9 / 167
第一章~始まり~
違和感
しおりを挟む
「へえぇ~。じゃあ高校でもテニスは続けるの?」
「はい。でも軟式から硬式に変わるので不安はありますけど」
「めぐなら大丈夫だって! それに私も居るしね!」
「ゆずは運動神経いいから羨ましい~」
めぐが協力を申し出てから三人で会話の練習という形で雑談していた。
俺は事前に柚希から聞いていためぐの情報を元に話している。
兄妹が居なく一人っ子な事、成績が学年2位の秀才な事、ソフトテニス部だった事、以外にもラノベを読んでいる事、そして俺と同じ咲崎高校に通う事等を駆使していた。
「じゃあ中学からはウチの高校に来るのは柚希とめぐだけなんだ?」
「はい。通学が楽な地元の高校に行くみたいです。それに咲崎高校は進学校で偏差値が高いので諦めてるみたいですね」
「だからめぐが協力してくれると凄い助かるの! 流石に高校で私一人じゃ限界があったから。ホントにありがとね!」
そういう理由もあって今日の特訓の相手がめぐだったのかもしれないな。
そして柚希の思惑通りにめぐが協力を申し出た。
一体どこまで計算してるんだろう。
「あ!もうこんな時間。そろそろ帰らないと」
というめぐの言葉で既に17時を過ぎている事に気づく。
ただ会話していただけなのに時間が経つのが早く感じた。
「ごめんね~、遅くまでつきあわせちゃって」
「ううん、私こそ無理言って手伝わせてなんていっちゃったし」
「それは全然大丈夫だよ~。二人で協力してお兄ちゃんを立派に育てよう!」
「おい!俺はペットじゃないぞ?」
「「はははっ」」
今日一日で大分会話できる様になった気がする。
「友也さん、よければ連絡先交換しませんか?」
「う、うん。そうだね、交換しよう」
女子から連絡先を交換しようと言われて動揺してしまった。
でもしょうがない。 今まで同性にすら聞かれたことなかったし。
連絡先の交換を終え
「これからよろしくお願いしますね、友也先輩♪」
という言葉を残して帰っていった。
友也先輩かぁ~。良い響きだ。
その後出かけていた両親が帰って来て夕食を済ませ、今は湯舟に浸かりながら今日の事を振り返る。
「今日一日で色々あったなぁ」
午前中は柚希に連れられて美容室にいって、その後服をマネキン買いして。
午後はめぐが家にきて、協力してくれる事になったり。
そして、協力関係ではあるが人生初めての女子の連絡先を知ったり。
友也先輩と呼ばれて嬉しかったり。
今日の出来事を順に思い出して頬が少し緩む。
しかし、どうしても気になってしょうがない出来事があった。
本人に確認した方がいいのだろうか?
それとも気づかなかったフリをした方がいいのか。
夜11時、両親は共働きの為既に就寝している中、俺は柚希の部屋の前に立っていた。
どうしても昼の事が気になり、柚希に直接訪ねる事にしたのだ。
一度深呼吸をしてドアをノックし、声を掛ける。
「柚希、起きてるか?」
数秒してドアが開かれ柚希が顔をだす。
「どうしたの?」
「昼間の事で少し話があるんだが、いいか?」
「……」
少しの間があった後
「入って」
と言って俺を部屋に招き入れる。
初めて入った柚希の部屋は、あまり女子の部屋という感じがしなかった。
まぁ、女子の部屋に入ったの初めてなんだけど。
それを差し引いても、殺風景というか、必要な物だけ置いてある感じだ。
俺が部屋をキョロキョロ見ていると
「それで話って何?」
ベッドに腰掛けた柚希が訪ねてくる。
「めぐの事に関係してるんだけど」
と言った瞬間に
「もしかしてめぐに惚れちゃったの~?」
と茶化してきたが
「いや、そういうわけじゃないんだ」
「な~んだ、つまんな~い」
わざとらしく唇を尖らせる柚希。
「めぐが柚希の話しを聞いて協力してくれる事になっただろ?」
「うん、心強い味方が増えたね」
「最初に協力したいって言われた時、柚希俯いてたよな?」
「そうだっけ?」
「その後柚希は本当にいいの?って問いかけた」
「迷惑掛けちゃ悪いしね」
「それでもめぐが力になりたいって言った時さ」
柚希は静かにきいている。
次の俺の言葉にどう反応するのだろう。
「柚希、お前……、笑ったよな?」
言って柚希の顔を見る。
表情はえがおのままだ。
そしてその笑顔のまま
「凄く嬉しかったからね!」
と言ってきたが
「そうじゃない。俯いた状態の時、口角だけあがったんだよ」
言った。言ってしまった!
