36 / 167
第四章~代償と恋路~
不安材料
しおりを挟む
放課後、駅の近くにあるファミレスにグループ全員が揃っていた。
八人掛けの席に何故か片方に俺と楓だけで、もう片方に他の全員が座っている。
ぎゅうぎゅうに詰めても5人しか座れなかったので田口が隣の席から椅子を持ってきて強引に座っている。
「なんでこんな席順になってるんだ?」
「そりゃ決まってるだろ、お前達の事を聞く為だよ」
中居がふんぞり返りながら答える。
それに続いて他の皆も
「難攻不落の楓がどうして佐藤選んだか気になるもん」
「友也が新島とどう仲良くなったのか参考にしたいしな」
「佐藤君~、モテる秘訣教えてよ~」
田口を除き皆どうして俺達が付き合い出したのか聞き出したいらしい。
そして最初の質問が中居から発せられた。
「まず、告白したのは新島からでいいんだよな?」
「うん、今朝告白しました」
律儀に答える楓。
リア充って付き合い出したら事細かく報告しなきゃいけないの?
「新島の告白に佐藤はオーケーした。と」
「まぁ、そうかな」
実際は俺からの告白に近かったけど、最初に言ったのは楓だしな。
「はいはーい質問ー! 楓は佐藤の事何時から好きだったの?」
と元気よく及川が質問してくる。
どう答えるのだろうと楓の方を見たら楓も俺の方を向いたので目が合った。
楓は小さくコクンと頷いてから
「一年生の終わりごろからかな」
その答えにまたしても皆が驚愕の声を漏らす。
そして店員に注意を受ける。
まだ驚きを隠しきれない及川はまだ少し高いボリュームで
「一年の終わりごろって、佐藤がまだぼっちだった時だよね?」
及川の質問に中居や水樹も「確かにな」と頷いている。
そんな俺の何処を好きになったのか疑問でしょうがないといった表情をしている。
「そうだね、いつも一人で居た」
「だよね! 見た目も今とは大分違うし、どうして?」
楓は一度大きく深呼吸をしてから、朝俺に言った事を話した。
つまり今までは自己顕示欲の為に猫を被っていた事もだ。
楓の話を聞いた皆は、どう反応しようか迷っている様に見えた。
だが、田口はいつもの調子で質問してくる。
「なら、今も猫被ってるって事なん?」
恐らく皆が聞きたかった事を田口はお調子者というキャラの軽い感じで聞いてくる。
これが空気を読んでの行動なら田口を見直すな。
「今は猫は被ってないよ。被る必要もないしね」
「でも、いつもとあんま変わんなくね?」
「そう…かな?」
「ただ今まで頑張って来た事を休憩するって事っしょ? なら何の問題もないっしょ。なぁ皆!」
田口の言葉に皆が賛同する。
田口って実はキレ者なのか?
