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番外編

初夜編 ドナルド お仕置き編 

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目を覚ますともう窓の外は白ずんできていた。もう朝が近いのだ。ふとリリアの体の近くにある大きな影に目をやると、そこには昨夜最後に見たまま一ミリたりとも動いていない姿でベットの上に正座し続けているドナルドがいた。

「ドナルド・・・・?」

「リリア・・・良かった。目が覚めたのか」

そういって金色の巻き毛を揺らせながら爽やかな笑顔でリリアに笑いかける。だがその恰好はとても情けないものだった。ズボンは膝までおろされていて、下半身を露出させたままだ。上半身といえば前を全てはだけて、そのたくましい筋肉をさらけ出している。リリアを見て、元気なく垂れさがっていたドナルドのイチモツがビクンと動いたのをリリアは見逃さなかった。

(本当に言われたまま、ずっと同じ格好でいたのね。せめてパンツくらいは上げても良かったのに!!!)

「ドナルド。貴方ずっと起きていたの?」

「リリアに座れと言われていたからな。でも心配しなくてもいい。戦争に行けば何日も眠らない事はよくある。それよりリリアの体は大丈夫なのか?俺はそれが心配でどうせ眠るどころじゃなかった。あの・・・もう動いてもいいんだったら、俺がその手錠を外すんだが・・・もう・・いいか?」

(本当に犬みたいな人ね。私が動いていいっていうまで本当に動かないなんて、可愛らしいひとだわ)

ドナルドの様子にすっかり毒気を抜かれたリリアは、にっこりと笑ってこういった。

「もう動いていいわよ。ドナルド」

すると顔をぱあっ・・っと輝かせるように笑ったドナルドは、早速リリアの手錠を素手で引きちぎった。鎖がバラバラになってベットのシーツの上にこぼれていく。

「ああ・・・せっかく苦労して手に入れたのに・・・」

思わずその欠片を見て、言葉がついて出た。ドナルドが本当に申し訳なさそうな目でリリアを見ながら言った。

「すまない・・・。今度同じものをプレゼントするから、許してくれ」

「必要ないわ。だってそんなことじゃあ許さないもの」

わざと冷たい口調で言い放つと、ドナルドがこの世の終わりのような顔をして叫んだ。

「じゃ・・じゃあ・・・もしかして俺と離縁するとか・・・それだけは勘弁してくれ!!」

ドナルドは気が動転して顔色が真っ青になっている。

「違うわよ、馬鹿ね・・・お仕置きよ!!そうね・・・こういうのはどう?」

リリアは嗜虐心に溢れた支配者のような顔をして、身を縮こまらせているドナルドに向かって言った。

「貴方は絶対に動いちゃ駄目よ。何があってもそのままの格好で動かないの。目も閉じちゃ駄目よ」

「なんだ・・・そんなことでいいのか。分かったリリア、さっきの続きだな。俺は絶対に動かない。約束する!!」

そういってドナルドはベットの上に座り込んだまま、これでどうだと言わんばかりに微動だにしなくなった。その様子を見てリリアが満足そうな満面の笑みを浮かべると、裸のままベットに横たわった。

手首についている手錠の兎の白い毛だけをまとって、艶めかしい肢体をシーツの上に投げ出すリリアの姿は物凄くエロかった。銀色の髪が形のいい乳房に絡みついてベットの上まで垂れさがっている。

そうしてリリアは指の先を桜色の唇をひらいて舌で舐めつけて唾液で濡らすと、その手を自分の股の敏感な部分にあてがった。ドナルドが舐めてくれた時に背中に電気が走ったように気持ちが良くなるその突起を、自分で探り当てて撫でつける。

「うふぅっ・・・・」

いつの間にかドナルドのイチモツは天を向いて屹立し、その容量を増し続けていた。それをリリアは狙ってやっているのだから、そうなるのも当然だ。

反対の指で自分の乳首を弄ぶ。身体が自然に快感に揺れて唇が半開きになる。そこから官能の声が漏れ出てきて、その様子をドナルドが見ていると思うだけで股の間がきゅんとなる。