ずっと違和感を覚えていた事。
めぐの言葉に、そしてめぐに見えない様に口角だけ上げて笑った事。
柚希の様子を見ると、俯いている。
あの時の様に。
「……」
言葉を発しない柚希に更に詰め寄る。
「全部、計算してたんじゃないか?」
核心に迫るような俺の言葉に、俯いたまま柚希が口を開く。
「やっぱり兄弟だね……」
どういう意味か考えていると、柚希は顔を上げ、どこか冷たさを感じる笑顔で
「うん、全部計算通りだよ」
そう言ってのけた。
「はい。でも軟式から硬式に変わるので不安はありますけど」
「めぐなら大丈夫だって! それに私も居るしね!」
「ゆずは運動神経いいから羨ましい~」
めぐが協力を申し出てから三人で会話の練習という形で雑談していた。
俺は事前に柚希から聞いていためぐの情報を元に話している。
兄妹が居なく一人っ子な事、成績が学年2位の秀才な事、ソフトテニス部だった事、以外にもラノベを読んでいる事、そして俺と同じ咲崎高校に通う事等を駆使していた。
「じゃあ中学からはウチの高校に来るのは柚希とめぐだけなんだ?」
「はい。通学が楽な地元の高校に行くみたいです。それに咲崎高校は進学校で偏差値が高いので諦めてるみたいですね」
「だからめぐが協力してくれると凄い助かるの! 流石に高校で私一人じゃ限界があったから。ホントにありがとね!」
そういう理由もあって今日の特訓の相手がめぐだったのかもしれないな。
そして柚希の思惑通りにめぐが協力を申し出た。
一体どこまで計算してるんだろう。
「あ!もうこんな時間。そろそろ帰らないと」
というめぐの言葉で既に17時を過ぎている事に気づく。
ただ会話していただけなのに時間が経つのが早く感じた。
「ごめんね~、遅くまでつきあわせちゃって」
「ううん、私こそ無理言って手伝わせてなんていっちゃったし」
「それは全然大丈夫だよ~。二人で協力してお兄ちゃんを立派に育てよう!」
「おい!俺はペットじゃないぞ?」
「「はははっ」」
今日一日で大分会話できる様になった気がする。
「友也さん、よければ連絡先交換しませんか?」
「う、うん。そうだね、交換しよう」
女子から連絡先を交換しようと言われて動揺してしまった。
でもしょうがない。 今まで同性にすら聞かれたことなかったし。
連絡先の交換を終え
「これからよろしくお願いしますね、友也先輩♪」
という言葉を残して帰っていった。
友也先輩かぁ~。良い響きだ。
その後出かけていた両親が帰って来て夕食を済ませ、今は湯舟に浸かりながら今日の事を振り返る。
「今日一日で色々あったなぁ」
午前中は柚希に連れられて美容室にいって、その後服をマネキン買いして。
午後はめぐが家にきて、協力してくれる事になったり。
そして、協力関係ではあるが人生初めての女子の連絡先を知ったり。
友也先輩と呼ばれて嬉しかったり。
今日の出来事を順に思い出して頬が少し緩む。
しかし、どうしても気になってしょうがない出来事があった。
本人に確認した方がいいのだろうか?
