34 / 53
戦いの前の静けさ
しおりを挟む
12時の鐘の音がなる数十分前、ユリアナ皇女と話をしていたアルフリード王子の元にルーク補佐官がやってきた。
「どうしたルーク補佐官。何かあったのか?」
ルーク補佐官の落ち着かない様子に気づいたアルフリードが、ユリアナ皇女の傍を離れて彼を物陰に連れ込んで聞く。ルーク補佐官が周囲の誰も聞いていないのを確認した上で、この会話が誰にも聞かれないように小さな結界をはってから話だした。
「殿下、何かがおかしいんです。この王城に何かが起きていることは確かです」
「どういう意味だ?結界が破られていないのは確認済みだろう・・。兵士からも異変があったとの報告は受けていないが?」
「そうです。ですが、なんていうかその結界が完璧すぎるのです。3重の高位結界を張ってあるのはご存知でしょうが、これ程大勢の魔力を持つ者が王城内にいるというのに、結界が弱まったり影響を受けた様子が殆どないのです。ハボット魔法庁長官が自ら制御しているとはいっても、これ程乱れのない完璧な結界を、長時間張るなんてことは不可能です」
それもそうだ、今現在諸外国の王や王女がこの王城に一堂に会している。魔力が高いものが国を統治することが多いこの世界で、これ程の魔力を秘めた者たちを中に入れた結界がなんの影響も受けないというのはおかしなことだ。
ルーク補佐官の危惧は理解できる。だがそんなことをして誰の利益になるというのだ。アルフリードは全ての情報を頭の中に思い浮かべて、可能性を残さず考えてみる。
結界は通常、表から内側に敵が入らないようにするためのものだ。その反面、結界にはもう一つの効果もある。そうだ、結界の中の者も外には出られない。もし敵がもう既に結界の中にいるとしたら・・・それをハボット魔法庁長官が感づいたとしたら・・・。
「もしかして、襲撃者がもう王城内にいるということなのか?しかもハボット魔法庁長官よりも凄い術を操れる者が、仲間にいると?!」
アルフリードは推論の確証を得る為に、ルーク補佐官に指示を出した。
「すぐにハボット魔法庁長官に連絡を取って確認しろ、休憩中の兵士も総動員してすぐに厳戒警戒態勢に入れ!それと、サクラの護衛を強化しろ!ここには現在たくさんの国の王や女王がいる。誰が狙いなのかわからんが、もしあの襲撃者達だとすると、サクラを一番に狙ってくるはずだ。オレは今からサクラの様子を見に行ってくる。ユーリスが護衛しているはずだから大丈夫なはずだが念のためだ」
優秀なルーク補佐官はアルフリードの指示を受け、すぐに行動を起こした。アルフリードの探査魔法でセシリアを探すと、程なくして居場所は分かった。あまり人が立ち寄る場所ではないが、ここからさほど遠くない場所だ。
伝心魔法を試してみたが使えないようだ。恐らく王城の結界を張りなおす程の高度な技術を持つ魔術師が、妨害魔波を流しているのだろう。
あんな人気がないところにユーリスと二人きりなのは気に食わないが、今夜は自分がウェースプ王国の王子として隣国の王や王女を招待している身だ。ユーリスの婚約者であるセシリアの事を構う時間もないし、その立場ですらないことは十分にわかっている
本来は次代の王である自分が自らセシリアの無事を確かめに行くというのもおかしなことだが、実際に自分の目で見るまでは安心できなかった。
アルフリードは足早にその場所に向かう。手前の廊下でリューク騎士とギルア騎士が護衛に当たっているのを見とめて部屋に入り、大きく開け放たれた扉から外に出ると、すぐにテラスの手すりに並んで座る二人を見つけた。
セシリアがアルフリードが来たのに気が付いて、極上の笑みで迎えてくれる。そんな小さなことで気分が高揚する自分が情けないが、セシリアの無事を確認してとにかく安心する。
「なにかあったのでしょうか?アルフリード王子」
こんな場所にアルフリードが突然現れたのを見て、ユーリスが不審に思ってすぐに立ちあがって神妙な面持ちで聞く。セシリアがその様子を見て不安そうな表情を浮かべた。
「今はわからんが、何かがおかしい。特別厳戒警戒態勢を出した。ユーリスお前も油断するな。何かわかり次第連絡を入れるが、セシリアの護衛を強化してくれ」
「あの・・アル。もしかして襲撃者が来るかもしれないってことなの?いま、ここに・・・。だったら私は王城にいないほうがいいんじゃないかな?国賓級の人が大勢いるところを襲撃されたら、王国にとっても良くないよね」
セシリアが心配そうに二人に問いかける。するとアルフリードとユーリスが彼女を守るように、それぞれサクラの肩に手を置いて言った。
「「大丈夫だ。(です)オレが(私が)サクラを守ってやるから心配するな(しないでください)」」
見事にハモった。サクラは声を出して笑うと、アルとユーリの方を頼もしそうに見ていった。
「ありがとう二人とも!でも、いざとなったら、私の事も頼ってね!なんてったって世界最強の能力だからね!」
「今は世界最弱だろう?余計なことはするなよ」
(アルが突っ込みを入れてきて、あまつさえ釘まで刺された。確かにそうだけどさ・・・ぷんっ!)
