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第8章~宵越しの祭り~
文化祭の準備①
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翌日、久しぶりのバイトに出勤した。
学校が始まってからは主に週末だけにして貰ったのだ。
事務所に入ると挨拶をする間もなく、沙月が腕に抱き付いてきた。
「お久しぶりです~。友也さんに会えなくて寂しかったです~」
「そんなに久しぶりでもないだろ。っていうか離れろ」
「連れないですね~」
そんなやり取りをしていたら店長が揶揄うように
「ここはホテルじゃないんだからな」
と言ってきた。
俺がツッコもうとすると、沙月が
「私達はホテルじゃなくて自宅派ですから~」
ととんでもない発言をした。
慌てて俺が
「今のは沙月の冗談ですからね? それに俺達は付き合ってもないですから!」
と誤解を生まない様に言ったはずが
「友也、お前一体何人の女がいるんだ?」
と何やら更に誤解が加速していた。
どうにかして誤解を解こうとしていたら急に店長が笑い出した。
とうとうおかしくなったのかと思い
「いきなり笑い出してどうしたんですか? 大丈夫ですか?」
と声を掛けると
「佐藤~、お前今私を馬鹿にしなかったか?」
といつもではあり得ない程の声の低さと怒気を孕んでいた。
俺はとっさに
「すみませんでした!」
と言って頭を下げる。
すると店長は
「そんな怖がるなよ。私が笑ってたのはあまりにも友也が必死だったからさ」
と言って今度は普段通りに笑う。
「そりゃ必死になりますよ、変な誤解されたままじゃ嫌ですから」
と店長とやり取りをしていると、沙月が拗ねた様に言ってくる。
「そんなに私とじゃ嫌なんですか~?」
「嫌とかじゃなくて、常識的にダメだろ?」
「私はそんな関係でも構わないですよ!」
沙月とそんなやり取りをしていると
「そういう話は人前でするな。それにそろそろ出勤時間だぞ」
と言われ時計を確認すると出勤時間5分前だった。
慌てて着替えタイムカードを押す。
バイトが終わり沙月と帰っていると、話題が文化祭の事になった。
「そう言えば友也さんのクラスは何やるんですか?」
「メイド&執事喫茶に決まったよ」
「執事! 友也さん絶対執事やってくださいね!」
「っていうか執事のリーダーが俺になった」
「マジですか! 絶対行きますから! 執事服の友也さんを撮りまくりますよ」
「あっ! 撮影禁止にしといた方がいいな。サンキュー」
「しまった~!」
と頭を抱えている。
どこまで本気か分からないが、本当に撮影禁止にしておいた方がいいな。
と考えていると、急に沙月が頭を上げ
「そう言えば忘れてました! はい、これウチの学際のチケットです」
「沙月の学校はお嬢様学校だからやっぱりこういうのやってるんだな」
「それ一枚で二人分なんでイケメン連れてきて来てくださいね」
「それが狙いだったのか」
「友達が紹介しろってうるさいんですよね~。友也さんは私のなのでその友達をあてがいます」
「友達も沙月みたいな感じなのか?」
「文化祭が唯一の出会いの場なので必死なんですよ~。私は友也さんの物なので関係ないんですけどね」
「はいはい、そうですね」
等と冗談を言いながら帰路に就いた。
今日から部活も無くなり、本格的に文化祭の準備が始まった。
早川は早速衣裳係に色々注文を付けている。
俺は調理係の所へ行きメニューを考えている。
大体のメニューが決まり、今はドリンクを考えている。
「あっ! ドリンクと言えばアイスココアは外せないな」
と言うと突然後ろから
「ミートソースも入れとけよ」
と中居が提案してきた。
おそらく及川の為だろう。アイツはミートソース大好きだからな。
大方のメニューが決まり、今度は執事だけで接客マニュアルを作る事になった。
バイト経験者という事で俺が大まかな流れを説明していると、木村が
「ちょ、待てよ!」
と叫んだ。
一体どうしたんだと思っていると
「お前ら執事のなんたるかを分かってない」
と意味不明な事を言い出した。
「いいか? お客様が入店されたら『おかえりなさいませお嬢様』だ!」
「お、おう」
「それにお辞儀は左手は後ろに回して右手はお腹に添えて45度でお辞儀するんだよ」
木村はハァハァと息を切らせながら説明する。
それを見た中居が若干引き気味に俺に耳打ちしてくる。
「お前も昔はああだったのか?」
「はは……」
なんも言えねぇ。
「と、とりあえず接客に関しては木村の意見で行くか。な?」
と他のメンバーに確認を取ると静かに頷くだけだった。
女子達の作業の様子を見に行くと、早川のテンションが高かった。
「マジこれ凄いんだけど! アンタ手先器用なんだね」
「はは、いつも自分で服作ってるから」
「へ~、どんな服作ってるん?」
「それは……」
あぁ、何となく何を作っているのか分かってしまった。
とりあえず上手く行っているみたいなのでソッとしておこう。
宣伝用の看板を作っている場所に行くと、誰も居なかった。
近くに居た男子に聞いてみると
「家の方が作業が捗るって言って帰っていったよ。何も聞いてないの?」
「今初めて知ったよ」
「てっきり佐藤君の許可貰ってると思ったよ」
看板を任せた前田と後藤は比較的大人しい男子だ。
ボッチだった頃の俺に少し雰囲気がにている。
趣味が合うのかいつも二人で行動している。
