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第四章~代償と恋路~
破局の危機
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俺は今、ターミナル駅の一角に居る。
昨日男の友情に幸せを感じて悶えていたらスマホの通知音が鳴り、画面を確認すると
「明日って空いてるかな? デートしよ?」
と楓からのデートの誘いだった。
断る理由など皆無なので直ぐに了承の返事を送ると
「やったー! 明日はオシャレして行くね♪ 友也君の私服も楽しみ」
と帰って来た。
そこで気づいた。俺の私服はマネキン買いした物と、柚希が何とかコーデしてくれた組み合わせしか持っていない。
すぐに柚希に相談したが、今持ってる服だとこれ以上のコーデは無理と言われてしまった。
「もう付き合ってるんだし正直に言っちゃえば? 新島先輩は去年のお兄ちゃんの事知ってるんだからきっと大丈夫だよ」
と言われたので、今の服装はマネキン買いした服を着ている。
俺がどうやって打ち明けるか悩んでいると、不意に肩を叩かれた。
振り向くと眩しい程の笑顔で楓が立っていた。
「友也君おはよ~」
オシャレしてくると言っていたが今までとは路線が違う服装だ。
薄い水色のワンピースに白いカーディガンの様な物を羽織っている。
清楚系って感じだ。
あまりの可愛さに言葉を発せずにいると
「どうしたの? やっぱりこの服似合わないかな~」
と言ったので、俺は慌てて
「違う! あまりに可愛かったからビックリしただけ!」
と興奮気味に言ってしまった。
「あ、ありがとう……」
顔を赤くしてお礼を言う楓。 ヤバイ! このままじゃ清いお付き合いが出来なくなってしまう!
俺が慌てて煩悩を振り払おうとしていると
「友也君は前と同じ服だね」
と言われてしまった。
こうなったら覚悟を決めるしかない。
俺は今まで見せた事が無い、真剣な表情で楓に話しかける。
「楓……」
「どうしたの? そんな真剣な表情して」
「話があるんだ」
「……え?」
「その……」
「ちょっと待って!」
楓に待てと言われ黙る。
楓の表情を見ると今にも泣きそうな顔をしてる。
やっぱりこんなダサい奴は嫌なのかな。
「場所変えない? ゆっくり話したいから……」
「わかった」
楓の提案で場所を変える事になった。
ゆっくり話したいか。
そうだよな、こんな所で別れ話なんか出来ないよな。
俺達は駅構内にあるスタバまで行き、注文を済ませお互い沈黙のまま向かい合っている。
こういう時はどうすればいいんだろう。柚希に聞いとけばよかったな。
などと考えていると、楓が口を開いた。
「さっきのの続きだけど……」
ああ、フラれる。
短い間だったけど幸せだったなぁ。泣かない様にしないと。
しかしいつまで待っても楓は口を開かない。
やっぱり男の俺から聞いた方がいいのかな?
「えっと、さっきの続きっていうのは?」
「え? 友也君が話があるって言ってたから」
ああ、なるほど。まずは俺の話、もとい言い訳をしろって事か。
「そうだな、さっきの続きなんだけど……」
「うん……」
「実はちゃんとした服、この一着しか持ってないんだ」
「うん……え? 今なんて言ったの?」
「ちゃんとした服はこの一着しか持ってないんだよ」
「えっと、話ってその事?」
「う、うん」
俺が答えると何故か楓が泣き出してしまった。
ええっと、こういう時どうすれば……。
「ご、ごめん。こんなにダサい奴だとは思わなかったよな。本当にごめん!」
俺が必死に謝っていると
「違うの! 話があるって真剣な表情で言われたから別れ話かと思ってたから……」
「そんな訳ないだろ? むしろ俺の方が別れ話されるんじゃないかと思ってたよ」
「どうして……?」
「だって、まともな服も持ってないダサい奴だからさ……」
楓は涙をハンカチで拭い、笑顔を作って
「そんなの最初からわかってるよ。去年から見てたって言ったでしょ?」
「そうなんだけど、昨日俺の服も楽しみって言ってたから」
「それは前回思ったよりちゃんとした服装だったから今日はどんな服装かなって思っただけ」
「そうだったのか……」
俺はてっきりフラれると思った。
場所変えて話したいなんて言われたら誰でも勘違いしそうだ。
「それに、フラれると思ったのは私の方だよ。あんな真剣な顔で話があるって言うんだもん」
「俺が振る訳無いだろ?」
「でも自分でも束縛してるなって思う事あるし、すぐ佳奈子や南に嫉妬したりしちゃってたから愛想付かされちゃったかなって思ったんだもん」
「楓の独占欲が強いのは分かってるから大丈夫だよ」
なぁんだ、お互い勘違いしてただけか。
俺は楓の頭に手を置き、撫でながら言う。
「俺はちゃんと楓の事が好きだから安心しろ」
「うん、でも私の方が友也君の事好きだけどね!」
と、無事仲直り? 出来た。
すっかり元に戻った楓が
「せっかくだから今日は友也君の服買いに行こうよ」
「いいけど、俺センス皆無なんだよな」
「そうなの? 今来てる服イイ感じだと思うけど」
「これは柚希に言われて春休みにマネキン買いしたんだよ」
「なるほど。さすが柚希ちゃん」
「だから服買いに行ってもマネキン買いしか出来ない」
「だったら私が選んであげる! 今よりもっと格好良くしてあげる」
そしてその日は急遽、俺の服選びになった。
マネキン買いでは無く、一点一点楓が選んでくれた。
これも恋人らしくて新鮮だった。
その日の夜、またしても通知音が鳴った。
最近はスマホがスマホの役割をちゃんとしている。
去年まではアラームとゲームしか使い道なかったのに。
画面を確認すると、中居のプレゼントを買うときに入ったグループからの通知だった。
昨日男の友情に幸せを感じて悶えていたらスマホの通知音が鳴り、画面を確認すると
「明日って空いてるかな? デートしよ?」
と楓からのデートの誘いだった。
断る理由など皆無なので直ぐに了承の返事を送ると
「やったー! 明日はオシャレして行くね♪ 友也君の私服も楽しみ」
と帰って来た。
そこで気づいた。俺の私服はマネキン買いした物と、柚希が何とかコーデしてくれた組み合わせしか持っていない。
すぐに柚希に相談したが、今持ってる服だとこれ以上のコーデは無理と言われてしまった。
「もう付き合ってるんだし正直に言っちゃえば? 新島先輩は去年のお兄ちゃんの事知ってるんだからきっと大丈夫だよ」
と言われたので、今の服装はマネキン買いした服を着ている。
俺がどうやって打ち明けるか悩んでいると、不意に肩を叩かれた。
振り向くと眩しい程の笑顔で楓が立っていた。
「友也君おはよ~」
オシャレしてくると言っていたが今までとは路線が違う服装だ。
薄い水色のワンピースに白いカーディガンの様な物を羽織っている。
清楚系って感じだ。
あまりの可愛さに言葉を発せずにいると
「どうしたの? やっぱりこの服似合わないかな~」
と言ったので、俺は慌てて
「違う! あまりに可愛かったからビックリしただけ!」
と興奮気味に言ってしまった。
「あ、ありがとう……」
顔を赤くしてお礼を言う楓。 ヤバイ! このままじゃ清いお付き合いが出来なくなってしまう!