「はぁぁんっ・・・・ふぅっ・・・」

ドナルドの方に目をやると案の定、完璧に興奮しきって熱っぽい目をしたまま、頬を赤くしてリリアの様子を身じろぎもせずに観察していた。

「う・・・んっ・・・・」

快感に腰をねじらせると、同時に乳房もたゆんと揺れる。

「あ・・・ン・・気持ち・・いっ・・あっ・・・!」

段々と快感の渦に飲み込まれてきたリリアは、自分で自分の快感を引き出すことに夢中になっていた。足の指が快感でピンとのばされ、押し寄せる波のような快感が徐々に激しさを増してきたのを感じた。おそらくもうそろそろでアレが来るはずだ。リリアは直感した。

ベットの上で白い弾力のある艶やかな肌を上下に揺らせながら、その瞬間を待つ。体中が熱くなって訳が分からなくなるまでに乱れているリリアは、突然嬌声を上げて体中を痙攣させるように震わせた。

「あああああああんっ!!!」

汗で銀色の髪が肌に張り付いている。その肌は快感に紅く染まり、リリアは体全体をのけぞらせたかと思うとベットに沈みこませた。

「はあっ・・・・はあっ・・・」

荒い息が続く。初めて一人エッチを経験したリリアは、その快感もさることながらドナルドに見られながらその行為を行う事の背徳感も相成って、最高のエクスタシーを得ていた。

徐々に呼吸が緩やかになり荒い息の音も聞こえなくなったかと思ったら、いまだに興奮した誰かの呼吸の音が耳に入ってくる。

「はあっ・・・・はあっ・・・」

それがドナルドの呼吸だと気が付いて目をやると、ドナルドは真っ赤な顔をして目を潤ませながら、いまだに言われたままの体勢で座っていた。だが股の間に目をやると、どう考えても精を放出した跡を残している彼のモノがそそり立っていた。

「動かないでっていったわよね・・・」

リリアは上半身を起こしながら、ドナルドの傍に寄る。

「はあっ・・・う・・・動いていない!ほっ・・・本当だ!!」

息も絶え絶えに涙目で訴えてくるドナルドを見て、これ以上いじめるのはやめようと思ったリリアは、そのままドナルドの前に体を寄せて、まずはキスをした。唇の中に舌を割り入れて中を凌辱する。

「んんんっ・・・んん・・・」

ドナルドはまだリリアの言いつけを守ってるようで、舌も動かさないように我慢しているらしい。その様子を見て更に気分を良くしたリリアは、ここぞとばかりにドナルドの口内を弄んだ。ときどき胸の筋肉がぴくりと反応しているには気が付いていたが、知らないふりをしてあげた。

ぐちゅりぐちゅりと唾液の絡まる音がするが、ドナルドは唾液を飲み込むことすらできないので、口の端から透明な粘ついた液体をだらしなく垂らしたままだ。

口内を思う存分凌辱している間、両手の指でドナルドの胸の突起を弄ぶ。右胸についている自身がつけた歯形を指でなぞっては、その中心のぷっくりと膨れている突起をつまんでは撫でつける。

「うっ・・・・・・!」

リリアの口の中にドナルドの堪らないといったかすれた声が響く。もうその時点ではドナルドは我慢の限界がきているようで、体中の筋肉がピクン・・・ピクンと上下しているのが肌を通して感じられる。

「可愛い・・・ドナルド。大好きよ・・でも、もう少し我慢してね・・・」

究極に焦らされながら、それでも耐えているさまを見るのは心地よかった。ドナルドを支配しているといった感覚に酔いしれる。

リリアはそのまま唇を放すと、その下方に頭をやる。大きくはち切れんばかりになったソレをまずは観察すると、皮膚がはち切れんばかりに薄くなって血管が透き通っているのが見えた。ふうっと息をかけると、触れてもいないのにピクリと棒が揺れる。

そのままの体勢でドナルドの顔を見る。ドナルドはリリアがしようとしていることを知っている。だから今か今かと期待に満ちた気持ちと、また焦らさるのではないかという恐怖が混じった表情を浮かべていた。

まずはそうっと舌の先を出してみた。するとドナルドは小さい声を漏らして再びモノが揺れる。それが面白くてリリアはもっと焦らしてやりたいと、意地悪な気持ちになった。すぐに舌を引っ込めると、ドナルドが最高に情けない表情をして絞り出すように言った。

「リリア・・・お願いだ・・・頼む・・・」

あまりに情けない顔をして言うものだから、リリアは思い切ってモノを一気に口の中に含んだ。ゼリーと愛液と精液の混じった妙な味が口の中に広がる。舌を使ってありとあらゆる場所を責め立てて、一番いい場所を探す。

あまりにドナルドのモノが大きいので、すぐに唾液で口の周りが濡れそぼった。ぐちゅりぐちゅりと唾液が空気と絡んで音を立てる。全部を口の中に含むのは無理なので、舌で要所要所を責め立てる作戦に変更した。先っぽの窪みが一番感じるらしく、太腿の筋肉がそこを責める度に緊張してピクリと動く。

一生懸命に熱いモノを舐めながら顔を見上げると、ドナルドは先程飲み切れなかった分のリリアの唾液を口の端から垂らして、切なさそうな顔をしてリリアを見下ろしている。目が合うと最高の快感に酔った声でこういった。

「愛している、リリア・・・うあっ!!!」

そういうと同時に達したようだ。モノが大きく上下し始めて口の中に精が放たれた。しばらくすると長く痙攣を繰り返していたモノが、その快楽を全て味わいつくして次第に動かなくなってきた。そこでリリアはようやく口を離して体を起こした。口の中に苦くて男臭いドロドロした液体が入ったままだ。

「リリア・・・もう、動いていいか?」

いまだに情けない顔でお伺いを立ててくるドナルドに向かって、まだ駄目だとはリリアには到底言えなかった。もう動いていいと伝えたいのだが、口の中が一杯で話すことができない。

緑がかった青い目は潤んでいて、切なさそうにリリアを見たまま目を離さない。リリアは覚悟して口内の液体を飲み込むことにした。一気に舌を寄せて喉の奥に流し込む。

(うっ・・・お・・おいしくない・・腐ったミルクの味だわ・・・)

口内の気持ちの悪い後味に耐えながら出来るだけ平静を装いドナルドを見ると、何故か感動している様だ。目をキラキラ光らせ体全体で喜びを表現している。

「な・・・何・・?」

「リリア!!いま俺のモノを飲んでくれたんだな!ありがとう!リリア!!」

いまにも抱き着きたいのにお許しが出ないので抱き着けないといった風に、そわそわ全身を震わせて落ち着きがない。目を輝かせて全身でリリアを求めているドナルドを見て、リリアは大きくため息をついてからこう言った。

「もういいわよ・・・動いてもいいわ。これで昨夜の事は許してあげ・・・・」

そう言い切るかどうかの瞬間、衝撃が体全体を覆った。ドナルドが抱き着いてきたのだ。一心不乱に抱き着いてくるものだから、体がきしむ。文句でも言ってやろうかと思ってドナルドの顔の位置を仰ぎ見たら、顎のあたりから透明な水の粒が落ちてきた。

それが涙であることに気が付いたリリアは、文句を言おうにも言えなくなって黙り込んだ。

「愛している・・!!もう一生離さない!!」

(ドナルドったら・・・本当にスマートな紳士とは程遠いわね。不器用なんだから。まあ、そんなところが可愛いんだけどもね)

リリアはドナルドの背中に手を回して、かすかに震えている背中を撫でた。


 《 番外編 初夜編 エンドです 》

ヤッているだけの場面に20000字を費やしました。こういうの読者さんはどう思われるのでしょうか?番外編だから書いてみたけど、私個人としてはコレだけの物語はどうも苦手です。やっぱりエッチはシュチュエーションで燃えるでしょう?この人私が好きなの?だから私を求めてくるの?ていう系。不倫は嫌いなので、恋愛でそういう状況に持っていくのが全体の作品目標です。

ただただエロいだけの初夜編。お楽しみいただけたでしょうか?

次はもう少し騎士英団員も出したいですね。ケビンのその後も気になります。基本男ばかりの騎士団員は大好物です。制服フェチです。七人の英団員たちを新選組風に出してきたいですね。はい作者の好み丸出しです。

それで最後は再びドナルドのお仕置き編で閉めます。本編に出てきたイきたいのにイかせてくれないお仕置きエッチを書かないと、完結したことになりません。リリアを最高に怒らせようと思います。なんだか、長編になって第二弾になりそうだな。それもいいかも・・・。男同士の友情とか信頼とかいいよね。

騎士団の汗臭い感じがより良いです。ぐっとくるなぁ。

気長にお待ちいただければ幸いです。

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みんなの感想(24件)

ジール
2018.04.09 ジール

書籍化、おめでとうございます!
好きな作品なので嬉しいです!

これからも応援しています!

南 玲子
2018.04.10 南 玲子

ありがとうございます。
でも書籍化にあたり、内容がかなり変わっています。
TLよりになりました。あの下品な攻防戦が良かったのですが、上品な攻防戦になっています。(笑)
脳筋の絶倫団長が、処女のドSに振り回されて、彼女以外たたなくなるという設定。
懐かしいですね。
もったいないので、違うシュチュエーションで同じようなキャラを書いてもいいなと思っています。
あまりおんなじだとあれなので、絶倫王子がドS処女の侍女に振り回される。
おおおおお、何かイメージ湧いてきました。
なんかすぐかけそうな気がする。だってあの変態エッチ一度書いているもの……
ちょっと試してみよっと。
ありがとうございます。創作意欲が湧きました。
とはいえ書籍のほうも買ってくださいね。
テンプレのTLを打ち破る感じのエッチに仕上がったと思います。
TLの流されてすぐ純潔を奪われる女は好きではありません。
嫌だったら必死で抵抗せんかい!会ったばっかりで、処女を捧げるな!
一回無理やりされているのに、どうして二回目も二人きりの状況になるんだ!!
おばさんはそう思うわけです。
長々と書きましたが、感想有難うございます。
うれしいです。

解除
美織
2017.10.02 美織

違和感感じて最初から読み直したらもつれにもつれるでドナルドはゲリクセン侯爵家になっていますけどドナルドの大失恋では伯爵家になってます
どちらですか?

南 玲子
2018.02.16 南 玲子

ううん。伯爵家にしてください。
申し訳ありません。
これって二週間で構想から勢いで書いたものです。
ただただ川で裸の女の子が見初められるシーンが書きたかっただけです。
それと興味津々の処女に、百戦錬磨の男がオロオロするのを書きたかった。私の妄想が詰まったものです。

返事が遅くなって申し訳ありません。
長らくサイトにログインしていませんでした。
感想、ありがとうございました。

解除
華虎
2017.07.23 華虎

最高の作品です\(^o^)/これからの二人&etsみたいです(*^O^*)

南 玲子
2017.07.24 南 玲子

有難うございます!!
この作品に今頃感想が付くなんて思ってもみませんでした。
嬉しいです。
結ばれてからの話がないので、今後も書きたいですが今の作品を終らせないことには同時に書くことは不可能なんです。主人公の性格とかが違うので・・・。
でも褒めてくださって嬉しいことこの上ないです。
ありがとうございました。

解除
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