なので他のクラスメイトと接点が無い様に見える。
二人だけの方がやりやすいのかもしれないから暫く様子を見よう。
学校が始まってからは主に週末だけにして貰ったのだ。
事務所に入ると挨拶をする間もなく、沙月が腕に抱き付いてきた。
「お久しぶりです~。友也さんに会えなくて寂しかったです~」
「そんなに久しぶりでもないだろ。っていうか離れろ」
「連れないですね~」
そんなやり取りをしていたら店長が揶揄うように
「ここはホテルじゃないんだからな」
と言ってきた。
俺がツッコもうとすると、沙月が
「私達はホテルじゃなくて自宅派ですから~」
ととんでもない発言をした。
慌てて俺が
「今のは沙月の冗談ですからね? それに俺達は付き合ってもないですから!」
と誤解を生まない様に言ったはずが
「友也、お前一体何人の女がいるんだ?」
と何やら更に誤解が加速していた。
どうにかして誤解を解こうとしていたら急に店長が笑い出した。
とうとうおかしくなったのかと思い
「いきなり笑い出してどうしたんですか? 大丈夫ですか?」
と声を掛けると
「佐藤~、お前今私を馬鹿にしなかったか?」
といつもではあり得ない程の声の低さと怒気を孕んでいた。
俺はとっさに
「すみませんでした!」
と言って頭を下げる。
すると店長は
「そんな怖がるなよ。私が笑ってたのはあまりにも友也が必死だったからさ」
と言って今度は普段通りに笑う。
「そりゃ必死になりますよ、変な誤解されたままじゃ嫌ですから」
と店長とやり取りをしていると、沙月が拗ねた様に言ってくる。
「そんなに私とじゃ嫌なんですか~?」
「嫌とかじゃなくて、常識的にダメだろ?」
「私はそんな関係でも構わないですよ!」
沙月とそんなやり取りをしていると
「そういう話は人前でするな。それにそろそろ出勤時間だぞ」
と言われ時計を確認すると出勤時間5分前だった。
慌てて着替えタイムカードを押す。
バイトが終わり沙月と帰っていると、話題が文化祭の事になった。
「そう言えば友也さんのクラスは何やるんですか?」
「メイド&執事喫茶に決まったよ」
「執事! 友也さん絶対執事やってくださいね!」
「っていうか執事のリーダーが俺になった」
「マジですか! 絶対行きますから! 執事服の友也さんを撮りまくりますよ」
「あっ! 撮影禁止にしといた方がいいな。サンキュー」
「しまった~!」
と頭を抱えている。
どこまで本気か分からないが、本当に撮影禁止にしておいた方がいいな。
と考えていると、急に沙月が頭を上げ
「そう言えば忘れてました! はい、これウチの学際のチケットです」
「沙月の学校はお嬢様学校だからやっぱりこういうのやってるんだな」
「それ一枚で二人分なんでイケメン連れてきて来てくださいね」
「それが狙いだったのか」
「友達が紹介しろってうるさいんですよね~。友也さんは私のなのでその友達をあてがいます」
「友達も沙月みたいな感じなのか?」
「文化祭が唯一の出会いの場なので必死なんですよ~。私は友也さんの物なので関係ないんですけどね」
「はいはい、そうですね」
等と冗談を言いながら帰路に就いた。
今日から部活も無くなり、本格的に文化祭の準備が始まった。
早川は早速衣裳係に色々注文を付けている。
俺は調理係の所へ行きメニューを考えている。
大体のメニューが決まり、今はドリンクを考えている。
「あっ! ドリンクと言えばアイスココアは外せないな」
と言うと突然後ろから
「ミートソースも入れとけよ」
と中居が提案してきた。
おそらく及川の為だろう。アイツはミートソース大好きだからな。
大方のメニューが決まり、今度は執事だけで接客マニュアルを作る事になった。
バイト経験者という事で俺が大まかな流れを説明していると、木村が
「ちょ、待てよ!」
と叫んだ。
一体どうしたんだと思っていると
「お前ら執事のなんたるかを分かってない」
と意味不明な事を言い出した。
「いいか? お客様が入店されたら『おかえりなさいませお嬢様』だ!」
「お、おう」
「それにお辞儀は左手は後ろに回して右手はお腹に添えて45度でお辞儀するんだよ」
木村はハァハァと息を切らせながら説明する。
それを見た中居が若干引き気味に俺に耳打ちしてくる。
「お前も昔はああだったのか?」
「はは……」
なんも言えねぇ。
「と、とりあえず接客に関しては木村の意見で行くか。な?」
と他のメンバーに確認を取ると静かに頷くだけだった。
女子達の作業の様子を見に行くと、早川のテンションが高かった。
「マジこれ凄いんだけど! アンタ手先器用なんだね」
「はは、いつも自分で服作ってるから」
「へ~、どんな服作ってるん?」
「それは……」
あぁ、何となく何を作っているのか分かってしまった。
とりあえず上手く行っているみたいなのでソッとしておこう。
宣伝用の看板を作っている場所に行くと、誰も居なかった。
近くに居た男子に聞いてみると
「家の方が作業が捗るって言って帰っていったよ。何も聞いてないの?」
「今初めて知ったよ」
「てっきり佐藤君の許可貰ってると思ったよ」
看板を任せた前田と後藤は比較的大人しい男子だ。
ボッチだった頃の俺に少し雰囲気がにている。
趣味が合うのかいつも二人で行動している。
なので他のクラスメイトと接点が無い様に見える。
二人だけの方がやりやすいのかもしれないから暫く様子を見よう。
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