと変わっていた。
それも相まって、その文献を見た人間達はその内容を『馬鹿馬鹿しい』の一言で片付けてしまい、誰もその内容の可笑しさに気付こうとしなかったとも言えるかもしれない。
『科学』という概念が生まれたことによって変わってしまったことがもう1つある。
それが、魔力を持つ人間の存在の扱いである。
まだ、天使や悪魔が信じられていた時代、魔力を持つ者は重宝され崇められたが、今では、そもそも『魔力』と言うものすらも信じられなくなっていた。
しかし、それでは証明できない現象が起こった。
それが、『特異体質者』の登場である。
特異体質者が現れ始めたのは、昔、『科学』という概念が生まれて間もない頃のことである。
突如として現れた彼らに、当時の科学者たちは混乱した。それでも、探究心の方が勝り、科学者達は総出で彼らの事を調べた。
そして、特異体質者には、普通の人間にはない正体不明のエネルギーが体内に存在していることを突き止めた。
それが、かつては『魔力』と呼ばれたものだったが、科学者達はそのエネルギーに『霊感』という名をつけた。
更に研究がすすめられた。
すると、また新たな事実が判明した。
『霊感』を持ちながらも特異な体質が現れない人間の存在が確認されたのだ。
科学者達が懸命に調べると、『霊感』には人それぞれ強さがあり、ある一定の強さを超える『霊感』の持ち主に特異な体質が現れる、と言うことが分かったのだ。
更に研究がすすめられると、人間の中で『霊感』が目覚めるのは、数え年で10歳になる年だと言うことがわかった。
そこで、科学者達は研究に研究を重ね、『霊感』を数値化し、SSS、SS、S、A、B、C、霊感なしと『霊感』のレベル毎に振り分けるための機械を作り上げた。
その装置の出来は素晴らしく、特異体質者とそうでない者を正確に分けることができた。
人間達は数え年で10歳になると、その機械にかけられ、自身の『霊感』のレベルを知らされることとなった。
すると、何が起こったか。
『差別』である。
SSレベル以上の霊感を持つ者に特異体質は現れた。
そのため、機械からSSSやSSのレベルを知らされた者は他の者たちから奇異なものとして見られた。
そして、国も彼らの事を異質なものとして扱った。
彼らに救いの手を伸ばすものは誰一人として存在しなかったのである。
日本はその小さな土地を更に47に分割し、それぞれ県や都などと呼ばれていた。
その県や都毎に、土地の一部を高い壁で囲いし、その中に、その地にいる特異体質者達を押し込め隔離したのだ。
…いや、押し込めた、隔離したというのは語弊がある。
別に、強制的に彼らを壁の内側に押し込めた訳でもないし、壁には至るところに扉が存在し鍵はかけられていない為出入りは自由だったのだから。
だが、特異体質者達は壁の内側で生活し極力壁の外には出ようとしなかった。
一歩外に出れば、いくつもの軽蔑の視線をその身一つに浴びる羽目になるのだから…。
別に望んで力を手に入れたわけでもないのに、望んで特異体質に目覚めたわけでもないのに、存在してしまったそれだけで彼らは『差別』の対象とされたのだ。
まさか、むかしむかしに、そんな彼らを重宝し崇めていた事実があることなど
今の人間達は知らない。
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