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第9章~ I wanna be with you ~
ありのまま
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俺の上で涙を流す沙月。
それを見て言葉を続けようとしたが沙月に遮られる。
「沙月、俺は……」
「聞きたくない!」
沙月は感情をむき出しに叫ぶ。
嗚咽交じりに泣く沙月が落ち着くまで待つと
「やっぱり私じゃダメなんですね……」
「違うんだ、話を聞いてくれ」
「何がちがうんですか! 昼間お姉ちゃんと一緒に居る所を見たんです!」
と言いながら俺の胸と力無く叩く。
その叩く手は弱弱しいが、強く胸に響いた。
しばらく泣きながら叩いていた手が止まると
「分かりました、もうこんな事はしません」
と言いながら上から降りる。
沙月が此処まで思い詰めてたなんて。
気持ちに気づかなかったのも、昼間の事も俺の考えが至らなかった所為だ。
そう考えると何も言えない。
だけど、俺はまだ伝えたい事を伝えていない。
そう考えた時、帰ろうとしていた沙月の腕を掴んでいた。
「離してください!」
と言って振りほどこうとするが、俺は強引に引き寄せて抱き締めた。
「ごめん、辛い思いをさせたよな」
沙月は驚いているのか抵抗は無く、俺の腕の中で泣いていた。
そんな沙月に言葉を続ける。
「俺はもうあんな関係は終わらせたいんだ。だから……」
抱きしめている腕を解く。
そして沙月の首からさがっているネックレスを救い上げ
「これでお前は俺の物だ」
沙月はネックレスを見つめながら
「これって……」
俺は最大限の勇気を振り絞って
「俺は沙月の事が好きだ。俺と一緒に居てくれ」
沙月は俺の言葉を聞いて再び泣き出した。
俺はそっと再び抱きしめて
「どうして泣くんだよ」
「だって……ヒック、夢なんじゃないかって……ヒック」
「俺の胸の鼓動が聞こえるだろ? 夢なんかじゃないよ」
「うん……凄いドキドキしてますね」
そっと沙月を離し、真っすぐ目を見て
「俺と付き合ってくれるか?」
沙月も俺の目を真っすぐ見て
「はい、よろしくお願いします」
と言って微笑んだ。
その笑顔を見て無意識に抱き寄せた。
そしてお互い見つめ合い口づけをした。
しばらく抱き合っていたが、沙月が寒そうにしていたので
「そろそろ帰るか」
と言って歩き出す
「え~、もっと一緒にいたいです」
「ダメだ。お前寒くて震えてるだろ」
「だったら友也さんが温めてくださいよ~」
と言って来たので肩を抱くと
「え? ホントにしてくれるんですか」
「当たり前だろ、お前は俺の彼女なんだから」
と言うと沙月は顔を赤らめて俯いてしまった。
それを見て揶揄うように
「どうした? 恥ずかしいのか?」
と言うと、沙月は
「どうして私を選んでくれたんですか?」
と聞いてきた。
俺は恥ずかしさを隠しながら答える。
「ん~、バカっぽい所かな」
「なんですかそれ~!」
と言って頬を膨らませる。
そんな沙月に今度は真剣なトーンで
「夏に告白してくれただろ?」
「そうですね、フラれちゃいましたけど!」
「だけどその後も俺に色々絡んできたりしてきただろ?」
「そりゃ、諦められなかったんですもん」
「その度に俺が大変な目にあったりしたんだよな」
「大変な目って何がですか?」
「えっと、密着とか凄かったからどう反応していいか分からなかった」
「じゃあ、私の色仕掛けで落ちたって事ですか?」
「いや、まぁ、それは置いといて」
「置いといちゃうんですか!」
「それで、馬鹿をやった沙月に対して俺が色々ツッコんだりって流れが出来上がってさ」
「いいツッコミでしたよ」
「お見舞いに来たと思ったら、やっぱり斜め上の事をやり出したりするしな」
「それって褒めてなくないですか?」
「でもな」
再び沙月の目を見据えて
「そんな時間が楽しかったんだ。ありのままの自分でいられたと思う」
「私も楽しかったです」
「沙月がバカやって空回ってる所とが凄く可愛く思えた」
「……バカって」
「それでもめげずに何度もアタックしてくる姿が眩しかった」
「友也さん……」
一歩詰め寄り
「そんな沙月の事がいつの間にか好きになってたんだ」
沙月は耳まで赤くして目に涙を溜めながら
「……友也さんズルイですよ、そんな事言われたらますます好きになっちゃいます」
「どんどん好きになってくれ、俺ももっともっと沙月の事を好きになるからな!」
「はは、分かりました。これからは遠慮しないんで覚悟してくださいね!」
「ああ、俺も自分を抑えたりしないから覚悟しとけよ?」
と笑い合い
どちらともなくキスをした。
しばらく抱き合った後、沙月は揶揄うように「そういえばぁ」と言って
「最初の告白の時、よくあんな恥ずかしいセリフよく言えましたね」
自分でもかなり恥ずかしいと思ったので顔を背けると
「それに文化祭での I wanna be with you って曲はもしかして私に対して歌ってたんですか?」
くっ! ここでその話題が出るとは!
「だったらどうするんだよ」
「決まってるじゃないですか」
「何がだ?」
「私も友也さんと一緒に居たいです」
と言って手を握ってきた。
その手を握り返しながら
「俺も同じ気持ちだからあの詩を書いたんだ」
「友也さんって結構キザですね」
「だったらもう二度と言わない」
「え~、冗談じゃないですか~」
「ははは、分かってるよ」
「もぅ、揶揄わないでくださいよ~」
というやり取りをしながら帰路に就いた。
その日の夜、柚希に呼び出され部屋に行くと
「どうだった? 気持ちは伝えたの?」
と前のめりに聞いてきた。
「ああ、無事に沙月と付き合う事が出来た」
と報告すると
「それじゃあ私からも報告がありまーす」
と言って立ち上がりスマホ弄って自慢げに男とのツーショットを見せながら
「私にも大学生の彼氏が出来ましたー」
と言って胸を張っていた。
「は?」
自己顕示欲の塊の柚希が彼氏にする奴はどれだけハイスペックなのだろう。
柚希はしっかりしてるから大丈夫だとは思うけど、何も問題がなければいいんだが。
それを見て言葉を続けようとしたが沙月に遮られる。
「沙月、俺は……」
「聞きたくない!」
沙月は感情をむき出しに叫ぶ。
嗚咽交じりに泣く沙月が落ち着くまで待つと
「やっぱり私じゃダメなんですね……」
「違うんだ、話を聞いてくれ」
「何がちがうんですか! 昼間お姉ちゃんと一緒に居る所を見たんです!」
と言いながら俺の胸と力無く叩く。
その叩く手は弱弱しいが、強く胸に響いた。
しばらく泣きながら叩いていた手が止まると
「分かりました、もうこんな事はしません」
と言いながら上から降りる。
沙月が此処まで思い詰めてたなんて。
気持ちに気づかなかったのも、昼間の事も俺の考えが至らなかった所為だ。
そう考えると何も言えない。
だけど、俺はまだ伝えたい事を伝えていない。
そう考えた時、帰ろうとしていた沙月の腕を掴んでいた。
「離してください!」
と言って振りほどこうとするが、俺は強引に引き寄せて抱き締めた。
「ごめん、辛い思いをさせたよな」
沙月は驚いているのか抵抗は無く、俺の腕の中で泣いていた。
そんな沙月に言葉を続ける。
「俺はもうあんな関係は終わらせたいんだ。だから……」
抱きしめている腕を解く。
そして沙月の首からさがっているネックレスを救い上げ
「これでお前は俺の物だ」
沙月はネックレスを見つめながら
「これって……」
俺は最大限の勇気を振り絞って
「俺は沙月の事が好きだ。俺と一緒に居てくれ」
沙月は俺の言葉を聞いて再び泣き出した。
俺はそっと再び抱きしめて
「どうして泣くんだよ」
「だって……ヒック、夢なんじゃないかって……ヒック」
「俺の胸の鼓動が聞こえるだろ? 夢なんかじゃないよ」
「うん……凄いドキドキしてますね」
そっと沙月を離し、真っすぐ目を見て
「俺と付き合ってくれるか?」
沙月も俺の目を真っすぐ見て
「はい、よろしくお願いします」
と言って微笑んだ。
その笑顔を見て無意識に抱き寄せた。
そしてお互い見つめ合い口づけをした。
しばらく抱き合っていたが、沙月が寒そうにしていたので
「そろそろ帰るか」
と言って歩き出す
「え~、もっと一緒にいたいです」
「ダメだ。お前寒くて震えてるだろ」
「だったら友也さんが温めてくださいよ~」
と言って来たので肩を抱くと
「え? ホントにしてくれるんですか」
「当たり前だろ、お前は俺の彼女なんだから」
と言うと沙月は顔を赤らめて俯いてしまった。
それを見て揶揄うように
「どうした? 恥ずかしいのか?」
と言うと、沙月は
「どうして私を選んでくれたんですか?」
と聞いてきた。
俺は恥ずかしさを隠しながら答える。
「ん~、バカっぽい所かな」
「なんですかそれ~!」
と言って頬を膨らませる。
そんな沙月に今度は真剣なトーンで
「夏に告白してくれただろ?」
「そうですね、フラれちゃいましたけど!」
「だけどその後も俺に色々絡んできたりしてきただろ?」
「そりゃ、諦められなかったんですもん」
「その度に俺が大変な目にあったりしたんだよな」
「大変な目って何がですか?」
「えっと、密着とか凄かったからどう反応していいか分からなかった」
「じゃあ、私の色仕掛けで落ちたって事ですか?」
「いや、まぁ、それは置いといて」
「置いといちゃうんですか!」
「それで、馬鹿をやった沙月に対して俺が色々ツッコんだりって流れが出来上がってさ」
「いいツッコミでしたよ」
「お見舞いに来たと思ったら、やっぱり斜め上の事をやり出したりするしな」
「それって褒めてなくないですか?」
「でもな」
再び沙月の目を見据えて
「そんな時間が楽しかったんだ。ありのままの自分でいられたと思う」
「私も楽しかったです」
「沙月がバカやって空回ってる所とが凄く可愛く思えた」
「……バカって」
「それでもめげずに何度もアタックしてくる姿が眩しかった」
「友也さん……」
一歩詰め寄り
「そんな沙月の事がいつの間にか好きになってたんだ」
沙月は耳まで赤くして目に涙を溜めながら
「……友也さんズルイですよ、そんな事言われたらますます好きになっちゃいます」
「どんどん好きになってくれ、俺ももっともっと沙月の事を好きになるからな!」
「はは、分かりました。これからは遠慮しないんで覚悟してくださいね!」
「ああ、俺も自分を抑えたりしないから覚悟しとけよ?」
と笑い合い
どちらともなくキスをした。
しばらく抱き合った後、沙月は揶揄うように「そういえばぁ」と言って
「最初の告白の時、よくあんな恥ずかしいセリフよく言えましたね」
自分でもかなり恥ずかしいと思ったので顔を背けると
「それに文化祭での I wanna be with you って曲はもしかして私に対して歌ってたんですか?」
くっ! ここでその話題が出るとは!
「だったらどうするんだよ」
「決まってるじゃないですか」
「何がだ?」
「私も友也さんと一緒に居たいです」
と言って手を握ってきた。
その手を握り返しながら
「俺も同じ気持ちだからあの詩を書いたんだ」
「友也さんって結構キザですね」
「だったらもう二度と言わない」
「え~、冗談じゃないですか~」
「ははは、分かってるよ」
「もぅ、揶揄わないでくださいよ~」
というやり取りをしながら帰路に就いた。
その日の夜、柚希に呼び出され部屋に行くと
「どうだった? 気持ちは伝えたの?」
と前のめりに聞いてきた。
「ああ、無事に沙月と付き合う事が出来た」
と報告すると
「それじゃあ私からも報告がありまーす」
と言って立ち上がりスマホ弄って自慢げに男とのツーショットを見せながら
「私にも大学生の彼氏が出来ましたー」
と言って胸を張っていた。
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