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第二章~新しい生活~
二人きりの下校
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リア充を目指して妹である柚希監修の元春休みに色々な特訓をし、今日2年生デビューしていきなりトップカーストに入る事になった。
ここまで何の障害も無くスムーズにきている事に驚くが、もっと驚く事態が帰宅途中に待っていた。
グループのメンバーは皆電車通学なのだが、まさか同じ駅を利用している奴がいたなんて……。
しかも水瀬南という美少女。
二人っきりになってしまい俺の頭はショート寸前で何を話したら分からない。
俺が動かず固まっていると、水瀬が手を後ろで組んで前かがみになり俺の顔を覗き込んできた。
「どうしたの佐藤? 帰ろ?」
と小首を傾げながら言う。
しかも顔が近い!
そんな可愛いポーズでこんなに顔近づけられたら惚れちゃうから! ぼっちは惚れやすいから!
確実に赤くなっているであろう顔をフイと逸らして
「ご、ごめん。 ちょっと考え事してて。 帰ろうか」
こんな時どう対処するのが正解なんですかね?
「もしかして、私の貞操の危機!」
「いや、違うから!?」
水瀬は冗談で言っているのだろうが、俺は自分でも分かる位の必死さで否定した。
「ははは、分かってるって。 そんな必死にならなくてもいいじゃ~ん」
と笑って受け流す。
さすがリア充は違うな。
「でも、まさか最寄駅が一緒だったとはね~。 今までニアミスしてたかもね」
「そ、そうだね」
あははと笑う水瀬に対してそっけない返事しか出来ない俺。
どんな話題を出していいか分からない。
俺といてもつまらないとか思われてるんじゃないだろうか。
と考えていると
「佐藤って去年は今と雰囲気とか全然違うんだよね? 去年はどんな感じだったの」
と水瀬の方から話題を提供してくれた。
そして気づいた。 お互いの事を話題にすればいいんだ。
俺だって水瀬の事はさっき知った陸上部所属以外知らないんだから。
「えっと、及川は何て言ってたの?」
「え~っと、いつも一人でいて友達と喋ってる所を見た事が無くて、授業で教科書読まされてる時もぼそぼそしてて何言ってるか分かんなかったって言ってた」
その辺は俺も自覚してるから他人になんと言われても仕方ない。
「あ、それとキモかったって! 顔がいつも無表情で目が死んでたって言ってたよ」
「あ、ああ、そうなんだ」
やっぱりキモイって言われるのは嫌だな。 事実だからしょうがないんだけど……。
「及川の言ってる事は大体あってるよ」
と言うと、水瀬は大げさに仰け反って驚いてみせる。
「ええ! 事実なんだ。 私はてっきり佳奈子が盛ってるんだと思ってたよ」
悲しいことに何一つ盛られてないんだよなぁ。
「でも凄いね、ここまで変わるなんて! しかもイケメンだし」
またイケメンと言われた。 そんなに格好良くなったのか?
「俺ってそんなにイケメンなの?」
と言うと、再び大仰に驚く水瀬。
「無自覚なの!? 今日なんて謎のイケメンがいきなり現れた! って女子達の間で噂になってたんだよ」
水瀬が言ってた噂ってそういう事だったのか。
「ん~、自分では去年に比べてまともになったな位の認識かな」
「去年の佐藤を見てみたいよ」
「はは、やめておいた方がいいよ。 それにイケメンって言われても技術が追いついてないっていうか、根底にある物は中々変えられないからさ」
今だって水瀬と話してて心臓の鼓動がヤバイ。
「技術って?」
「会話の仕方だったり、色々な所作とかかな」
今だって水瀬が提供してくれた話題に乗っかってるだけだしな。
「へ~、そんな事勉強したりしてるんだ」
「お恥ずかしながら」
努力家なんだね~と言いながら腕を組んで頷いている。
水瀬はリアクションも大きくて常に笑ってるから元気キャラなのかな?
と、会話が途切れる。
今度は俺が話題を出さないと。
「そういえば水瀬って陸上部なんだな」
今ある情報だとこれ位しか話題がない。
ここからどうやって会話を広げるかだな。
「そうだよ、走高跳専門でやっております!」
ビシッ! と何故か敬礼する水瀬。
「中学の時授業でやったけど難しいよね」
何とかして会話を繋ぐ。
「コツを掴めばある程度は飛べるようになるよ。 そこから先は努力の日々って感じかな~」
「水瀬も努力家じゃん」
さっき俺の事を努力家と評されたので水瀬にも同じ事を言ってみた。
すると
「ん~、私の場合は努力家っていうか、楽しいからやってるって感じかな。 自分で努力してるって思わないしね」
楽しいからやる、か。 それって十分に努力家だと思うけど、それは人それぞれなんだろう。
あれ? 会話終わっちゃったよ、どうしよう。
他に何か話題はないかと考えていると、再び水瀬から話を振られた。
「佐藤って彼女欲しくて変わろうと思ったんだよね?」
と今日何度も聞いた質問が飛んできた。
「まぁそうだね。 不純な動機だけど」
本当の事は言えないのでそう答える
「でも今は誰か特定の人が居る訳じゃないと?」
「うん、今まで人と関わって来なかったから誰がどんな人なのかっていう事も分からないしね」
「ふ~ん、そうなんだぁ」
そして再びの沈黙。
しばらくお互い沈黙のまま歩き、交差点までやってくると
「あ、私こっちだから」
「わかった」
「じゃ、またね」
と言って俺とは反対方向へ歩き出す。
それを見て俺も帰ろうと踵を返そうとした時、水瀬がこちらに戻って来た。
忘れ物だろうかと考えていると
「せっかく同じグループになったんだし連絡先交換しない?」
と言われ、断る理由等ないので連絡先をこうかんした。
「ん、ありがと。じゃ今度こそまたね!」
と言い帰っていく。
後姿をしばらく見送って俺も帰路に着いた。
ここまで何の障害も無くスムーズにきている事に驚くが、もっと驚く事態が帰宅途中に待っていた。
グループのメンバーは皆電車通学なのだが、まさか同じ駅を利用している奴がいたなんて……。
しかも水瀬南という美少女。
二人っきりになってしまい俺の頭はショート寸前で何を話したら分からない。
俺が動かず固まっていると、水瀬が手を後ろで組んで前かがみになり俺の顔を覗き込んできた。
「どうしたの佐藤? 帰ろ?」
と小首を傾げながら言う。
しかも顔が近い!
そんな可愛いポーズでこんなに顔近づけられたら惚れちゃうから! ぼっちは惚れやすいから!
確実に赤くなっているであろう顔をフイと逸らして
「ご、ごめん。 ちょっと考え事してて。 帰ろうか」
こんな時どう対処するのが正解なんですかね?
「もしかして、私の貞操の危機!」
「いや、違うから!?」
水瀬は冗談で言っているのだろうが、俺は自分でも分かる位の必死さで否定した。
「ははは、分かってるって。 そんな必死にならなくてもいいじゃ~ん」
と笑って受け流す。
さすがリア充は違うな。
「でも、まさか最寄駅が一緒だったとはね~。 今までニアミスしてたかもね」
「そ、そうだね」
あははと笑う水瀬に対してそっけない返事しか出来ない俺。
どんな話題を出していいか分からない。
俺といてもつまらないとか思われてるんじゃないだろうか。
と考えていると
「佐藤って去年は今と雰囲気とか全然違うんだよね? 去年はどんな感じだったの」
と水瀬の方から話題を提供してくれた。
そして気づいた。 お互いの事を話題にすればいいんだ。
俺だって水瀬の事はさっき知った陸上部所属以外知らないんだから。
「えっと、及川は何て言ってたの?」
「え~っと、いつも一人でいて友達と喋ってる所を見た事が無くて、授業で教科書読まされてる時もぼそぼそしてて何言ってるか分かんなかったって言ってた」
その辺は俺も自覚してるから他人になんと言われても仕方ない。
「あ、それとキモかったって! 顔がいつも無表情で目が死んでたって言ってたよ」
「あ、ああ、そうなんだ」
やっぱりキモイって言われるのは嫌だな。 事実だからしょうがないんだけど……。
「及川の言ってる事は大体あってるよ」
と言うと、水瀬は大げさに仰け反って驚いてみせる。
「ええ! 事実なんだ。 私はてっきり佳奈子が盛ってるんだと思ってたよ」
悲しいことに何一つ盛られてないんだよなぁ。
「でも凄いね、ここまで変わるなんて! しかもイケメンだし」
またイケメンと言われた。 そんなに格好良くなったのか?
「俺ってそんなにイケメンなの?」
と言うと、再び大仰に驚く水瀬。
「無自覚なの!? 今日なんて謎のイケメンがいきなり現れた! って女子達の間で噂になってたんだよ」
水瀬が言ってた噂ってそういう事だったのか。
「ん~、自分では去年に比べてまともになったな位の認識かな」
「去年の佐藤を見てみたいよ」
「はは、やめておいた方がいいよ。 それにイケメンって言われても技術が追いついてないっていうか、根底にある物は中々変えられないからさ」
今だって水瀬と話してて心臓の鼓動がヤバイ。
「技術って?」
「会話の仕方だったり、色々な所作とかかな」
今だって水瀬が提供してくれた話題に乗っかってるだけだしな。
「へ~、そんな事勉強したりしてるんだ」
「お恥ずかしながら」
努力家なんだね~と言いながら腕を組んで頷いている。
水瀬はリアクションも大きくて常に笑ってるから元気キャラなのかな?
と、会話が途切れる。
今度は俺が話題を出さないと。
「そういえば水瀬って陸上部なんだな」
今ある情報だとこれ位しか話題がない。
ここからどうやって会話を広げるかだな。
「そうだよ、走高跳専門でやっております!」
ビシッ! と何故か敬礼する水瀬。
「中学の時授業でやったけど難しいよね」
何とかして会話を繋ぐ。
「コツを掴めばある程度は飛べるようになるよ。 そこから先は努力の日々って感じかな~」
「水瀬も努力家じゃん」
さっき俺の事を努力家と評されたので水瀬にも同じ事を言ってみた。
すると
「ん~、私の場合は努力家っていうか、楽しいからやってるって感じかな。 自分で努力してるって思わないしね」
楽しいからやる、か。 それって十分に努力家だと思うけど、それは人それぞれなんだろう。
あれ? 会話終わっちゃったよ、どうしよう。
他に何か話題はないかと考えていると、再び水瀬から話を振られた。
「佐藤って彼女欲しくて変わろうと思ったんだよね?」
と今日何度も聞いた質問が飛んできた。
「まぁそうだね。 不純な動機だけど」
本当の事は言えないのでそう答える
「でも今は誰か特定の人が居る訳じゃないと?」
「うん、今まで人と関わって来なかったから誰がどんな人なのかっていう事も分からないしね」
「ふ~ん、そうなんだぁ」
そして再びの沈黙。
しばらくお互い沈黙のまま歩き、交差点までやってくると
「あ、私こっちだから」
「わかった」
「じゃ、またね」
と言って俺とは反対方向へ歩き出す。
それを見て俺も帰ろうと踵を返そうとした時、水瀬がこちらに戻って来た。
忘れ物だろうかと考えていると
「せっかく同じグループになったんだし連絡先交換しない?」
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後姿をしばらく見送って俺も帰路に着いた。
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