肩に置かれた二人の手に力がこもって、セシリアを熱く見つめる。そして2つの満月がその3人を明るく照らしていた。
その時、王城の鐘が12時を告げる音を立てた。
ボォーーーーーーーーン!!!ボォーーーーーーーーン!!!
その音を合図に突然、あちこちで戦闘が開始されたかのような爆発音が響き始めた。音楽は中断され、人々の悲鳴と何かが崩れる音だけが夜空に響く。
「なんだ?これは!!!」
アルフリードとユーリスが身構えると、そこに近くで護衛していたギルア騎士と、リューク騎士、他の近衛兵らがテラスに駆けつけてきた。
「アルフリード王子!!伝心魔法が妨害されていまして現在の状況は分かりませんが、見たところによると東棟の入り口と、北棟の建物が破壊されたようです。敵は何人で何者かも今はわかりません!!」
ギルア騎士がアルフリードの前に膝をついてそう報告すると、次の指令を待つ。そこに自国の近衛兵を引き連れたソルデア王がやってきた。彼も突然の敵の来襲に戸惑っているようだった。
「アルフリード王子、ここにいらっしゃったんですね。一体これはどういった事なのでしょうか?」
「ソルデア王。私にも今はわかりません。とにかく今は事態の把握と収集が最優先です。申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください」
アルフリードが王子の威厳をもって、ソルデア王を落ち着かせると、ルーク補佐官やリュースイ宰相らが駆けつけてきた。なにか新しい情報でも入ったのだろう。それをみてソルデア王がアルフリード王子に提案をした。
「もしよろしければセシリア嬢の事は私が責任を持って、私と我々の近衛兵たちが守ります。なので今はそちらを優先させてください。ここには彼女の護衛騎士達もいることですし、我が国の英雄であるロデリック子爵の将来の義妹になられる女性を、危険な目には絶対に合わせないと約束しますよ」
「・・・では、私もここに残ります」
そういったユーリスをリュースイ宰相が見て、言いにくそうにいった。
「ユーリス公爵、あなたにも聞いてもらいたい情報があります。ほんの10分程でいいので一緒にきてください」
ユーリスがアルフリードの方をむいて確認を取ると、アルフリードも了承したというかのように無言でうなずいた。
「セシリア、少しの間ですが君の傍から離れます。ですがくれぐれも危険なことはしないと約束してくださいね」
ユーリスがセシリアの手をとって、目を見つめて安心をさせるように言う。セシリアはこれは恐らく自分に時間を止めるなと暗に忠告をしているのだと思い、顔を縦に思い切り振ると笑っていった。
「ありがとうございます、ユーリス様。私の事は心配なさらないでください。ギルア騎士様とリューク騎士様も傍にいてくださいますから」
そうしてテラスにはソルデア王とセシリア、ギルア騎士とリューク騎士、ナイメール公国の近衛兵らが残された。
未だにあちこちで聞こえる爆音と悲鳴は、断続的に続いていた。セシリアは初めての襲撃に恐れを隠せないようで、不安そうな顔でテラスから見える王城の南棟と東棟を見る。所々から煙が出て、火がでて人々が逃げまどっているのが見える。
次の瞬間、ユリアナ皇女が言っていたあの台詞を思い出して、セシリアはその身を固まらせる。ソルデア王がセシリアの方を向いて顔を近づけ、まるで幽霊でも見るような目でセシリアを見て、こうつぶやいたのだ。
「あなたはここにいるべき人間ではない。世界に厄災をもたらす存在だ。私の大切な人を苦しめる存在。どうかこの世から消えてください」
そういうと二つの月を背後にしてセシリアに覆いかぶさるように、ソルデア王は壁際に彼女を追い詰めた。逆光であまりよくは見えないが、その淡い灰色の瞳はこの言葉が冗談ではないことを語っている。
ソルデア王の肩越しにセシリアが見たものは、味方だと思って油断していたギルア騎士とリューク騎士を背後から狙い撃ちして、何本もの剣でその体を突き刺しているナイメール公国の近衛兵たちだった。
「・・・・・なんて・・ことを・・・!!!??」
セシリアの口から漏れたのは、驚愕のことばだった。どうして友好国であるナイメール公国の兵士が、王国の騎士達を攻撃するのか、サクラには理解できなかったからだ。
ソルデア王が懐に隠してあった短剣を持ち出して、セシリアに向ける。その短剣が月の光に照らされて反射してセシリアの視界を奪う。咄嗟に短剣を避けようとしたが、レンブレント王に掴まれた右腕が痛んで思うように動けない。
短剣の切っ先が、のどに近づいてくるのがわかる。もう避けられない!!!!
「いやぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「どうしたルーク補佐官。何かあったのか?」
ルーク補佐官の落ち着かない様子に気づいたアルフリードが、ユリアナ皇女の傍を離れて彼を物陰に連れ込んで聞く。ルーク補佐官が周囲の誰も聞いていないのを確認した上で、この会話が誰にも聞かれないように小さな結界をはってから話だした。
「殿下、何かがおかしいんです。この王城に何かが起きていることは確かです」
「どういう意味だ?結界が破られていないのは確認済みだろう・・。兵士からも異変があったとの報告は受けていないが?」
「そうです。ですが、なんていうかその結界が完璧すぎるのです。3重の高位結界を張ってあるのはご存知でしょうが、これ程大勢の魔力を持つ者が王城内にいるというのに、結界が弱まったり影響を受けた様子が殆どないのです。ハボット魔法庁長官が自ら制御しているとはいっても、これ程乱れのない完璧な結界を、長時間張るなんてことは不可能です」
それもそうだ、今現在諸外国の王や王女がこの王城に一堂に会している。魔力が高いものが国を統治することが多いこの世界で、これ程の魔力を秘めた者たちを中に入れた結界がなんの影響も受けないというのはおかしなことだ。
ルーク補佐官の危惧は理解できる。だがそんなことをして誰の利益になるというのだ。アルフリードは全ての情報を頭の中に思い浮かべて、可能性を残さず考えてみる。
結界は通常、表から内側に敵が入らないようにするためのものだ。その反面、結界にはもう一つの効果もある。そうだ、結界の中の者も外には出られない。もし敵がもう既に結界の中にいるとしたら・・・それをハボット魔法庁長官が感づいたとしたら・・・。
「もしかして、襲撃者がもう王城内にいるということなのか?しかもハボット魔法庁長官よりも凄い術を操れる者が、仲間にいると?!」
アルフリードは推論の確証を得る為に、ルーク補佐官に指示を出した。
「すぐにハボット魔法庁長官に連絡を取って確認しろ、休憩中の兵士も総動員してすぐに厳戒警戒態勢に入れ!それと、サクラの護衛を強化しろ!ここには現在たくさんの国の王や女王がいる。誰が狙いなのかわからんが、もしあの襲撃者達だとすると、サクラを一番に狙ってくるはずだ。オレは今からサクラの様子を見に行ってくる。ユーリスが護衛しているはずだから大丈夫なはずだが念のためだ」
優秀なルーク補佐官はアルフリードの指示を受け、すぐに行動を起こした。アルフリードの探査魔法でセシリアを探すと、程なくして居場所は分かった。あまり人が立ち寄る場所ではないが、ここからさほど遠くない場所だ。
伝心魔法を試してみたが使えないようだ。恐らく王城の結界を張りなおす程の高度な技術を持つ魔術師が、妨害魔波を流しているのだろう。
あんな人気がないところにユーリスと二人きりなのは気に食わないが、今夜は自分がウェースプ王国の王子として隣国の王や王女を招待している身だ。ユーリスの婚約者であるセシリアの事を構う時間もないし、その立場ですらないことは十分にわかっている
本来は次代の王である自分が自らセシリアの無事を確かめに行くというのもおかしなことだが、実際に自分の目で見るまでは安心できなかった。
アルフリードは足早にその場所に向かう。手前の廊下でリューク騎士とギルア騎士が護衛に当たっているのを見とめて部屋に入り、大きく開け放たれた扉から外に出ると、すぐにテラスの手すりに並んで座る二人を見つけた。
セシリアがアルフリードが来たのに気が付いて、極上の笑みで迎えてくれる。そんな小さなことで気分が高揚する自分が情けないが、セシリアの無事を確認してとにかく安心する。
「なにかあったのでしょうか?アルフリード王子」
こんな場所にアルフリードが突然現れたのを見て、ユーリスが不審に思ってすぐに立ちあがって神妙な面持ちで聞く。セシリアがその様子を見て不安そうな表情を浮かべた。
「今はわからんが、何かがおかしい。特別厳戒警戒態勢を出した。ユーリスお前も油断するな。何かわかり次第連絡を入れるが、セシリアの護衛を強化してくれ」
「あの・・アル。もしかして襲撃者が来るかもしれないってことなの?いま、ここに・・・。だったら私は王城にいないほうがいいんじゃないかな?国賓級の人が大勢いるところを襲撃されたら、王国にとっても良くないよね」
セシリアが心配そうに二人に問いかける。するとアルフリードとユーリスが彼女を守るように、それぞれサクラの肩に手を置いて言った。
「「大丈夫だ。(です)オレが(私が)サクラを守ってやるから心配するな(しないでください)」」
見事にハモった。サクラは声を出して笑うと、アルとユーリの方を頼もしそうに見ていった。
「ありがとう二人とも!でも、いざとなったら、私の事も頼ってね!なんてったって世界最強の能力だからね!」
「今は世界最弱だろう?余計なことはするなよ」
(アルが突っ込みを入れてきて、あまつさえ釘まで刺された。確かにそうだけどさ・・・ぷんっ!)
