月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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古代遺跡の出来事

第十話 冒険者たち5

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月の魔女とよばれるまで

第十話 冒険者たち5

古代遺跡地下三階もかなり奥まったところまで来た。

グールやスケルトンウォーリア、スケルトンアーチャーなどに遭遇し、それを退けてきたが流石にここまで来るといかな冒険者たちも疲労が溜まってくる。

「流石に、あれだけの数を叩いたから疲れてきたな」

「近接だけで、あれだけの数を捌くのは結構厳しいんだな」

「ガレム、あれだけモンスターを叩き潰して言う言葉がそれって今更過ぎるんだけど」

ガレムの言葉に呆れた顔をするのはミリアである。ミリア自身、鉄の短剣が大分痛んできている。ヘレナを守ったりなどで短剣を振るっていたからだ。

地下三階の奥まで来たが、これから先を考えると実際どれだけの危険が待っているかが分からなかった。

「思っていたよりも厳しいのが分かるな。Cランク成り立てで、装備を揃え切れていないのが痛すぎる」

「リーダー、戻るの?」

「この状態で戻ったら、依頼の期限を守れないわ。それこそ、違約金で首が回らなくなる」

「進むも地獄、戻るも地獄ってか!?」

「この遺跡に来てから、リーダーの声余り元気がないけど大丈夫?」

ミリアが心配そうにパウエルを見る。なんとなく、そういうのに感づくのはミリアが多い。ちゃんと周囲を見ていると言うのがよく分かる格好だ。

パウエルとすれば、格好悪いところを見せたなと思いつつも気付いたのがミリアだったことで、ちょっとほっとした部分があった。

(ミリア、この遺跡おかしいと思わないか?)

(リーダーも?なんとなく、誘導されてる気がするんだけど気のせいかなあ?)

気付いているのがミリアだと言うことで、パウエルは今まで思っていたことを口にする。ミリアも、パウエルにそう言われて納得できる部分があったらしい。しきりに頷く。

ガレムとヘレナは、余り気にしない口なのか二人がボソボソと喋っているのを見ているだけだ。

(ミリアがそう思うと言うことは、やはり危険が迫っていると思って良いんだろう)

(リーダーにそう思ってもらえると嬉しいけど、剣士としての勘?)

(それもあるが、このモンスターの配置は奥に行けば行くほど強くなっていくだろう?俺たちの腕で、今はまだなんとかなっている。が、この奥にそれで補えない相手が居る可能性が大きい気がしてな)

(慎重なのはリーダーの資質って言うから、あたしとしてはありがたいと思ってるよ。それに、最下層なんてあたしたちじゃ刃が立たない可能性が高いと思って良いと思う。ガレムもヘレナも気付いてないけど)

(それでも進むしかない。ミリア、お前ならいざとなった時に逃げられるはず。俺たちがやばくなったら、逃げろ)

(リーダー、あたしだけでも生き延びろって言うの?)

(ああ、そうだ。ガレムはあの性格だ、適う相手じゃないと分かった途端に燃えそうだ。それとヘレナは済まないが俺が一人にさせられない。まあ、わがままって奴だな)

パウエルはそうミリアに告げる。ミリアとして、それに頷きたくはなかったがそれでも全滅だけは避けねばならない状況でもあった。

(最終手段だし、あたしでも逃げられないかも知れない。その時はごめんね)

(いや、ミリアがそこで頷いてくれるだけでありがたい。それでは、そろそろ先に進むか)

パウエルは気を取り直して、先頭に立つと古代遺跡地下三階の奥へと更に進んでいく。

地下四階への階段が見つかるのはこの数分後だった。
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