「まぁ、新島は新島だな」
「まさか田口に諭されるなんてな」
「うんうん! 楓は今まで頑張り過ぎだったからこれで良かったのかも」
「そして今までの分のエネルギーを佐藤にぶつけるんだね!」
皆今の楓を受け入れてくれたようだ。
こいつら仲間想いの良い奴等だな。
先日の誕プレの件といい。
しかし、水瀬だけはいつも斜め上に解釈するな。
と思っていたら
「そうなのよ南! 私実は凄い独占欲強くてさ」
と言いながら俺の腕に抱き付き
「友也君に近づく女には容赦しないわ!」
と怖い事を言った。
あの、楓さん? それ初耳なんですが。
楓の言葉を聞いて反応したのは水樹だった。
「まぁ友也に言い寄る女云々はともかく、その逆には気を付けないとな」
「ああ、そうだな」
と水樹の言葉に中居も頷く。
どういう事だ? 難攻不落の楓が付き合い出したからもしかしたら俺にもチャンスが! みたいな奴等が現れるって事だろうか。
その俺の疑問を及川が代わりに水樹に聞く
「その逆に気を付けるってどういう意味?」
「単純な話、嫉妬だな。去年までイケてなかった友也に自分達のアイドルが奪われたんだからな。嫌がらせとかあるかもしれないって事」
「何それ! 佐藤は努力して此処まできたんじゃん。それに嫉妬とかありえない!」
及川は納得いってない様だが、俺にはよく理解出来た。
確かに今までぼっちだったが急に変わって憧れの女子と付き合い出したら物凄い嫉妬だろう。
ヤバイ、怖くなってきた。
すると中居が
「まぁ俺達のグループに居る訳だしそうそう滅多な事は出来ないだろ。っつーかさせねぇ」
と誰かに睨みを利かせる様に言い
それに続いて水樹と田口も
「だな。友也達は俺等が守ってやるよ」
「やっぱここは友情っしょ!」
と男子組は心強い事を言ってくれた。
こんなに他人から温かい言葉を貰ったのは初めてだ。
あ、なんか涙出てきた。
「ちょっと佐藤何泣いてんの?」
「どうしたんだよ友也」
「俺今までこんなに優しくされた事無かったから感動して……」
と正直に言うと
「もうお前は一人じゃねぇだろ。俺等がいるし、何より新島が居るだろうが」
と中居に叱咤された。
そうだよ! 今はこんなにも俺の事を思ってくれてる仲間がいる。
それに楓だっているんだからしっかりしなきゃな。
「ああ、そうだよな。サンキュ中居」
「別に」
俺がお礼を言うと中居は照れたようにそっぽ向いてしまった。
俺は本当にいい仲間に出会えたな、と思っていたら
「とりあえずここはファミレスの中だからそろそろ離れたら?」
と今までくっついていた楓に水樹が突っ込み
そしてそのまま今日は解散となった。
八人掛けの席に何故か片方に俺と楓だけで、もう片方に他の全員が座っている。
ぎゅうぎゅうに詰めても5人しか座れなかったので田口が隣の席から椅子を持ってきて強引に座っている。
「なんでこんな席順になってるんだ?」
「そりゃ決まってるだろ、お前達の事を聞く為だよ」
中居がふんぞり返りながら答える。
それに続いて他の皆も
「難攻不落の楓がどうして佐藤選んだか気になるもん」
「友也が新島とどう仲良くなったのか参考にしたいしな」
「佐藤君~、モテる秘訣教えてよ~」
田口を除き皆どうして俺達が付き合い出したのか聞き出したいらしい。
そして最初の質問が中居から発せられた。
「まず、告白したのは新島からでいいんだよな?」
「うん、今朝告白しました」
律儀に答える楓。
リア充って付き合い出したら事細かく報告しなきゃいけないの?
「新島の告白に佐藤はオーケーした。と」
「まぁ、そうかな」
実際は俺からの告白に近かったけど、最初に言ったのは楓だしな。
「はいはーい質問ー! 楓は佐藤の事何時から好きだったの?」
と元気よく及川が質問してくる。
どう答えるのだろうと楓の方を見たら楓も俺の方を向いたので目が合った。
楓は小さくコクンと頷いてから
「一年生の終わりごろからかな」
その答えにまたしても皆が驚愕の声を漏らす。
そして店員に注意を受ける。
まだ驚きを隠しきれない及川はまだ少し高いボリュームで
「一年の終わりごろって、佐藤がまだぼっちだった時だよね?」
及川の質問に中居や水樹も「確かにな」と頷いている。
そんな俺の何処を好きになったのか疑問でしょうがないといった表情をしている。
「そうだね、いつも一人で居た」
「だよね! 見た目も今とは大分違うし、どうして?」
楓は一度大きく深呼吸をしてから、朝俺に言った事を話した。
つまり今までは自己顕示欲の為に猫を被っていた事もだ。
楓の話を聞いた皆は、どう反応しようか迷っている様に見えた。
だが、田口はいつもの調子で質問してくる。
「なら、今も猫被ってるって事なん?」
恐らく皆が聞きたかった事を田口はお調子者というキャラの軽い感じで聞いてくる。
これが空気を読んでの行動なら田口を見直すな。
「今は猫は被ってないよ。被る必要もないしね」
「でも、いつもとあんま変わんなくね?」
「そう…かな?」
「ただ今まで頑張って来た事を休憩するって事っしょ? なら何の問題もないっしょ。なぁ皆!」
田口の言葉に皆が賛同する。
田口って実はキレ者なのか?
「まぁ、新島は新島だな」
「まさか田口に諭されるなんてな」
「うんうん! 楓は今まで頑張り過ぎだったからこれで良かったのかも」
「そして今までの分のエネルギーを佐藤にぶつけるんだね!」
皆今の楓を受け入れてくれたようだ。
こいつら仲間想いの良い奴等だな。
先日の誕プレの件といい。
しかし、水瀬だけはいつも斜め上に解釈するな。
と思っていたら
「そうなのよ南! 私実は凄い独占欲強くてさ」
と言いながら俺の腕に抱き付き
「友也君に近づく女には容赦しないわ!」
と怖い事を言った。
あの、楓さん? それ初耳なんですが。
楓の言葉を聞いて反応したのは水樹だった。
「まぁ友也に言い寄る女云々はともかく、その逆には気を付けないとな」
「ああ、そうだな」
と水樹の言葉に中居も頷く。
どういう事だ? 難攻不落の楓が付き合い出したからもしかしたら俺にもチャンスが! みたいな奴等が現れるって事だろうか。
その俺の疑問を及川が代わりに水樹に聞く
「その逆に気を付けるってどういう意味?」
「単純な話、嫉妬だな。去年までイケてなかった友也に自分達のアイドルが奪われたんだからな。嫌がらせとかあるかもしれないって事」
「何それ! 佐藤は努力して此処まできたんじゃん。それに嫉妬とかありえない!」
及川は納得いってない様だが、俺にはよく理解出来た。
確かに今までぼっちだったが急に変わって憧れの女子と付き合い出したら物凄い嫉妬だろう。
ヤバイ、怖くなってきた。
すると中居が
「まぁ俺達のグループに居る訳だしそうそう滅多な事は出来ないだろ。っつーかさせねぇ」
と誰かに睨みを利かせる様に言い
それに続いて水樹と田口も
「だな。友也達は俺等が守ってやるよ」
「やっぱここは友情っしょ!」
と男子組は心強い事を言ってくれた。
こんなに他人から温かい言葉を貰ったのは初めてだ。
あ、なんか涙出てきた。
「ちょっと佐藤何泣いてんの?」
「どうしたんだよ友也」
「俺今までこんなに優しくされた事無かったから感動して……」
と正直に言うと
「もうお前は一人じゃねぇだろ。俺等がいるし、何より新島が居るだろうが」
と中居に叱咤された。
そうだよ! 今はこんなにも俺の事を思ってくれてる仲間がいる。
それに楓だっているんだからしっかりしなきゃな。
「ああ、そうだよな。サンキュ中居」
「別に」
俺がお礼を言うと中居は照れたようにそっぽ向いてしまった。
俺は本当にいい仲間に出会えたな、と思っていたら
「とりあえずここはファミレスの中だからそろそろ離れたら?」
と今までくっついていた楓に水樹が突っ込み
そしてそのまま今日は解散となった。
0
あなたにおすすめの小説
迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる
九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。
※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
【本編、番外編完結】血の繋がらない叔父にひたすら片思いしていたいのに、婚約者で幼馴染なアイツが放っておいてくれません
恩田璃星
恋愛
蓮見千歳(はすみちとせ)は、血の繋がりのない叔父、遼平に少しでも女性として見てもらいと、幼い頃から努力を続けてきた。
そして、大学卒業を果たし千歳は、念願叶って遼平の会社で働き始めるが、そこには幼馴染の晴臣(はるおみ)も居た。
千歳が遼平に近づくにつれ、『一途な想い』が複雑に交錯していく。
第14回恋愛小説対象にエントリーしています。
※別タイトルで他サイト様掲載作品になります。
