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イケメン デュークと出会う
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私の異世界での就職活動は、結果的には惨敗だった。
2メートルの巨体ではさすがに町に降りると怖がられてしまうので、レオールには小さい犬サイズになってもらい町を案内してもらう。守護獣は獣の姿の時は人にも見えるらしい。ただ話ができるのが聖女だけというだけで・・・。なのでレオールは現在、日本の黒豆芝の姿になってもらった。
(これは私の趣味で・・・うへへ。ずっと黒豆芝、飼いたかったんだ)
町は比較的清潔で活気もあって、まるで大学の卒業旅行に行った中世のヨーロッパのような町並みだった。浮かれて職業案内所に入り、今日一日でもう5つも面接を受けたがどれも不採用。そりゃそうだよね。紹介状も無い身元も良く分からない人物を雇おうなんて人はそうもいないだろう。
私ってば日本でも異世界でもダメ人間なんだ・・・うぅぅ・・なんてね!!
こんなことで諦めてちゃ何百社の不採用通知を乗り越えてきた私の女が廃る。かくなる上はある物はなんでも使おうお涙作戦だ。私は豆芝に・・・・いやレオールに作戦を授けた。
私の作戦はこうだ。大通りに出て金持ちそうな馬車が通ったらレオールがその前に飛び出して、怪我をした振りをする。そこに涙ながらに私が出て行って、病院に連れて行くお金がないと泣く。仕事さえ見つかればレオールを病院に連れて行けるのに・・よよよ・・・。
これにいたく感動した馬車に乗ったお金持ちのおじ様が、私にお屋敷の仕事を世話してくれる。この作戦のキモは、いかに同情を引くかだ。私の妙に派手なワンピースと10センチヒールに気づかれないように、スライディング土下座張りにレオールに駆けつけよう。犯罪すれすれだが、お金を貰うわけじゃない仕事を貰うわけだから構わないだろう。そろそろ陽が落ちかけて暗くなってきたから、うまくいくに違いない!!
「ユリカ。本当に守護獣のわしにこんなことをさせるのか?宝石はいらないのか?」
レオールは今朝から事あるごとに、私に宝石を勧める。私は小さいサイズになって見下ろす形になった、黒豆芝・・・いやレオールを見下ろして史上最強にぞんざいに言い放った。
「しつこい。宝石はいらない。仕事が欲しいの。あなた私のガイドでしょう?レオールの演技力にもかかってるんだから宜しくね。これがうまくいったら3つのお願いしてあげてもいいから、頑張るのよ!!」
「・・・・!!!わ・わかった・・。善処する」
早速、大通りに面した路肩で、私はレオールを腕の中に抱っこしながら、お目当ての馬車を探す。おあつらえ向きに白色に金色の豪華な装飾をした馬車がこっちに向かってやってきた。私は小さい声でレオールに囁く。
「この馬車にしましょう。早くしないとまた野宿になっちゃう」
まあ野宿もレオールがいれば、何の問題も無いのだけれどね。だって護衛的にも安心だし、宿の代わりとしても完璧だ。あの金色の柔らかい毛。もふもふ。ぐふぅ。あれは癖になりそうだわ・・・。そう考えているうちに、その瞬間がきた!!
黒豆芝・・・もといレオールが馬車の前に飛び込み、2頭の馬が前足を大きく振り上げて突然その歩みを止める。そこに私が待ってましたのスライディングをかまし、豆芝を両腕にかき抱く。レオールはうまく死にそうな振りをしてくれている。よしよし。計画どおりだ!!
そこに馬車から、お金持ちのおじ様が降り・・・あれっ?訂正。そこに馬車から、お金持ちの超絶イケメン男子が降りてきた。
「大丈夫ですか?」
もうテンプレのイケメンだわね。輝くような金色の髪にターコイズブルーの眼、その引き締った体つきは服の上からでも、ちょうどいい筋肉がついていることが予測できる。しかも口を開けば、ものすごい甘い声で普通の女の子なら、腰を抜かして絶叫するレベルのテンプレイケメン。
私?私はイケメンには興味が無い。 というかお近づきになりたくすらない。なぜかというと、私の元彼も俗に言うイケメンだった。
身長は182センチの長身で、しかもその流れるようなストレートの黒髪に整った顔立ち。柔らかい身のこなし。実際、学生の時にモデルをしていた時期もあったらしい程の正統派イケメン。けれども奴はその柔和な顔に似合わず中身はドSの悪魔だったのだ。
あんな男に花の盛りの一番いい時期を4年も捧げてしまったことには、いまだ後悔してもし足りない。そのトラウマから、私はこの世のイケメンにはちっとも心を動かさない女になった。
イケメン、怖い。イケメン、怖い・・・。ぶるぶる・・・。
何とか気を取り直して、あらかじめ考えてあった台詞を言う。
「ああー私のレオール!亡くなった母が残してくれた唯一の犬なのに、死んじゃうなんて!!」
かなり芝居がかった台詞だが、そのくらいのほうが同情を引きやすいだろうと思って必死で考えた。
「私に仕事さえあれば・・・このこを病院に連れて行って上げられるのに・・・」
じとぉっと、金持ちイケメンを見つめる。どうだ!!参ったか!!はやく仕事くれっ!!!
私達の必死の演技にもかかわらず、イケメン様は私達を見つめたまま固まったように動かない。馬を操っていた御者の人が、その様子を見て口を挟む。
「デューク様・・・・」
その声で我に返ったように動き出したイケメン様は、こうおっしゃいました。
「それは大変だ。私の城で手当てをするといい。うちには優秀な獣医がいるから心配しなくていい。さあ、お乗りなさい」
え?まあ、ちょっとシナリオからは逸れているけど、仕事貰えるかも知れないからとりあえずついていってみよう。危ない目に合いそうなら、うちの護衛(レオール)がいるから心配ないし。と、私は何の考えも無しに、馬車にレオールと共に乗り込んだ。
そのときの私は全然気がついていなかった。この城下町のあちこちに刻まれているエンブレムとその同じ紋章のラペルピンを、このお金持ちイケメンがしていた事に・・・・。
2メートルの巨体ではさすがに町に降りると怖がられてしまうので、レオールには小さい犬サイズになってもらい町を案内してもらう。守護獣は獣の姿の時は人にも見えるらしい。ただ話ができるのが聖女だけというだけで・・・。なのでレオールは現在、日本の黒豆芝の姿になってもらった。
(これは私の趣味で・・・うへへ。ずっと黒豆芝、飼いたかったんだ)
町は比較的清潔で活気もあって、まるで大学の卒業旅行に行った中世のヨーロッパのような町並みだった。浮かれて職業案内所に入り、今日一日でもう5つも面接を受けたがどれも不採用。そりゃそうだよね。紹介状も無い身元も良く分からない人物を雇おうなんて人はそうもいないだろう。
私ってば日本でも異世界でもダメ人間なんだ・・・うぅぅ・・なんてね!!
こんなことで諦めてちゃ何百社の不採用通知を乗り越えてきた私の女が廃る。かくなる上はある物はなんでも使おうお涙作戦だ。私は豆芝に・・・・いやレオールに作戦を授けた。
私の作戦はこうだ。大通りに出て金持ちそうな馬車が通ったらレオールがその前に飛び出して、怪我をした振りをする。そこに涙ながらに私が出て行って、病院に連れて行くお金がないと泣く。仕事さえ見つかればレオールを病院に連れて行けるのに・・よよよ・・・。
これにいたく感動した馬車に乗ったお金持ちのおじ様が、私にお屋敷の仕事を世話してくれる。この作戦のキモは、いかに同情を引くかだ。私の妙に派手なワンピースと10センチヒールに気づかれないように、スライディング土下座張りにレオールに駆けつけよう。犯罪すれすれだが、お金を貰うわけじゃない仕事を貰うわけだから構わないだろう。そろそろ陽が落ちかけて暗くなってきたから、うまくいくに違いない!!
「ユリカ。本当に守護獣のわしにこんなことをさせるのか?宝石はいらないのか?」
レオールは今朝から事あるごとに、私に宝石を勧める。私は小さいサイズになって見下ろす形になった、黒豆芝・・・いやレオールを見下ろして史上最強にぞんざいに言い放った。
「しつこい。宝石はいらない。仕事が欲しいの。あなた私のガイドでしょう?レオールの演技力にもかかってるんだから宜しくね。これがうまくいったら3つのお願いしてあげてもいいから、頑張るのよ!!」
「・・・・!!!わ・わかった・・。善処する」
早速、大通りに面した路肩で、私はレオールを腕の中に抱っこしながら、お目当ての馬車を探す。おあつらえ向きに白色に金色の豪華な装飾をした馬車がこっちに向かってやってきた。私は小さい声でレオールに囁く。
「この馬車にしましょう。早くしないとまた野宿になっちゃう」
まあ野宿もレオールがいれば、何の問題も無いのだけれどね。だって護衛的にも安心だし、宿の代わりとしても完璧だ。あの金色の柔らかい毛。もふもふ。ぐふぅ。あれは癖になりそうだわ・・・。そう考えているうちに、その瞬間がきた!!
黒豆芝・・・もといレオールが馬車の前に飛び込み、2頭の馬が前足を大きく振り上げて突然その歩みを止める。そこに私が待ってましたのスライディングをかまし、豆芝を両腕にかき抱く。レオールはうまく死にそうな振りをしてくれている。よしよし。計画どおりだ!!
そこに馬車から、お金持ちのおじ様が降り・・・あれっ?訂正。そこに馬車から、お金持ちの超絶イケメン男子が降りてきた。
「大丈夫ですか?」
もうテンプレのイケメンだわね。輝くような金色の髪にターコイズブルーの眼、その引き締った体つきは服の上からでも、ちょうどいい筋肉がついていることが予測できる。しかも口を開けば、ものすごい甘い声で普通の女の子なら、腰を抜かして絶叫するレベルのテンプレイケメン。
私?私はイケメンには興味が無い。 というかお近づきになりたくすらない。なぜかというと、私の元彼も俗に言うイケメンだった。
身長は182センチの長身で、しかもその流れるようなストレートの黒髪に整った顔立ち。柔らかい身のこなし。実際、学生の時にモデルをしていた時期もあったらしい程の正統派イケメン。けれども奴はその柔和な顔に似合わず中身はドSの悪魔だったのだ。
あんな男に花の盛りの一番いい時期を4年も捧げてしまったことには、いまだ後悔してもし足りない。そのトラウマから、私はこの世のイケメンにはちっとも心を動かさない女になった。
イケメン、怖い。イケメン、怖い・・・。ぶるぶる・・・。
何とか気を取り直して、あらかじめ考えてあった台詞を言う。
「ああー私のレオール!亡くなった母が残してくれた唯一の犬なのに、死んじゃうなんて!!」
かなり芝居がかった台詞だが、そのくらいのほうが同情を引きやすいだろうと思って必死で考えた。
「私に仕事さえあれば・・・このこを病院に連れて行って上げられるのに・・・」
じとぉっと、金持ちイケメンを見つめる。どうだ!!参ったか!!はやく仕事くれっ!!!
私達の必死の演技にもかかわらず、イケメン様は私達を見つめたまま固まったように動かない。馬を操っていた御者の人が、その様子を見て口を挟む。
「デューク様・・・・」
その声で我に返ったように動き出したイケメン様は、こうおっしゃいました。
「それは大変だ。私の城で手当てをするといい。うちには優秀な獣医がいるから心配しなくていい。さあ、お乗りなさい」
え?まあ、ちょっとシナリオからは逸れているけど、仕事貰えるかも知れないからとりあえずついていってみよう。危ない目に合いそうなら、うちの護衛(レオール)がいるから心配ないし。と、私は何の考えも無しに、馬車にレオールと共に乗り込んだ。
そのときの私は全然気がついていなかった。この城下町のあちこちに刻まれているエンブレムとその同じ紋章のラペルピンを、このお金持ちイケメンがしていた事に・・・・。
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