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ユーリス様との語らい
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ユーリス様は私の話を、感心しきりに聞いていた。魔法の無い世界と言うのが彼には珍しくて興味を引くものだったようだ。
私のやっていた剣道にも興味を示してくれて、今度一緒に手合わせをすることを約束してくれた。もちろん魔法無しでやってもらうと念を押してだ。私にはあんなどっかの戦闘アニメのような真似はできない。ごくごく普通に打ち合うように頼んだ。
すごく楽しみだ。
それにしてもどれくらいの時間が流れたのだろう、時間を止めて暫くになるがアルからは連絡が来ない。
心配になってユーリス様に相談してから、伝心魔法でもう一度連絡をとってみることにした。
何度連絡しても出ない。だんだん不安になってきた。
「ユーリス様、この伝心魔法は相手に必ず伝わるのですよね。この世界で動いている人は私達3人だけだとしたら、誰かと話をしているという可能性も無いと思います。ということはアルフリード王子に何かあったのではないでしょうか?」
ユーリス様も先ほどまでの優しい表情とは打って変わって、騎士隊長としての真剣な表情になって考え込んだ。
「・・・そうですね。これは何か不測の事態が起こったと考えるのが妥当ですね」
「だったら急いでいかないと!!」
慌てて部屋を出ようとする私の腕を掴んで慌てて引き止める。
「待ってください。現時点で私達3人しか動いていないのです。その上で殿下に何か起こったとすれば、それは指輪を持つものが現れたとしか考えられません。エルドレッド王子と戦闘中の可能性もあります。そんなところに君を行かせるわけには行かない」
「もしかして私みたいに転んで、後頭部を打ち付けて気を失ってるかもしれないじゃない!!」
自分でも有り得ない話だとは分かっていても、心配でどうにかなりそうだった。
「だったら今、時間を動かして見ましょう」
ユーリス様がじっくり考えた後で呟く。
「アルフリード王子に何かあったのは、間違いないでしょう。エルドレッド王子と戦闘中だろうが、どこかで倒れていようが、時間が動けば王城には近衛兵や隠密兵もいます。必ず助けていただけるはずです」
そう説明されて納得する。それが最善だと自分でも思う。
ならばと時を動かそうとした直前にそれは起こった。
「・・・セイアレス・・。どうしてここに・・・」
私は突然のことに、言葉を失った。
一瞬、風が通り抜けたような感じがしたと思ったら、全然別の場所にいた。ユーリス様はどこにいったんだろう?
周りを見渡すといままでいたユーリス様の私室ではないことはすぐに分かった。此処は一体どこなのだ?
セイアレスが私だけをこの場所に転移させたのだ。
どこかの貴族のお屋敷のような豪勢な造りの室内。だけどそこには天井が無く、日の光が直接中に注いでいる。。爆発でもあったかのように高級そうな調度品が無残にもばらばらになってあちこちに散らばっていて、ここで誰かが戦ったということは、すぐに見て取れた。
室内を観察していると、ふと目が留まった。セイアレスの後ろに、誰かが血まみれで倒れている。
その体を横たえている人物は肩で大きく息をして、かなり危険な状態に違いないことが分かる。顔は陰になって見えないが、その輝くような金髪と特徴的な服には、見覚えがあった。
私にはそれが誰だかすぐに気がついた。
「いやぁぁぁっ!!!アルーーーー!!」
私のやっていた剣道にも興味を示してくれて、今度一緒に手合わせをすることを約束してくれた。もちろん魔法無しでやってもらうと念を押してだ。私にはあんなどっかの戦闘アニメのような真似はできない。ごくごく普通に打ち合うように頼んだ。
すごく楽しみだ。
それにしてもどれくらいの時間が流れたのだろう、時間を止めて暫くになるがアルからは連絡が来ない。
心配になってユーリス様に相談してから、伝心魔法でもう一度連絡をとってみることにした。
何度連絡しても出ない。だんだん不安になってきた。
「ユーリス様、この伝心魔法は相手に必ず伝わるのですよね。この世界で動いている人は私達3人だけだとしたら、誰かと話をしているという可能性も無いと思います。ということはアルフリード王子に何かあったのではないでしょうか?」
ユーリス様も先ほどまでの優しい表情とは打って変わって、騎士隊長としての真剣な表情になって考え込んだ。
「・・・そうですね。これは何か不測の事態が起こったと考えるのが妥当ですね」
「だったら急いでいかないと!!」
慌てて部屋を出ようとする私の腕を掴んで慌てて引き止める。
「待ってください。現時点で私達3人しか動いていないのです。その上で殿下に何か起こったとすれば、それは指輪を持つものが現れたとしか考えられません。エルドレッド王子と戦闘中の可能性もあります。そんなところに君を行かせるわけには行かない」
「もしかして私みたいに転んで、後頭部を打ち付けて気を失ってるかもしれないじゃない!!」
自分でも有り得ない話だとは分かっていても、心配でどうにかなりそうだった。
「だったら今、時間を動かして見ましょう」
ユーリス様がじっくり考えた後で呟く。
「アルフリード王子に何かあったのは、間違いないでしょう。エルドレッド王子と戦闘中だろうが、どこかで倒れていようが、時間が動けば王城には近衛兵や隠密兵もいます。必ず助けていただけるはずです」
そう説明されて納得する。それが最善だと自分でも思う。
ならばと時を動かそうとした直前にそれは起こった。
「・・・セイアレス・・。どうしてここに・・・」
私は突然のことに、言葉を失った。
一瞬、風が通り抜けたような感じがしたと思ったら、全然別の場所にいた。ユーリス様はどこにいったんだろう?
周りを見渡すといままでいたユーリス様の私室ではないことはすぐに分かった。此処は一体どこなのだ?
セイアレスが私だけをこの場所に転移させたのだ。
どこかの貴族のお屋敷のような豪勢な造りの室内。だけどそこには天井が無く、日の光が直接中に注いでいる。。爆発でもあったかのように高級そうな調度品が無残にもばらばらになってあちこちに散らばっていて、ここで誰かが戦ったということは、すぐに見て取れた。
室内を観察していると、ふと目が留まった。セイアレスの後ろに、誰かが血まみれで倒れている。
その体を横たえている人物は肩で大きく息をして、かなり危険な状態に違いないことが分かる。顔は陰になって見えないが、その輝くような金髪と特徴的な服には、見覚えがあった。
私にはそれが誰だかすぐに気がついた。
「いやぁぁぁっ!!!アルーーーー!!」
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