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古代遺跡の出来事
第六話 セーナと沙更
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月の魔女とよばれるまで
第六話 セーナと沙更
魔方陣がマナバーストで、自衛をしてすぐ。
セーナは意識を失っていた。魔力も枯渇し、相当危険な状態に陥った。
精神も両親を殺された事で、ボロボロであったのも悪い方に出てしまう。生きる気力すら失われているのだから。
そこに、魔方陣に込められた魔力が活性化する。魔力を注ぎ込んだセーナを守るかのように。
真紅に染まった魔方陣の色が透き通った水色に変化する。それは、扱う魔法が変更された証。
水色、それは古代に失われた空間魔法の発動のしるし。
魔方陣が輝くと同時に、一人の魂が呼び寄せられる。
更科沙更(さらしなささら)元、地球と言う異世界に居た魂。中学になる前には天涯孤独になった娘であり、それでも頑張って勉強して公立大学に入ったが交通事故で亡くなっていた。
そんな沙更に、話しかける意思があった。魔方陣が水色になったと同時に、魔方陣に込められていた古代の機構が動き出したようだ。
「お初にお目にかかる。この魔方陣に込められた残存意識のエーベルと言う者だ」
「エーベルさんですか?私は、どうしてここに?」
「彼女の魂を救うためだよ。セーナと言ったかな。あの月女神の復活の生け贄にされた彼女をね」
実際魔力が枯渇し、精神も壊れてしまっている状態で待つのは死だけだ。
「それだとしても、何故私なんです?」
「君の魂とセーナの魂は補完関係にある。君が異世界で不幸だったのも、魂が不完全だったからと言っても信じてはもらえぬだろう。なので、ここは単純に彼女を助けてやってもらえないだろうか?」
「どうしてとかは聞かないことにします。それは、多分聞かない方が良いのでしょう」
「聡いと言うべきだろう。聞いたらかなり長くなる。この私が生きていた頃まで遡らねばならない。そして、この世界に関しての説明をすることになっただろうから」
「この世界の古代の話をされたとして、理解出来るかと言われれば厳しいと思います。それにしても、疑問なのはエーベルさんの言葉が日本語に聞こえることです。もしかして言語理解のスキルとか持っていたりするんでしょうか?」
沙更の問いにエーベルが首を振る。
「いや、私の言葉が君に分かりやすいように使っていた言語に直して伝えている。確かに、沙更がこれから生きていくのに読み書きは必要だろう。後で、付与しておくとしよう」
沙更の問いに、エーベルが理解を示す。残存意識よりもより高度な存在なのかも知れないと思う。ホログラムにしては、意思がはっきりしている上に疑問にさえ答えてくれるのだから。
「さて、話を続けたいがそうするとセーナがもう持たないだろう」
「えっと、どうすれば?」
「君がセーナの身体に触れれば良い。後は、セーナがやってくれる」
エーベルはそう言って、セーナの身体を指し示した。
第六話 セーナと沙更
魔方陣がマナバーストで、自衛をしてすぐ。
セーナは意識を失っていた。魔力も枯渇し、相当危険な状態に陥った。
精神も両親を殺された事で、ボロボロであったのも悪い方に出てしまう。生きる気力すら失われているのだから。
そこに、魔方陣に込められた魔力が活性化する。魔力を注ぎ込んだセーナを守るかのように。
真紅に染まった魔方陣の色が透き通った水色に変化する。それは、扱う魔法が変更された証。
水色、それは古代に失われた空間魔法の発動のしるし。
魔方陣が輝くと同時に、一人の魂が呼び寄せられる。
更科沙更(さらしなささら)元、地球と言う異世界に居た魂。中学になる前には天涯孤独になった娘であり、それでも頑張って勉強して公立大学に入ったが交通事故で亡くなっていた。
そんな沙更に、話しかける意思があった。魔方陣が水色になったと同時に、魔方陣に込められていた古代の機構が動き出したようだ。
「お初にお目にかかる。この魔方陣に込められた残存意識のエーベルと言う者だ」
「エーベルさんですか?私は、どうしてここに?」
「彼女の魂を救うためだよ。セーナと言ったかな。あの月女神の復活の生け贄にされた彼女をね」
実際魔力が枯渇し、精神も壊れてしまっている状態で待つのは死だけだ。
「それだとしても、何故私なんです?」
「君の魂とセーナの魂は補完関係にある。君が異世界で不幸だったのも、魂が不完全だったからと言っても信じてはもらえぬだろう。なので、ここは単純に彼女を助けてやってもらえないだろうか?」
「どうしてとかは聞かないことにします。それは、多分聞かない方が良いのでしょう」
「聡いと言うべきだろう。聞いたらかなり長くなる。この私が生きていた頃まで遡らねばならない。そして、この世界に関しての説明をすることになっただろうから」
「この世界の古代の話をされたとして、理解出来るかと言われれば厳しいと思います。それにしても、疑問なのはエーベルさんの言葉が日本語に聞こえることです。もしかして言語理解のスキルとか持っていたりするんでしょうか?」
沙更の問いにエーベルが首を振る。
「いや、私の言葉が君に分かりやすいように使っていた言語に直して伝えている。確かに、沙更がこれから生きていくのに読み書きは必要だろう。後で、付与しておくとしよう」
沙更の問いに、エーベルが理解を示す。残存意識よりもより高度な存在なのかも知れないと思う。ホログラムにしては、意思がはっきりしている上に疑問にさえ答えてくれるのだから。
「さて、話を続けたいがそうするとセーナがもう持たないだろう」
「えっと、どうすれば?」
「君がセーナの身体に触れれば良い。後は、セーナがやってくれる」
エーベルはそう言って、セーナの身体を指し示した。
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