番外編は現時点でアルファポリス様限定で掲載しております。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
元暗殺者の俺だけが、クラスの地味系美少女が地下アイドルなことを知っている
甘酢ニノ
恋愛
クラス一の美少女・強羅ひまりには、誰にも言えない秘密がある。
実は“売れない地下アイドル”として活動しているのだ。
偶然その正体を知ってしまったのは、無愛想で怖がられがちな同級生・兎山類。
けれど彼は、泣いていたひまりをそっと励ましたことも忘れていて……。
不器用な彼女の願いを胸に、類はひまりの“支え役”になっていく。
真面目で不器用なアイドルと、寡黙だけど優しい少年が紡ぐ、
少し切なくて甘い青春ラブコメ。
SSS級の絶世の超絶美少女達がやたらと俺にだけ見え見えな好意を寄せてくる件について。〜絶対に俺を攻略したいSSS級の美少女たちの攻防戦〜
沢田美
恋愛
「ごめんね、八杉くん」
中学三年の夏祭り。一途な初恋は、花火と共に儚く散った。
それ以来、八杉裕一(やすぎ・ゆういち)は誓った。「高校では恋愛なんて面倒なものとは無縁の、平穏なオタク生活を送る」と。
だが、入学した紫水高校には《楽園の世代》と呼ばれる四人のSSS級美少女――通称《四皇》が君臨していた。
• 距離感バグり気味の金髪幼馴染・神行胱。
• 圧倒的カリスマで「恋の沼」に突き落とす銀髪美少女・銀咲明日香。
• 無自覚に男たちの初恋を奪う、おっとりした「女神」・足立模。
• オタクにも優しい一万年に一人の最高ギャル・川瀬優里。
恋愛から距離を置きたい裕一の願いも虚しく、彼女たちはなぜか彼にだけ、見え見えな好意を寄せ始める。
教室での「あーん」に、放課後のアニメイトでの遭遇、さらには女神からの「一緒にホラー漫画を買いに行かない?」というお誘いまで。
「俺の身にもなれ! 荷が重すぎるんだよ!」
鋼の意志でスルーしようとする裕一だが、彼女たちの純粋で猛烈なアプローチは止まらない。
恋愛拒否気味な少年と、彼を絶対に攻略したい最強美少女たちの、ちょっと面倒で、でも最高に心地よい「激推し」ラブコメ、開幕!
俺をフッた幼馴染が、トップアイドルになって「もう一度やり直したい」と言ってきた
夏見ナイ
恋愛
平凡な大学生・藤堂蓮には忘れられない過去がある。高校時代、告白した幼馴染の星宮瑠奈に「アイドルになるから」とこっ酷くフラれたことだ。
数年後、瑠奈は国民的アイドル『LUNA』として輝いていた。遠い世界の住人になった彼女との再会なんて、あるはずもなかった――そう、変装した彼女が俺の前に現れ、「もう一度やり直したい」と泣きつくまでは。
トップアイドルの立場を使い強引に迫る元幼馴染と、過去の傷。揺れ動く俺の日常を照らしてくれたのは、俺の才能を信じてくれる後輩・朝霧陽葵の存在だった。
俺をフッた幼馴染か、俺を支える後輩か。過去の清算と未来の選択を描く、ほろ苦くも甘い、逆転ラブコメディ、開幕。
再会した幼馴染は××オタクになっていました。
星空永遠
恋愛
小さい頃から幼なじみの黒炎(こくえん)くんのことが好きな朱里(あかり)。そんな彼は引っ越してしまい、気持ちは伝えられず。しかし、高校で再会することができ、それを喜ぶ朱里だったが、彼は以前とは変わっていて……。
だけど、黒炎くんのお家にお泊りしたり、遊園地では朱里にとっては驚くハプニングが!?二人の距離はどんどん近づいて……。イケメンの幼なじみにドキドキが止まらない!じれったい二人の恋の行方は……?
この恋は本気なんです……!
表紙絵=友人作。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる