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デューク王の考察 1
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私はボッシュ王国の王だ。
10年前父王が戦死してから内政の膿をだし、反抗するものは粛清してこの国の実権を握った。それからは近隣の諸国をしらみつぶしに制圧していった。最初は間諜を使い国の内情を探った。その情報からその国の王や側近の性格分析をし、その上で地理、財源、戦力などありとあらゆる要素を計算し尽くして制圧を開始する。
その結果、わが王国の領土は加速的に増えていった。
誰もが私の思うままに面白いように動いていった。はじめは面白かったが、あまりにも皆わたしの策にはまり、わが国に侵略されていくうちに退屈になってきた。
誰でもいい。私を楽しませる奴はいないのか?
今では私に反抗するものすらいなくなった。これでは面白くない。いつでも王を襲撃できるように、移動中でも最低限の近衛兵しか連れずにいるというのに、誰も襲撃しようとしない。
ああ、誰かこの退屈から私を救ってくれ。そうだ私の隣に座って笑っているこのアホ娘を、結婚式の日に殺してブレダ王国に送り返してやろう。戦争になるだろうが、もうあの国の内情は知り尽くしている。王に対立する勢力のものとはもう接触も済ませた。兵の間にもゆっくりと効く毒を毎日仕込んでいる。
まあ一時くらいは退屈しのぎになるだろう。楽しみだ。
そう思ったとき突然馬車が止まった。キャビンが激しく揺れたので、防御魔法を使って体を衝撃から守った。襲撃を期待して馬車を降りると、そこには汚い格好をした女が黒い犬にしがみつくようにして地面に座り込んでいた。
さてこの女は私をどのくらいの間、楽しませてくれるのだろうか?近衛兵には私が合図を出すまで手を出すなといつも指示しているから、今は静観しているのだろう。
自然と笑みがこぼれる。
「大丈夫ですか?」
派手で安っぽいドレスだな。羽織っている服もお粗末で汚れている。足元を見るとかなり高いヒールのある靴を履いているのが見える。その靴にでも凶器を隠しているのだろうか?
「ああー私のレオール!亡くなった母が残してくれた唯一の犬なのに、死んじゃうなんて!!」
なんだこりゃ大衆劇場でもこの女よりましな演技をするだろう。こいつは刺客ではなくて私自身が目的なのか?
デュークはその眉目秀麗な顔立ちと、その地位と権力によって言い寄ってくる女性が絶え間なかった。
「私に仕事さえあれば・・・このこを病院に連れて行って上げられるのに・・・」
女は未だに滑稽な演技を続けている。
また、この手合いかと思い落胆した瞬間、目に入ったのはその女の腕の中にいる犬だった。私には一目で分かった。これが守護獣であるということを・・・。しかもこの聖力の大きさからみるにおそらく5大エレメント系の守護獣だ。なんてことだ、初めて見た。
ボッシュ国は聖女の召喚を推奨している。聖女が扱える守護獣の力は戦争において多大なる功績をもたらすからだ。だから私は守護獣については、かなり研究をした。だが守護獣はかなり気まぐれで、聖女が頼んだことを遂行しないこともあった。
地、水、火、風、空の5大エレメントの守護獣は、何十年かに一度くらいの割合でしか聖女の前に姿を現さない本当にレアな精霊だ。その守護獣が今、私の目の前にいるのだ。
守護獣は自分で姿を自由自在に変えられるそうだが、プライドが高く聖女が頼んだとしてもおいそれと姿を変えることはしないだろう。しかもこんな貧相な黒い犬に変化するなんて、よほどこの聖女を気に入っているのだと思った。
面白い。どんなことをしてもこの聖女と守護獣を城に引き入れよう。私は、彼らと一緒に馬車で城に行くことを了承させた。
10年前父王が戦死してから内政の膿をだし、反抗するものは粛清してこの国の実権を握った。それからは近隣の諸国をしらみつぶしに制圧していった。最初は間諜を使い国の内情を探った。その情報からその国の王や側近の性格分析をし、その上で地理、財源、戦力などありとあらゆる要素を計算し尽くして制圧を開始する。
その結果、わが王国の領土は加速的に増えていった。
誰もが私の思うままに面白いように動いていった。はじめは面白かったが、あまりにも皆わたしの策にはまり、わが国に侵略されていくうちに退屈になってきた。
誰でもいい。私を楽しませる奴はいないのか?
今では私に反抗するものすらいなくなった。これでは面白くない。いつでも王を襲撃できるように、移動中でも最低限の近衛兵しか連れずにいるというのに、誰も襲撃しようとしない。
ああ、誰かこの退屈から私を救ってくれ。そうだ私の隣に座って笑っているこのアホ娘を、結婚式の日に殺してブレダ王国に送り返してやろう。戦争になるだろうが、もうあの国の内情は知り尽くしている。王に対立する勢力のものとはもう接触も済ませた。兵の間にもゆっくりと効く毒を毎日仕込んでいる。
まあ一時くらいは退屈しのぎになるだろう。楽しみだ。
そう思ったとき突然馬車が止まった。キャビンが激しく揺れたので、防御魔法を使って体を衝撃から守った。襲撃を期待して馬車を降りると、そこには汚い格好をした女が黒い犬にしがみつくようにして地面に座り込んでいた。
さてこの女は私をどのくらいの間、楽しませてくれるのだろうか?近衛兵には私が合図を出すまで手を出すなといつも指示しているから、今は静観しているのだろう。
自然と笑みがこぼれる。
「大丈夫ですか?」
派手で安っぽいドレスだな。羽織っている服もお粗末で汚れている。足元を見るとかなり高いヒールのある靴を履いているのが見える。その靴にでも凶器を隠しているのだろうか?
「ああー私のレオール!亡くなった母が残してくれた唯一の犬なのに、死んじゃうなんて!!」
なんだこりゃ大衆劇場でもこの女よりましな演技をするだろう。こいつは刺客ではなくて私自身が目的なのか?
デュークはその眉目秀麗な顔立ちと、その地位と権力によって言い寄ってくる女性が絶え間なかった。
「私に仕事さえあれば・・・このこを病院に連れて行って上げられるのに・・・」
女は未だに滑稽な演技を続けている。
また、この手合いかと思い落胆した瞬間、目に入ったのはその女の腕の中にいる犬だった。私には一目で分かった。これが守護獣であるということを・・・。しかもこの聖力の大きさからみるにおそらく5大エレメント系の守護獣だ。なんてことだ、初めて見た。
ボッシュ国は聖女の召喚を推奨している。聖女が扱える守護獣の力は戦争において多大なる功績をもたらすからだ。だから私は守護獣については、かなり研究をした。だが守護獣はかなり気まぐれで、聖女が頼んだことを遂行しないこともあった。
地、水、火、風、空の5大エレメントの守護獣は、何十年かに一度くらいの割合でしか聖女の前に姿を現さない本当にレアな精霊だ。その守護獣が今、私の目の前にいるのだ。
守護獣は自分で姿を自由自在に変えられるそうだが、プライドが高く聖女が頼んだとしてもおいそれと姿を変えることはしないだろう。しかもこんな貧相な黒い犬に変化するなんて、よほどこの聖女を気に入っているのだと思った。
面白い。どんなことをしてもこの聖女と守護獣を城に引き入れよう。私は、彼らと一緒に馬車で城に行くことを了承させた。
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