それとも気づかなかったフリをした方がいいのか。
夜11時、両親は共働きの為既に就寝している中、俺は柚希の部屋の前に立っていた。
どうしても昼の事が気になり、柚希に直接訪ねる事にしたのだ。
一度深呼吸をしてドアをノックし、声を掛ける。
「柚希、起きてるか?」
数秒してドアが開かれ柚希が顔をだす。
「どうしたの?」
「昼間の事で少し話があるんだが、いいか?」
「……」
少しの間があった後
「入って」
と言って俺を部屋に招き入れる。
初めて入った柚希の部屋は、あまり女子の部屋という感じがしなかった。
まぁ、女子の部屋に入ったの初めてなんだけど。
それを差し引いても、殺風景というか、必要な物だけ置いてある感じだ。
俺が部屋をキョロキョロ見ていると
「それで話って何?」
ベッドに腰掛けた柚希が訪ねてくる。
「めぐの事に関係してるんだけど」
と言った瞬間に
「もしかしてめぐに惚れちゃったの~?」
と茶化してきたが
「いや、そういうわけじゃないんだ」
「な~んだ、つまんな~い」
わざとらしく唇を尖らせる柚希。
「めぐが柚希の話しを聞いて協力してくれる事になっただろ?」
「うん、心強い味方が増えたね」
「最初に協力したいって言われた時、柚希俯いてたよな?」
「そうだっけ?」
「その後柚希は本当にいいの?って問いかけた」
「迷惑掛けちゃ悪いしね」
「それでもめぐが力になりたいって言った時さ」
柚希は静かにきいている。
次の俺の言葉にどう反応するのだろう。
「柚希、お前……、笑ったよな?」
言って柚希の顔を見る。
表情はえがおのままだ。
そしてその笑顔のまま
「凄く嬉しかったからね!」
と言ってきたが
「そうじゃない。俯いた状態の時、口角だけあがったんだよ」
言った。言ってしまった!
ずっと違和感を覚えていた事。
めぐの言葉に、そしてめぐに見えない様に口角だけ上げて笑った事。
柚希の様子を見ると、俯いている。
あの時の様に。
「……」
言葉を発しない柚希に更に詰め寄る。
「全部、計算してたんじゃないか?」
核心に迫るような俺の言葉に、俯いたまま柚希が口を開く。
「やっぱり兄弟だね……」
どういう意味か考えていると、柚希は顔を上げ、どこか冷たさを感じる笑顔で
「うん、全部計算通りだよ」
そう言ってのけた。
0
あなたにおすすめの小説
迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる
九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。
※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
【本編、番外編完結】血の繋がらない叔父にひたすら片思いしていたいのに、婚約者で幼馴染なアイツが放っておいてくれません
恩田璃星
恋愛
蓮見千歳(はすみちとせ)は、血の繋がりのない叔父、遼平に少しでも女性として見てもらいと、幼い頃から努力を続けてきた。
そして、大学卒業を果たし千歳は、念願叶って遼平の会社で働き始めるが、そこには幼馴染の晴臣(はるおみ)も居た。
千歳が遼平に近づくにつれ、『一途な想い』が複雑に交錯していく。
第14回恋愛小説対象にエントリーしています。
※別タイトルで他サイト様掲載作品になります。
番外編は現時点でアルファポリス様限定で掲載しております。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
元暗殺者の俺だけが、クラスの地味系美少女が地下アイドルなことを知っている
甘酢ニノ
恋愛
クラス一の美少女・強羅ひまりには、誰にも言えない秘密がある。
実は“売れない地下アイドル”として活動しているのだ。
偶然その正体を知ってしまったのは、無愛想で怖がられがちな同級生・兎山類。
けれど彼は、泣いていたひまりをそっと励ましたことも忘れていて……。
不器用な彼女の願いを胸に、類はひまりの“支え役”になっていく。
真面目で不器用なアイドルと、寡黙だけど優しい少年が紡ぐ、
少し切なくて甘い青春ラブコメ。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
俺をフッた幼馴染が、トップアイドルになって「もう一度やり直したい」と言ってきた
夏見ナイ
恋愛
平凡な大学生・藤堂蓮には忘れられない過去がある。高校時代、告白した幼馴染の星宮瑠奈に「アイドルになるから」とこっ酷くフラれたことだ。
数年後、瑠奈は国民的アイドル『LUNA』として輝いていた。遠い世界の住人になった彼女との再会なんて、あるはずもなかった――そう、変装した彼女が俺の前に現れ、「もう一度やり直したい」と泣きつくまでは。
トップアイドルの立場を使い強引に迫る元幼馴染と、過去の傷。揺れ動く俺の日常を照らしてくれたのは、俺の才能を信じてくれる後輩・朝霧陽葵の存在だった。
俺をフッた幼馴染か、俺を支える後輩か。過去の清算と未来の選択を描く、ほろ苦くも甘い、逆転ラブコメディ、開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
