自己顕示欲の強い妹にプロデュースされる事になりました

白石マサル

文字の大きさ
63 / 167
第六章~選択~

二人きりの下校②

しおりを挟む
 ターミナル駅で楓と別れ、ミナミと一緒に最寄り駅で電車を降りる。
 最寄り駅は一緒だけどこうして二人で帰るのは久しぶりだ。
 初めて一緒に帰った時は女子と二人きりに慣れていなくて緊張しっぱなしだったなぁ。
 などど考えていると

「ねートモ聞いてる?」
 
 と言いながらもはや習慣の様に肩を叩いてくる。

「ごめん、ちょっと考え事してた」
「あー! さては楓のことでしょ~?」
「違う違う! ミナミと初めて二人で帰った時の事思い出してた」
「それなら別にいいんだけどね~」

 と言って、再び話し出した。
 会話の内容は大体がミナミの部活や友人の話で、愚痴や面白かった話等を聞いている。
 
「どれだけ食べても太らないって羨ましすぎるー!」
「ははは、でもまさかそんなに大食いだったとはな」

 今の話題は以前俺も少し話した小川留美おがわるみの大食いなのに太らないという話題だ。
 女子からしたら羨ましい体質なのだろう、さっきからミナミが羨ましいを連呼している。

「でもミナミは太ってる訳じゃないだろ? そこまで羨ましがらなくてもいいんじゃないか?」
「何言ってるの! 食べても太らないって世界中の女子の願望だよ!」
「そこまで!」
「そうだよ~。私直ぐ肉が付いちゃうからホントに羨ましい」

 と言いながら脇腹辺りを摘まんでいる。
 俺から見れば出る所は出て、引っ込む所は引っ込んで見える。
 それに短めのスカートから覗く太腿ふとももも健康的でスベスベしてそうだ。
 と考えていると、俺の考えを読んだかの様に

「トモは太腿好き?」
「えっ? な、何で?」

 ドンピシャで太腿が好きか聞かれて少しキョドッってしまった。

「私の足見てたでしょ?」

 横目でチラッと見ただけなのにバレてしまっていた。

「それはミナミは太ってないから気にする必要ないのにと思ってちょっと見ただけで、別に特別太腿が好きとかそういうんじゃないから!」

 と必死に言い訳をすると

「あははは、トモ必死すぎだって~」

 とお腹を抱えて笑われてしまう。
 確かに今のは必至過ぎたかもしれない。

「そんなに好きなら触ってもいいよ?」
「だからそういうんじゃないって!」

 再び「あはは」と笑った後

「でもホントにお腹の肉ヤバイんだよね~」

 と再び脇腹をムニムニしている。

「全然そんな事ないだろ、寧ろ運動してるから健康的でいいんじゃないか?」
「いや、ホントにヤバイんだって! 触ってみてよ」

 と言いながら俺の手首を掴んで手を脇腹に触れさせる。

「どう? ヤバくない?」
「俺には全然分からないな。っていうか手を離してくれません?」

 腰に手をやり、傍から見たら俺がミナミを抱き寄せている様に見えてしまう。
 というか楓以外の女子の身体を触るのが初めてなので顔が赤くなる。
 すかさずミナミは

「どうしたの~? もしかして意識してる?」

 と言ってきたので

「意識するなって方が無理だろ」

 と返すと手を離して

「良かった、ちゃんと異性として見てくれてるんだね」

 と意味深に言う。
 きっと友達としてではなく異性として意識してくれているか不安だったのだろう。

「トモはさ、もうしたの?」
「ん? 何を?」
「楓と付き合ってる時にさ、えっと、エッチしたのかなって」
「ゲホンッゴホンッ」

 唐突に何を言い出すんだ!

「いきなり何言ってるんだよ!」
「だって気になるもん! それで? しちゃったの?」
「する訳ないだろ!」
「もしかしてトモってソッチ系?」
「ソッチ系ってなんだよ、全然違うから」

 え? 何? 付き合っててそういう事しないとホモ扱いされちゃうの?

「楓の事だから積極的に行くと思ったんだけどね~、違ったか~」

 と何処か嬉しそうに言う。

「積極的な女子ってどう思う?」
「どうだろうな、経験がないから何とも言えないけど嫌いじゃないと思う」
「どうして?」
「俺がそういうのに臆病だから引っ張ってって欲しいのかも」
「なんかトモらしいかも」
「悪いな臆病者で」

 その後はまた普通の雑談になり、分かれ道で別れ帰路に就いた。

 家に帰ると誰も居なかったので風呂を沸かして入る事にした。
 今日の出来事や、これからの事をゆっくり考えたかったからだ。
 
 夕飯を済ませ、明日の試験勉強をしていると、通知音が鳴った。
 確認すると柚希からだった。

〈後で詳しい話聞かせて貰うから〉

 という内容だけが送られてきた。
 きっと楓と別れたのがバレたのだろう。
 柚希としてはプロデュースして俺が学校のアイドルと付き合えたのに別れるのは頭に来るだろうな。
 どんな言い訳をしようか考えたが、本当の事をキチンと説明する事にした。
 もしかしたら良いアドバイスが貰えるかもしれない。

 そして11時になり、柚希の部屋へ向かった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる

九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。 ※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。

【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。

東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」 ──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。 購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。 それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、 いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!? 否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。 気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。 ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ! 最後は笑って、ちょっと泣ける。 #誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。

【本編、番外編完結】血の繋がらない叔父にひたすら片思いしていたいのに、婚約者で幼馴染なアイツが放っておいてくれません

恩田璃星
恋愛
蓮見千歳(はすみちとせ)は、血の繋がりのない叔父、遼平に少しでも女性として見てもらいと、幼い頃から努力を続けてきた。 そして、大学卒業を果たし千歳は、念願叶って遼平の会社で働き始めるが、そこには幼馴染の晴臣(はるおみ)も居た。 千歳が遼平に近づくにつれ、『一途な想い』が複雑に交錯していく。 第14回恋愛小説対象にエントリーしています。 ※別タイトルで他サイト様掲載作品になります。 番外編は現時点でアルファポリス様限定で掲載しております。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

元暗殺者の俺だけが、クラスの地味系美少女が地下アイドルなことを知っている

甘酢ニノ
恋愛
クラス一の美少女・強羅ひまりには、誰にも言えない秘密がある。 実は“売れない地下アイドル”として活動しているのだ。 偶然その正体を知ってしまったのは、無愛想で怖がられがちな同級生・兎山類。 けれど彼は、泣いていたひまりをそっと励ましたことも忘れていて……。 不器用な彼女の願いを胸に、類はひまりの“支え役”になっていく。 真面目で不器用なアイドルと、寡黙だけど優しい少年が紡ぐ、 少し切なくて甘い青春ラブコメ。

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

優しい雨が降る夜は

葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン 無自覚にモテる地味子に 余裕もなく翻弄されるイケメン 二人の恋は一筋縄ではいかなくて…… 雨降る夜に心に届いた 優しい恋の物語 ⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡ 風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格 雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン

貧乏貴族の俺が貴族学園随一の麗しき公爵令嬢と偽装婚約したら、なぜか溺愛してくるようになった。

ななよ廻る
恋愛
貴族のみに門戸を開かれた王国きっての学園は、貧乏貴族の俺にとって居心地のいい場所ではなかった。 令息令嬢の社交場。 顔と身分のいい結婚相手を見つけるための場所というのが暗黙の了解とされており、勉強をしに来た俺は肩身が狭い。 それでも通い続けているのは、端的に言えば金のためだ。 王国一の学園卒業という箔を付けて、よりよい仕事に就く。 家族を支えるため、強いては妹に望まない結婚をさせないため、俺には嫌でも学園に通う理由があった。 ただ、どれだけ強い決意があっても、時には1人になりたくなる。 静かな場所を求めて広大な学園の敷地を歩いていたら、薔薇の庭園に辿り着く。 そこで銀髪碧眼の美しい令嬢と出会い、予想もしなかった提案をされる。 「それなら、私と“偽装婚約”をしないかい?」 互いの利益のため偽装婚約を受け入れたが、彼女が学園唯一の公爵令嬢であるユーリアナ・アルローズと知ったのは後になってからだ。 しかも、ユーリアナは偽装婚約という関係を思いの外楽しみ始めて―― 「ふふ、君は私の旦那様なのだから、もっと甘えてもいいんだよ?」 偽装婚約、だよな……? ※この作品は『カクヨム』『小説家になろう』『アルファポリス』に掲載しております※ ※ななよ廻る文庫(個人電子書籍出版)にて第1巻発売中!※

処理中です...