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13、幽霊の襲撃
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(なんだかご主人様が変です。何かあったのでしょうか)
リアムさんの姿は一階ですぐに見つかった。
彼はダイニングルームでテーブルコーディネートをしていたので、手伝いを申し入れる。彼は本当に優秀な執事らしく、長い指先で流れるようにフォークやナイフ、グラスなどを的確に並べていった。
彼は寡黙でそんなに多くを語らない。でも私がシャーロット様を褒めるとさっきとは打って変わって饒舌に語り始める。お嬢様を褒められてよほど嬉しいに違いない。
「私がお嬢様にお会いしたのが十二年前でした。私は十五でお嬢様はまだ六歳だったのですが、その美しさはずっとお変わりありません。あの頃から可憐で繊細な方でしたから。私はあの方が幸せになってくれることだけが望みなのです」
明らかに笑顔が増えて嬉しそうにに語るさまは、同じような立場の私として微笑ましい。よほど主人を慕っているのだろう。
(私だって手放しで尊敬できるご主人様がほしかったです……)
彼はシャーロット様の素晴らしさを存分に語ってくれた。
「そうなんですね。私はご主人様にお仕えしてもう十年になりますが、そんな風に思ったことはありません。ご主人様なら一人で十分幸せになりそうですから」
「エマーソン教授なら確かにそうですね。エマさん」
そうして私とリアムさんは同時に笑った。
「シャーロット様はお出かけも制限されていましたから、友人と呼べる女性は一人もいないのです。お嬢様と同じころの年のあなたが来てくれて良かった。お嬢様も喜んでおいでです。皆さんがいらっしゃるのを楽しみにお待ちでした」
「そうなんですか! 嬉しいです」
私よりも二歳年下のシャーロット様がお可哀そうになる。きっとずっとお屋敷からあまり外出せずに生きてきたのだ。
「でもリアムさん、このお屋敷は随分と暗い感じですよね。いろいろな事件も重なって……どこかに引っ越したりは考えないのですか?」
「……それはお嬢様が住み慣れたお屋敷を離れるのは嫌だといっておりまして、私もそうお勧めしたのですが」
暗い顔になったリアムさんは、急に真剣な顔をして私に向きなおった。
「シャーロット様は血統でいえば貴族の中でも高位。もし身分を取り戻してお嬢様が幸せになれるのならば、私はなんでもします。シャーロット様の幸せが僕の願いですから」
「ほ、本当にそうですよね」
いつもは落ち着いているのに、その時ばかりは荒々しい感情がこもっているように感じてゾクリとする。何なのだろうかこの感覚は……私は理由もなくリアムさんのことが怖くなる。
私は人と比べて勘が鈍くて理解は遅いが、悪意や本当に怖いものに対する反応にだけは鋭いのだ。私が妙な顔をしたことに気が付いたのか、リアムさんはいつもの笑顔に戻った。
「すみません、少し感情的になってしまいました。さぁ、そろそろ料理もできたころでしょう。エマさんは他の皆さんを呼んできてくれませんか?」
「はい、わかりました」
ぞっとしたのはほんの一瞬だけ。リアムさんは再び穏やかな笑顔に戻った。そうして私は、ご主人様とヒッグス様を呼びに行くときにはそのことを忘れてしまっていた。
そうして夕食が始まりシャーロット様とヒッグス様、ご主人様が席におつきになった。私は使用人の身。一緒に夕食はいただかないが、ご主人さまの意向で席を同じにすることとなる。
こんな広くて不気味な屋敷で、一人部屋で待っているのは耐えられない。なのでその申し出はとても嬉しかった。
和やかな夕食が始まった。ほとんどの時間は大学時代のお話しでヒッグス様とご主人様が盛り上がり、それを聞いたシャーロット様が微笑まれるといったもの。
そうして最後のデザートの時間、何の前振りもなくご主人様が突然切り出した。
「そういえばヒッグスはこの屋敷に訪れるのは初めてですよね。シャーロット様と親しくしていたというのも嘘です。もちろん存在は知っていたんだろうけれど、会ったとしても数回程度でしょうか。そうだよね、ヒッグス。だって君は屋敷の内部をちっとも知らなかった」
「急に何を言い出すんだ? リチャード、お前はいつも話が突拍子すぎる」
ヒッグス様は一瞬身を固まらせたが、すぐに笑ってデザートを口に放り込んだ。ご主人様はフォークをテーブルに置くと、両手の指を絡めた。そうして美しい顔で穏やかに微笑まれた。相変わらず華のあるお方だ。
「これは予想ですけれど、君が表に出てきたということは、ヒッグスのカーステレン侯爵家が絡んでいるんだよね。ということは今回の相談は、どこかもっと上……例えばシャーロット様の父上であるキーステア公と同等くらいの身分の方が関わっているんじゃないのかい?」
ご主人様の追及に、ヒッグス様は仕方ないというようにデザートを食べるのはやめて椅子の背にもたれた。
「やっぱりリチャードには隠し事はできないなぁ。これは秘密なんだけど、実は半年前程からシャーロットには縁談の話が来ている。しかもその相手はあのハーブリス伯爵。ここまで言えば優秀な君ならわかるだろう」
ご主人様はこれで一つ謎が解けたとばかりに頷くが、私にはさっぱりわからない。もっと詳しく説明をしてくれないだろうか? 私はご主人様の隣で目をぱちくりさせた。
「――ええ、僕の予想通りです。シャーロット様が受け取るだったキーステア公の財産を実際に継いだのは甥であるアルフレッド・ハーブリス伯爵。表向きには相続できない財産を、こうして間接的に彼女に受け継がせようとする考えなんだね。いかにも貴族的な物の考え方です」
「そういうこと。でもここで幽霊騒動が起こった。ハーブリス伯爵家は敬虔なカソリックだ。呪われた娘を嫁にするわけにいかないと反対する者が家族にいるらしい。僕は諜報部長官の叔父に幽霊騒動の解決を頼まれたんだよ。叔父はいわゆる国粋主義の人格者でね。正統な血を持つシャーロットの未来を憂いている」
「ということはヒッグス。君はそれこそが犯人の思惑だと考えているんですね? だから僕のような立場の人間を屋敷に連れてきた。君にとっては本物の幽霊だろうがどうでもいい。僕が一言、これは呪いではなかったといえば解決します」
ヒッグス様はそれには何も答えずにグラスに入ったワインを飲みほす。ご主人様は瞼を伏せてため息をついた。
「僕は君に利用されたというわけですね。屋敷にくる前に予想はついていましたが。――ですがシャーロット様。呪いの有無はこの際置いておいて、貴女はこの結婚についてどう思われていますか?」
心配そうにお二人のやり取りを見守っていらしたシャーロット様は、ご主人様に話を振られてゆっくりと口を開いた。
「あ、あの……アルフレッド様はとてもお優しくて聡明で、私にはもったいないほどの方です。ですから私はリアムやヒッグス様がいいという伯爵様と結婚したいと思っております。キーステア公の遺産などは考えたこともありません」
引っ込み思案の彼女が頬を染めて一生懸命にそういうと、背後に立つリアムさんがほんの少し睫毛を伏せた。シャーロット様の言い方に、私は複雑な気持ちになる。
(ご自分のお父様をキーステア公と他人のように呼ばれるのですね。ご自分のご両親を見たこともないのですから仕方ないのかもしれません。私はお母様はお亡くなりになったけど、それでも一緒にいた記憶はありますしお父様も傍にいます。なんておかわいそうなのでしょうか)
「そうですか。じゃあリアム。君はどう思っているのですか?」
突然ご主人様に話を振られた形のリアムさんは言葉を詰まらせたが、すぐに冷静に質問に答える。
「私もお嬢様の執事として、あの方以上にお嬢様にふさわしい男性は他にいらっしゃらないと思います」
(ということはこの場にいるみんながみんなシャーロット様とハーブリス伯爵の結婚を望んでいるということですね。でしたら私も応援します!)
テーブルの下で拳を握ったとき、ガラスの割れる音が屋敷に響き渡る。
「きゃぁぁぁぁぁっ!」
リアムさんの姿は一階ですぐに見つかった。
彼はダイニングルームでテーブルコーディネートをしていたので、手伝いを申し入れる。彼は本当に優秀な執事らしく、長い指先で流れるようにフォークやナイフ、グラスなどを的確に並べていった。
彼は寡黙でそんなに多くを語らない。でも私がシャーロット様を褒めるとさっきとは打って変わって饒舌に語り始める。お嬢様を褒められてよほど嬉しいに違いない。
「私がお嬢様にお会いしたのが十二年前でした。私は十五でお嬢様はまだ六歳だったのですが、その美しさはずっとお変わりありません。あの頃から可憐で繊細な方でしたから。私はあの方が幸せになってくれることだけが望みなのです」
明らかに笑顔が増えて嬉しそうにに語るさまは、同じような立場の私として微笑ましい。よほど主人を慕っているのだろう。
(私だって手放しで尊敬できるご主人様がほしかったです……)
彼はシャーロット様の素晴らしさを存分に語ってくれた。
「そうなんですね。私はご主人様にお仕えしてもう十年になりますが、そんな風に思ったことはありません。ご主人様なら一人で十分幸せになりそうですから」
「エマーソン教授なら確かにそうですね。エマさん」
そうして私とリアムさんは同時に笑った。
「シャーロット様はお出かけも制限されていましたから、友人と呼べる女性は一人もいないのです。お嬢様と同じころの年のあなたが来てくれて良かった。お嬢様も喜んでおいでです。皆さんがいらっしゃるのを楽しみにお待ちでした」
「そうなんですか! 嬉しいです」
私よりも二歳年下のシャーロット様がお可哀そうになる。きっとずっとお屋敷からあまり外出せずに生きてきたのだ。
「でもリアムさん、このお屋敷は随分と暗い感じですよね。いろいろな事件も重なって……どこかに引っ越したりは考えないのですか?」
「……それはお嬢様が住み慣れたお屋敷を離れるのは嫌だといっておりまして、私もそうお勧めしたのですが」
暗い顔になったリアムさんは、急に真剣な顔をして私に向きなおった。
「シャーロット様は血統でいえば貴族の中でも高位。もし身分を取り戻してお嬢様が幸せになれるのならば、私はなんでもします。シャーロット様の幸せが僕の願いですから」
「ほ、本当にそうですよね」
いつもは落ち着いているのに、その時ばかりは荒々しい感情がこもっているように感じてゾクリとする。何なのだろうかこの感覚は……私は理由もなくリアムさんのことが怖くなる。
私は人と比べて勘が鈍くて理解は遅いが、悪意や本当に怖いものに対する反応にだけは鋭いのだ。私が妙な顔をしたことに気が付いたのか、リアムさんはいつもの笑顔に戻った。
「すみません、少し感情的になってしまいました。さぁ、そろそろ料理もできたころでしょう。エマさんは他の皆さんを呼んできてくれませんか?」
「はい、わかりました」
ぞっとしたのはほんの一瞬だけ。リアムさんは再び穏やかな笑顔に戻った。そうして私は、ご主人様とヒッグス様を呼びに行くときにはそのことを忘れてしまっていた。
そうして夕食が始まりシャーロット様とヒッグス様、ご主人様が席におつきになった。私は使用人の身。一緒に夕食はいただかないが、ご主人さまの意向で席を同じにすることとなる。
こんな広くて不気味な屋敷で、一人部屋で待っているのは耐えられない。なのでその申し出はとても嬉しかった。
和やかな夕食が始まった。ほとんどの時間は大学時代のお話しでヒッグス様とご主人様が盛り上がり、それを聞いたシャーロット様が微笑まれるといったもの。
そうして最後のデザートの時間、何の前振りもなくご主人様が突然切り出した。
「そういえばヒッグスはこの屋敷に訪れるのは初めてですよね。シャーロット様と親しくしていたというのも嘘です。もちろん存在は知っていたんだろうけれど、会ったとしても数回程度でしょうか。そうだよね、ヒッグス。だって君は屋敷の内部をちっとも知らなかった」
