最弱の少年は、最強の少女のために剣を振る

白猫

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プロローグ

プロローグ 1

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「うう、眩しい」
カーテンの間から差し込む光で目を覚まし、周囲を確認。そして、そのまま一度部屋からでて両隣と迎えの部屋の寮生がまだ起きていない事を確認し、もう一度戻る。
 そして、私のベッドの隣に布団を敷いて寝ている幼馴染みを起こさないように注意しながら、そっとその布団に潜り込む。
(はぁ~。この時こそが至福の時間ってやつだよ~)
体全体をぴったりとくっつけ、後ろからしがみつくような体勢になる。目の前の首筋からは、男とは思えない程の甘くて良いにおいが鼻に入ってくる。
そのままの状態で数分。突然レイが動き出した。
「う、ぅん……ティナァ?」
「ひゃ、ひゃいぃぃ!」
 レイが寝返りを打ち、向かい合うような形になってしまった。
 ほぼ起きることはないと分かっていても、こんなことをやっているとばれたら失望されるのではないか、という緊張でびっくりしてしまう。
(でも、こうしてないと、私、おかしくなっちゃうよ)
それが、本心だった。回数は少ないが、この国での最高階級である『ソードマスター』というクラスについているからには、人手が足りなくなれば戦場に派遣されることがある。そして、戦場に出る事があると言うことは、死ぬ可能性があるということだ。先週も、私の目の前で一人、殺された。
 だから、こうしていないと、自分が自分じゃなくなる気がして、毎朝、本人にもバレないようにこんな事をしているのだ。それなら、いっそ本人に頼めばいいじゃないか。と思う人が大多数だろう。でも、それが出来ないから、この現状がある。これはもう、レイの性格や家柄の関係になってしまうのだが……。
「ねぇ、怖いよレイ。また、あの時みたいに助けて……」
 そう声が漏れてしまった瞬間、レイに抱き寄せられた。
「ふぁ!?」
 突然のこと過ぎて、理解が追いつかない。
「え?あ、あの、ちょっと、レイ?」
 レイが寝ているということも忘れて声をかけてしまった。
 最近は、レイに甘える事ができなかった事もあって、こんな風にレイの胸にすっぽりと収まる事ができなかったので、すごく懐かしく感じた。
 だが、考える余裕ができてしまったことで、一つの失敗に気付いてしまった。時間と、もう一つのあることを確認しようと上を向くと、バッチリレイと目が合ってしまった。
「ふわぁ、ん?ティナ、何でお前、俺の布団に……」 
 レイの、そんな純粋な言葉によって、私、ティナリア・ヴィル・オルセリアの至福しふくの時間は終わりを告げた。
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