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ユーリスと夜の秘密の水泳 1
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は・は・恥ずかしい!!どうしてユーリはいつもあんなのだろう。人の目なんか気にせずに溺愛してくる。大体、私に食べ物を食べさせるのがそんなに楽しいのか!隙があれば直ぐに私の口に食べ物を突っ込んでくる。
私が自分のベットの上で恥ずかしさに悶え苦しんでいた時に、ふと自室に届けものの小包があるのが目に入った。そのカラフルなリボンで包装された小さい箱を、何の気なしに開けてみた。中身は水着だった。恐らくユーリが夕方、町に買いにいったものだろう。一体どんな水着を選んだのか、興味深々で小さな布を開く。
それはピンクの小さい花が沢山プリントされた柄でフリルの付いた、ビ・キ・ニ だった。
どうしてビキニだ。なんでビキニだ。ユーリがビキニを?!
私は混乱する頭で考えたが、さっぱり意図が分からなかった。でももう水着はない。これを着るしかなさそうだ。私は覚悟を決めてそのビキニを付けてみた。
「これ・・・かなりきわどいかも・・・」
思わず情けなさそうな声が口から漏れ出す。鏡で見てみると、殆ど裸の状態の自分が映っていた。フリルがある分体型は十分カバーされているが、所詮ビキニだ。どう見てもビキニ。
私は迷ったが覚悟を決めた。水着はこれしかないし、ユーリは私の裸を見たことがある。その上、水着のサイズも分かるほどに記憶しているらしい。ここはもうこれでいくしかない!!
ユーリからプレゼントされた水着を着た上に、いつものズボンとシャツを着る。女である事を隠すための、胸に巻いてあるさらしは外しておいた。夜だし、きっと誰にも会わないだろうと思ったからだ。
待ち合わせ場所に着くと、もうユーリはそこに立って待っていた。柔和な笑顔で迎えてくれる。私はまず水着のお礼をいい、挨拶もそこそこに服を脱ぐと水に入った。ユーリに水着姿を見られるのが恥ずかしかったからだ。水に入ってしまえば、体を見られることはないだろうと思った。
「ユーリも早くおいでよ。冷たくて気持ちがいいよ!」
照れくささを隠すために、できるだけはしゃいでみる。ユーリはゆっくりとシャツとズボンを脱ぐ。その姿がぼんやりと月の明かりに照らされて、見ているとだんだん自分の心臓の音が大きくなっていくのが分かる。目の前で段々あらわになっていく筋肉が、私から平静さを奪っていく。
おお・・泳ぐって・・・上半身裸になるんだよね。ちょっと待った・・。しかも二人きりだし、これってものすごく恥ずかしいかも・・・。
などと考えている間に、ユーリは既に私のすぐ隣に立っていた。その薄茶色の髪から水の雫を滴らせながら、右手でその髪をかきあげている。私は肩まで水に浸かっているのだけれども、ユーリは身長があるので胸から上は丸見えなのだ。やばい、私の顔の10センチ先はもうあの筋肉なのだ!!!そういえば私は筋肉に弱かったのを今になって思い出した。
このままでは筋肉の誘惑に抗えなくなって触ってしまう。それだけは私が痴女と思われないためにも阻止しなければ!!
私は振り返って、ユーリに背中を向けるようにしていった。
「ユーリ、あの今日はごめんね。怪我のこと黙ってて・・・」
「もう怒ってはいませんよ、気にしないでください。それよりも、今日のことではっきりと思ったことがあるのですが、聞いてもらえますか?」
ユーリが真剣な声でいう。夜の静けさの中ユーリの声が暗闇に響いて、まるで夢の中で話をしているように感じた。
私が自分のベットの上で恥ずかしさに悶え苦しんでいた時に、ふと自室に届けものの小包があるのが目に入った。そのカラフルなリボンで包装された小さい箱を、何の気なしに開けてみた。中身は水着だった。恐らくユーリが夕方、町に買いにいったものだろう。一体どんな水着を選んだのか、興味深々で小さな布を開く。
それはピンクの小さい花が沢山プリントされた柄でフリルの付いた、ビ・キ・ニ だった。
どうしてビキニだ。なんでビキニだ。ユーリがビキニを?!
私は混乱する頭で考えたが、さっぱり意図が分からなかった。でももう水着はない。これを着るしかなさそうだ。私は覚悟を決めてそのビキニを付けてみた。
「これ・・・かなりきわどいかも・・・」
思わず情けなさそうな声が口から漏れ出す。鏡で見てみると、殆ど裸の状態の自分が映っていた。フリルがある分体型は十分カバーされているが、所詮ビキニだ。どう見てもビキニ。
私は迷ったが覚悟を決めた。水着はこれしかないし、ユーリは私の裸を見たことがある。その上、水着のサイズも分かるほどに記憶しているらしい。ここはもうこれでいくしかない!!
ユーリからプレゼントされた水着を着た上に、いつものズボンとシャツを着る。女である事を隠すための、胸に巻いてあるさらしは外しておいた。夜だし、きっと誰にも会わないだろうと思ったからだ。
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「ユーリも早くおいでよ。冷たくて気持ちがいいよ!」
照れくささを隠すために、できるだけはしゃいでみる。ユーリはゆっくりとシャツとズボンを脱ぐ。その姿がぼんやりと月の明かりに照らされて、見ているとだんだん自分の心臓の音が大きくなっていくのが分かる。目の前で段々あらわになっていく筋肉が、私から平静さを奪っていく。
おお・・泳ぐって・・・上半身裸になるんだよね。ちょっと待った・・。しかも二人きりだし、これってものすごく恥ずかしいかも・・・。
などと考えている間に、ユーリは既に私のすぐ隣に立っていた。その薄茶色の髪から水の雫を滴らせながら、右手でその髪をかきあげている。私は肩まで水に浸かっているのだけれども、ユーリは身長があるので胸から上は丸見えなのだ。やばい、私の顔の10センチ先はもうあの筋肉なのだ!!!そういえば私は筋肉に弱かったのを今になって思い出した。
このままでは筋肉の誘惑に抗えなくなって触ってしまう。それだけは私が痴女と思われないためにも阻止しなければ!!
私は振り返って、ユーリに背中を向けるようにしていった。
「ユーリ、あの今日はごめんね。怪我のこと黙ってて・・・」
「もう怒ってはいませんよ、気にしないでください。それよりも、今日のことではっきりと思ったことがあるのですが、聞いてもらえますか?」
ユーリが真剣な声でいう。夜の静けさの中ユーリの声が暗闇に響いて、まるで夢の中で話をしているように感じた。
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