「急に何を言い出すんだ? リチャード、お前はいつも話が突拍子すぎる」
ヒッグス様は一瞬身を固まらせたが、すぐに笑ってデザートを口に放り込んだ。ご主人様はフォークをテーブルに置くと、両手の指を絡めた。そうして美しい顔で穏やかに微笑まれた。相変わらず華のあるお方だ。
「これは予想ですけれど、君が表に出てきたということは、ヒッグスのカーステレン侯爵家が絡んでいるんだよね。ということは今回の相談は、どこかもっと上……例えばシャーロット様の父上であるキーステア公と同等くらいの身分の方が関わっているんじゃないのかい?」
ご主人様の追及に、ヒッグス様は仕方ないというようにデザートを食べるのはやめて椅子の背にもたれた。
「やっぱりリチャードには隠し事はできないなぁ。これは秘密なんだけど、実は半年前程からシャーロットには縁談の話が来ている。しかもその相手はあのハーブリス伯爵。ここまで言えば優秀な君ならわかるだろう」
ご主人様はこれで一つ謎が解けたとばかりに頷くが、私にはさっぱりわからない。もっと詳しく説明をしてくれないだろうか? 私はご主人様の隣で目をぱちくりさせた。
「――ええ、僕の予想通りです。シャーロット様が受け取るだったキーステア公の財産を実際に継いだのは甥であるアルフレッド・ハーブリス伯爵。表向きには相続できない財産を、こうして間接的に彼女に受け継がせようとする考えなんだね。いかにも貴族的な物の考え方です」
「そういうこと。でもここで幽霊騒動が起こった。ハーブリス伯爵家は敬虔なカソリックだ。呪われた娘を嫁にするわけにいかないと反対する者が家族にいるらしい。僕は諜報部長官の叔父に幽霊騒動の解決を頼まれたんだよ。叔父はいわゆる国粋主義の人格者でね。正統な血を持つシャーロットの未来を憂いている」
「ということはヒッグス。君はそれこそが犯人の思惑だと考えているんですね? だから僕のような立場の人間を屋敷に連れてきた。君にとっては本物の幽霊だろうがどうでもいい。僕が一言、これは呪いではなかったといえば解決します」
ヒッグス様はそれには何も答えずにグラスに入ったワインを飲みほす。ご主人様は瞼を伏せてため息をついた。
「僕は君に利用されたというわけですね。屋敷にくる前に予想はついていましたが。――ですがシャーロット様。呪いの有無はこの際置いておいて、貴女はこの結婚についてどう思われていますか?」
心配そうにお二人のやり取りを見守っていらしたシャーロット様は、ご主人様に話を振られてゆっくりと口を開いた。
「あ、あの……アルフレッド様はとてもお優しくて聡明で、私にはもったいないほどの方です。ですから私はリアムやヒッグス様がいいという伯爵様と結婚したいと思っております。キーステア公の遺産などは考えたこともありません」
引っ込み思案の彼女が頬を染めて一生懸命にそういうと、背後に立つリアムさんがほんの少し睫毛を伏せた。シャーロット様の言い方に、私は複雑な気持ちになる。
(ご自分のお父様をキーステア公と他人のように呼ばれるのですね。ご自分のご両親を見たこともないのですから仕方ないのかもしれません。私はお母様はお亡くなりになったけど、それでも一緒にいた記憶はありますしお父様も傍にいます。なんておかわいそうなのでしょうか)
「そうですか。じゃあリアム。君はどう思っているのですか?」
突然ご主人様に話を振られた形のリアムさんは言葉を詰まらせたが、すぐに冷静に質問に答える。
「私もお嬢様の執事として、あの方以上にお嬢様にふさわしい男性は他にいらっしゃらないと思います」
(ということはこの場にいるみんながみんなシャーロット様とハーブリス伯爵の結婚を望んでいるということですね。でしたら私も応援します!)
テーブルの下で拳を握ったとき、ガラスの割れる音が屋敷に響き渡る。
「きゃぁぁぁぁぁっ!」
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