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サクラ 痛みに気絶する
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「アルフリード王子、ユーリス様お疲れ様です。じゃ早速、私はアイシス様の傍に戻りますから、王子様は転移魔法で、お先に王城にお戻りください。ユーリス様も先ほどの位置で剣を構えていてくださいね。じゃないと瞬間移動したかと思われますよ。ここで何時間も過ごした感じですけど、実際まだ8刻から時は進んでませんので夜はまだ長いです。私は今夜はアイシス様のお屋敷に泊めていただくことになると思いますので、皆様おやすみなさいと、いま言っておきます。では、これで」
よし、言い切った。息継ぎもせずに一気にまくし立てたので、少し息苦しさを感じたが、とにかくそんなことより腕が痛い。尋常じゃなく痛い。半端なく痛い。
さっさと踵をかえして、アイシス様のほうに向か・・・おうとしたら、突然ユーリス様が私の左腕を掴んだ。
「サクラ、待ってください」
「うひゃぁぁ!!!」はたまた素っ頓狂な声が出る。あまりの痛みにその場にしゃがみこむ。
「おい!何をしたんだユーリス」
アルフリード王子がユーリス様に掴みかかろうとして、不自然な私の態度に何か気がついたらしく、マントを持ち上げて腕を見る。
ばれました。でもそのときの私は恥ずかしさや情けなさよりも、強烈な痛みに悶えていた。
「痛い。痛い。早く、アイシス様!!」
自分でも何を言っているのか分からない。
ユーリス様が傷をみて呟く。
「どうして隠していたんですか、早く処置しないとばい菌が体に回ってしまいますよ」
「ここで早く抜いてしまおう」
アルフリード王子様が言う。
まぢですか?いや、抜くと死にますよ。えっとこっちの世界って麻酔はあるんでしょうか?
異世界人の私にも、それ効くのでしょうか?
「やだ、抜くの怖い。抜かないで」
私の意見はがん無視で、二人で抜くの前提で相談して決めていきます。
「ユーリス。お前は医療魔術はどうなんだ?」
「私は、血止めと細胞再生は得意です」
「オレは、体に回った血を清浄化することには結構自信がある。じゃあオレが抜くから、血止めと
治療は任せた。その後の血の浄化はまかせろ」
だから・・・抜くのやだって・・・
半泣きを通り越して、おお泣きになってきた。
「お・・落ち着いて、抜くと死ぬっていってた。うん。抜かないほうがいいと思う。アクセサリーと思えばそんなに違和感ないし、意外とおしゃれで流行したりするかも知れないし・・・」
二人の視線が痛い。
「ユーリス。サクラを押さえていろ。今から抜く」
え?後ろから突然ユーリス様にホールドされ、アルフリード王子が私の腕を握り締める。
「んんんんっ!!!」
ゆっくりと引き抜かれる針金。もう痛さを通り越して熱さで腕が燃えそうになる。
耳元でユーリス様が、大丈夫。大丈夫と・・囁いてくれていたが、悲鳴を上げないようにするだけで精一杯だ。
そこで意識が途切れた。
人間ってうまくできてるな。耐えられない痛みのときは、気を失うようになってるんだ。神様グッジョブ。
よし、言い切った。息継ぎもせずに一気にまくし立てたので、少し息苦しさを感じたが、とにかくそんなことより腕が痛い。尋常じゃなく痛い。半端なく痛い。
さっさと踵をかえして、アイシス様のほうに向か・・・おうとしたら、突然ユーリス様が私の左腕を掴んだ。
「サクラ、待ってください」
「うひゃぁぁ!!!」はたまた素っ頓狂な声が出る。あまりの痛みにその場にしゃがみこむ。
「おい!何をしたんだユーリス」
アルフリード王子がユーリス様に掴みかかろうとして、不自然な私の態度に何か気がついたらしく、マントを持ち上げて腕を見る。
ばれました。でもそのときの私は恥ずかしさや情けなさよりも、強烈な痛みに悶えていた。
「痛い。痛い。早く、アイシス様!!」
自分でも何を言っているのか分からない。
ユーリス様が傷をみて呟く。
「どうして隠していたんですか、早く処置しないとばい菌が体に回ってしまいますよ」
「ここで早く抜いてしまおう」
アルフリード王子様が言う。
まぢですか?いや、抜くと死にますよ。えっとこっちの世界って麻酔はあるんでしょうか?
異世界人の私にも、それ効くのでしょうか?
「やだ、抜くの怖い。抜かないで」
私の意見はがん無視で、二人で抜くの前提で相談して決めていきます。
「ユーリス。お前は医療魔術はどうなんだ?」
「私は、血止めと細胞再生は得意です」
「オレは、体に回った血を清浄化することには結構自信がある。じゃあオレが抜くから、血止めと
治療は任せた。その後の血の浄化はまかせろ」
だから・・・抜くのやだって・・・
半泣きを通り越して、おお泣きになってきた。
「お・・落ち着いて、抜くと死ぬっていってた。うん。抜かないほうがいいと思う。アクセサリーと思えばそんなに違和感ないし、意外とおしゃれで流行したりするかも知れないし・・・」
二人の視線が痛い。
「ユーリス。サクラを押さえていろ。今から抜く」
え?後ろから突然ユーリス様にホールドされ、アルフリード王子が私の腕を握り締める。
「んんんんっ!!!」
ゆっくりと引き抜かれる針金。もう痛さを通り越して熱さで腕が燃えそうになる。
耳元でユーリス様が、大丈夫。大丈夫と・・囁いてくれていたが、悲鳴を上げないようにするだけで精一杯だ。
そこで意識が途切れた。
人間ってうまくできてるな。耐えられない痛みのときは、気を失うようになってるんだ。神様グッジョブ。
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