月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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古代遺跡の出来事

第28話 休憩の時間(2019年2月15日修正)

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月の魔女とよばれるまで

第28話 休憩の時間(2019年2月15日修正)

沙更が虚空庫を作り出して、ミリアのレザーアーマーなどを受け取って中に放り込む。結構雑な入れ方をしたものの沙更には、何がどこにあるかがすぐに分かるようになっていた。ソート式イベントリ個数無制限版と言うまさにチートな代物であった。

虚空にあるため、現実の時間に縛られずに物を入れた時のまま取り出すことが出来るし、虚空庫の中で解体や分解、挙げ句の果ては合成まで出来る。しかも沙更の知識を読み取り、異世界の知識そのままに合成できると言う完全にチート仕様。

沙更の魔力で作り上げ、その知識を生かす為の倉庫と言うべきかもしれない。

「なんだかんだで、セーナちゃんは凄すぎるけどこれは流石にやり過ぎじゃないかな?」

「ミリアお姉さんもそう思います?私自身もこれやりすぎじゃって思いました」

「セーナちゃんがそう思うのなら、まさに規格外だよね。あたしは恩恵を受ける側だから良いけど、商人さんたちにばれたら奴隷に落として奪い取るとか言い出しそう。まあ、似た物でマジックバッグはあるから、なにかに入れる振りをするのが一番安全かも」

「虚空庫の場合、一回作ってしまえば魔力をもう使わないんです。完全に異次元の倉庫って扱いになっていて、取り出すのも入れるのも私が思えば自由自在って感じです」

「魔力を使わないけれど、超拡張可能な異空間倉庫って規格外過ぎるよ。古代魔法士の知恵とセーナちゃんの知識を合わせるとこうなっちゃうのかな?」

「多分、これが一番規格外だと思います。と言うか、これ以上があったら私も頭を抱えそうです」

虚空庫を作り上げた沙更でも、ここまでとんでもないのになるとは予想していなかった。完全に想定外であり、ある程度個数制限とかがあるだろうと安易に考えていたのだ。

それが、魔力が余りにも多いことで拡張制限なしの異次元倉庫を作り上げる事になってしまった。魔力が多すぎることも難儀な物なんだなあと他人事のように思ってしまうのは、現実逃避しかかっている所為だろう。

それにしても、パウエルたちが寝ている間に沙更にはマジックプラチナの腕輪。ミリアには幻影の衣に、ミリア自身の才能を引き出してもらったりと短い時間だったが、かなりの濃さであったのは言うまでも無かった。

沙更がエーベルにお礼を言いたくて、魔方陣に魔力を込めたからこその出来事であった。だから、パウエルたちにもそれをするかと言うと首を振るしかない。何というか、沙更から見てミリアは何というか波長が非常に合うから居るだけで安心出来た。

強いて言うと、異世界に生きていた時に知り合えていたらと思ってしまうこと位だろうか?だが、それは思っても叶う物ではないし、セーナの運が良いのだろうと思う。

実際は、セーナは運が非常に悪くて沙更がその逆で運が良い。二人そろって運を相殺していたりするのだが、それをこの時点の沙更は知らなかった。

ある程度ミリアと話をして、二時間ほどの仮眠を取る。

パウエルたちは4時間ほど眠っているが、それでもまだ疲労は抜けきらない。失った血を作るのに、栄養が足りていないからだった。

そんな三人とは別に、ミリアも沙更も二時間の睡眠でほとんどの疲労を回復出来ていた。ミリアは、エーベルから注がれた魔力が身体になじむのに必要な時間であった。

沙更に関しては、そもそも人間の身体をした別の物なので疲労を余り感じないし、回復するのも早かった。

そんな格差が生まれているとはパウエルたちはつゆ知らず、休憩の時間は過ぎていった。

パウエルたちが起きる頃には、ミリアと沙更はもう動ける支度が出来ていてパウエルたちが起きるのを待っている状態だった。

「むっ、寝過ごしたか?」

「くそっ、身体がまだ完全じゃねえな。妙に違和感が残ってやがる」

「魔力は回復できたけど、回数としては7回だと思うわ。それにしても、ガレムじゃないけど疲労が若干抜けてない感じがするわね」

三人とも血を失ったことで、寝ても身体が回復しきってないようだった。ヘレナの魔力が大分回復できただけでも、休憩した価値はあると沙更は思っていた。これから地上に上がる際に、何があるか分からないから。
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