俺が慌てて煩悩を振り払おうとしていると
「友也君は前と同じ服だね」
と言われてしまった。
こうなったら覚悟を決めるしかない。
俺は今まで見せた事が無い、真剣な表情で楓に話しかける。
「楓……」
「どうしたの? そんな真剣な表情して」
「話があるんだ」
「……え?」
「その……」
「ちょっと待って!」
楓に待てと言われ黙る。
楓の表情を見ると今にも泣きそうな顔をしてる。
やっぱりこんなダサい奴は嫌なのかな。
「場所変えない? ゆっくり話したいから……」
「わかった」
楓の提案で場所を変える事になった。
ゆっくり話したいか。
そうだよな、こんな所で別れ話なんか出来ないよな。
俺達は駅構内にあるスタバまで行き、注文を済ませお互い沈黙のまま向かい合っている。
こういう時はどうすればいいんだろう。柚希に聞いとけばよかったな。
などと考えていると、楓が口を開いた。
「さっきのの続きだけど……」
ああ、フラれる。
短い間だったけど幸せだったなぁ。泣かない様にしないと。
しかしいつまで待っても楓は口を開かない。
やっぱり男の俺から聞いた方がいいのかな?
「えっと、さっきの続きっていうのは?」
「え? 友也君が話があるって言ってたから」
ああ、なるほど。まずは俺の話、もとい言い訳をしろって事か。
「そうだな、さっきの続きなんだけど……」
「うん……」
「実はちゃんとした服、この一着しか持ってないんだ」
「うん……え? 今なんて言ったの?」
「ちゃんとした服はこの一着しか持ってないんだよ」
「えっと、話ってその事?」
「う、うん」
俺が答えると何故か楓が泣き出してしまった。
ええっと、こういう時どうすれば……。
「ご、ごめん。こんなにダサい奴だとは思わなかったよな。本当にごめん!」
俺が必死に謝っていると
「違うの! 話があるって真剣な表情で言われたから別れ話かと思ってたから……」
「そんな訳ないだろ? むしろ俺の方が別れ話されるんじゃないかと思ってたよ」
「どうして……?」
「だって、まともな服も持ってないダサい奴だからさ……」
楓は涙をハンカチで拭い、笑顔を作って
「そんなの最初からわかってるよ。去年から見てたって言ったでしょ?」
「そうなんだけど、昨日俺の服も楽しみって言ってたから」
「それは前回思ったよりちゃんとした服装だったから今日はどんな服装かなって思っただけ」
「そうだったのか……」
俺はてっきりフラれると思った。
場所変えて話したいなんて言われたら誰でも勘違いしそうだ。
「それに、フラれると思ったのは私の方だよ。あんな真剣な顔で話があるって言うんだもん」
「俺が振る訳無いだろ?」
「でも自分でも束縛してるなって思う事あるし、すぐ佳奈子や南に嫉妬したりしちゃってたから愛想付かされちゃったかなって思ったんだもん」
「楓の独占欲が強いのは分かってるから大丈夫だよ」
なぁんだ、お互い勘違いしてただけか。
俺は楓の頭に手を置き、撫でながら言う。
「俺はちゃんと楓の事が好きだから安心しろ」
「うん、でも私の方が友也君の事好きだけどね!」
と、無事仲直り? 出来た。
すっかり元に戻った楓が
「せっかくだから今日は友也君の服買いに行こうよ」
「いいけど、俺センス皆無なんだよな」
「そうなの? 今来てる服イイ感じだと思うけど」
「これは柚希に言われて春休みにマネキン買いしたんだよ」
「なるほど。さすが柚希ちゃん」
「だから服買いに行ってもマネキン買いしか出来ない」
「だったら私が選んであげる! 今よりもっと格好良くしてあげる」
そしてその日は急遽、俺の服選びになった。
マネキン買いでは無く、一点一点楓が選んでくれた。
これも恋人らしくて新鮮だった。
その日の夜、またしても通知音が鳴った。
最近はスマホがスマホの役割をちゃんとしている。
去年まではアラームとゲームしか使い道なかったのに。
画面を確認すると、中居のプレゼントを買うときに入ったグループからの通知だった。
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