肩に置かれた二人の手に力がこもって、セシリアを熱く見つめる。そして2つの満月がその3人を明るく照らしていた。
その時、王城の鐘が12時を告げる音を立てた。
ボォーーーーーーーーン!!!ボォーーーーーーーーン!!!
その音を合図に突然、あちこちで戦闘が開始されたかのような爆発音が響き始めた。音楽は中断され、人々の悲鳴と何かが崩れる音だけが夜空に響く。
「なんだ?これは!!!」
アルフリードとユーリスが身構えると、そこに近くで護衛していたギルア騎士と、リューク騎士、他の近衛兵らがテラスに駆けつけてきた。
「アルフリード王子!!伝心魔法が妨害されていまして現在の状況は分かりませんが、見たところによると東棟の入り口と、北棟の建物が破壊されたようです。敵は何人で何者かも今はわかりません!!」
ギルア騎士がアルフリードの前に膝をついてそう報告すると、次の指令を待つ。そこに自国の近衛兵を引き連れたソルデア王がやってきた。彼も突然の敵の来襲に戸惑っているようだった。
「アルフリード王子、ここにいらっしゃったんですね。一体これはどういった事なのでしょうか?」
「ソルデア王。私にも今はわかりません。とにかく今は事態の把握と収集が最優先です。申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください」
アルフリードが王子の威厳をもって、ソルデア王を落ち着かせると、ルーク補佐官やリュースイ宰相らが駆けつけてきた。なにか新しい情報でも入ったのだろう。それをみてソルデア王がアルフリード王子に提案をした。
「もしよろしければセシリア嬢の事は私が責任を持って、私と我々の近衛兵たちが守ります。なので今はそちらを優先させてください。ここには彼女の護衛騎士達もいることですし、我が国の英雄であるロデリック子爵の将来の義妹になられる女性を、危険な目には絶対に合わせないと約束しますよ」
「・・・では、私もここに残ります」
そういったユーリスをリュースイ宰相が見て、言いにくそうにいった。
「ユーリス公爵、あなたにも聞いてもらいたい情報があります。ほんの10分程でいいので一緒にきてください」
ユーリスがアルフリードの方をむいて確認を取ると、アルフリードも了承したというかのように無言でうなずいた。
「セシリア、少しの間ですが君の傍から離れます。ですがくれぐれも危険なことはしないと約束してくださいね」
ユーリスがセシリアの手をとって、目を見つめて安心をさせるように言う。セシリアはこれは恐らく自分に時間を止めるなと暗に忠告をしているのだと思い、顔を縦に思い切り振ると笑っていった。
「ありがとうございます、ユーリス様。私の事は心配なさらないでください。ギルア騎士様とリューク騎士様も傍にいてくださいますから」
そうしてテラスにはソルデア王とセシリア、ギルア騎士とリューク騎士、ナイメール公国の近衛兵らが残された。
未だにあちこちで聞こえる爆音と悲鳴は、断続的に続いていた。セシリアは初めての襲撃に恐れを隠せないようで、不安そうな顔でテラスから見える王城の南棟と東棟を見る。所々から煙が出て、火がでて人々が逃げまどっているのが見える。
次の瞬間、ユリアナ皇女が言っていたあの台詞を思い出して、セシリアはその身を固まらせる。ソルデア王がセシリアの方を向いて顔を近づけ、まるで幽霊でも見るような目でセシリアを見て、こうつぶやいたのだ。
「あなたはここにいるべき人間ではない。世界に厄災をもたらす存在だ。私の大切な人を苦しめる存在。どうかこの世から消えてください」
そういうと二つの月を背後にしてセシリアに覆いかぶさるように、ソルデア王は壁際に彼女を追い詰めた。逆光であまりよくは見えないが、その淡い灰色の瞳はこの言葉が冗談ではないことを語っている。
ソルデア王の肩越しにセシリアが見たものは、味方だと思って油断していたギルア騎士とリューク騎士を背後から狙い撃ちして、何本もの剣でその体を突き刺しているナイメール公国の近衛兵たちだった。
「・・・・・なんて・・ことを・・・!!!??」
セシリアの口から漏れたのは、驚愕のことばだった。どうして友好国であるナイメール公国の兵士が、王国の騎士達を攻撃するのか、サクラには理解できなかったからだ。
ソルデア王が懐に隠してあった短剣を持ち出して、セシリアに向ける。その短剣が月の光に照らされて反射してセシリアの視界を奪う。咄嗟に短剣を避けようとしたが、レンブレント王に掴まれた右腕が痛んで思うように動けない。
短剣の切っ先が、のどに近づいてくるのがわかる。もう避けられない!!!!
「いやぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
お堅い公爵様に求婚されたら、溺愛生活が始まりました
群青みどり
恋愛
国に死ぬまで搾取される聖女になるのが嫌で実力を隠していたアイリスは、周囲から無能だと虐げられてきた。
どれだけ酷い目に遭おうが強い精神力で乗り越えてきたアイリスの安らぎの時間は、若き公爵のセピアが神殿に訪れた時だった。
そんなある日、セピアが敵と対峙した時にたまたま近くにいたアイリスは巻き込まれて怪我を負い、気絶してしまう。目が覚めると、顔に傷痕が残ってしまったということで、セピアと婚約を結ばれていた!
「どうか怪我を負わせた責任をとって君と結婚させてほしい」
こんな怪我、聖女の力ですぐ治せるけれど……本物の聖女だとバレたくない!
このまま正体バレして国に搾取される人生を送るか、他の方法を探して婚約破棄をするか。
婚約破棄に向けて悩むアイリスだったが、罪悪感から求婚してきたはずのセピアの溺愛っぷりがすごくて⁉︎
「ずっと、どうやってこの神殿から君を攫おうかと考えていた」
麗しの公爵様は、今日も聖女にしか見せない笑顔を浮かべる──
※タイトル変更しました
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
召喚聖女に嫌われた召喚娘
ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。
どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。
【完結】たれ耳うさぎの伯爵令嬢は、王宮魔術師様のお気に入り
楠結衣
恋愛
華やかな卒業パーティーのホール、一人ため息を飲み込むソフィア。
たれ耳うさぎ獣人であり、伯爵家令嬢のソフィアは、学園の噂に悩まされていた。
婚約者のアレックスは、聖女と呼ばれる美少女と婚約をするという。そんな中、見せつけるように、揃いの色のドレスを身につけた聖女がアレックスにエスコートされてやってくる。
しかし、ソフィアがアレックスに対して不満を言うことはなかった。
なぜなら、アレックスが聖女と結婚を誓う魔術を使っているのを偶然見てしまったから。
せめて、婚約破棄される瞬間は、アレックスのお気に入りだったたれ耳が、可愛く見えるように願うソフィア。
「ソフィーの耳は、ふわふわで気持ちいいね」
「ソフィーはどれだけ僕を夢中にさせたいのかな……」
かつて掛けられた甘い言葉の数々が、ソフィアの胸を締め付ける。
執着していたアレックスの真意とは?ソフィアの初恋の行方は?!
見た目に自信のない伯爵令嬢と、伯爵令嬢のたれ耳をこよなく愛する見た目は余裕のある大人、中身はちょっぴり変態な先生兼、王宮魔術師の溺愛ハッピーエンドストーリーです。
*全16話+番外編の予定です
*あまあです(ざまあはありません)
*2023.2.9ホットランキング4位 ありがとうございます♪
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
私は、聖女っていう柄じゃない
蝋梅
恋愛
夜勤明け、お風呂上がりに愚痴れば床が抜けた。
いや、マンションでそれはない。聖女様とか寒気がはしる呼ばれ方も気になるけど、とりあえず一番の鳥肌の元を消したい。私は、弦も矢もない弓を掴んだ。
20〜番外編としてその後が続きます。気に入って頂けましたら幸いです。
読んで下さり、ありがとうございました(*^^*)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる