月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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古代遺跡の出来事

第40話 地上に向けて4

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月の魔女とよばれるまで

第40話 地上に向けて4

パウエル、ガレムと修復してヘレナのメイスを修復しないと言うわけにも行かなかった。ヘレナもそこは分かっていたようで、折れた鉄のメイスを沙更に渡す。

「本当に直せるなんて、驚くしか無いんだけれど」

ヘレナとしては、修復魔法自体があり得ないと言いたいらしい。実際、古代詠唱はその人が持つ想像力を元に発動させる高度な技。それだけに現代では扱える人間がいないのだ。

それをあっさりやってのける沙更が、神の器を持っている時点で人間の枠を越えていると言われてしまえば、それまでだが。

そんなヘレナと沙更のやりとりを見ていたミリアが口を開く。

「本当にセーナちゃんの魔法は万能だよね。今の魔法士でこれだけのことが出来る人居たっけ?」

「魔法士で武器の修復まで出来るなら、引っ張りだこだと思わないか?セーナちゃんの才能が恐ろしいよ」

「てか、鉄を鋼鉄や魔鉄にした時点でやばすぎだぜ。余り頭が良く無い俺でも利用価値を考えるって時点でなあ」

学がないと言うガレムですら、この反応なのだ。ミリアが知っている虚空庫とかも、他の人間に知られればとんでもない騒動になるのはいうまでもなかった。

それで無くても、軽く大怪我を治せる治癒魔法。強敵をも退ける攻撃魔法と武器が摩耗しても修理できる修復魔法に倉庫そのものの空間魔法を操れる時点で大魔法士なのは認めるしかない。この時代のこの世界の人間に、こんなことが出来るかと言えば否定するしか無いのだ。

そんな話をしている最中に、ヘレナの鉄のメイスを直していく。修復魔法で、全体的に魔力をメイスに込めていく。その段階でメイスに使われていた鉄が魔力に反応した。

パウエルの剣の時もそうだったが、鉄が魔鉄になるにはかなり長い時間がかかる。そもそも、魔鉄は魔力が濃い鉱山で鉄鉱が徐々に変化してなるものだ。だが、パウエルの剣もヘレナのメイスも魔力に反応した。もしかしたら、使われていた鉄が魔鉄になりかけだったのかも知れない。が、それも推測でしか無い。

結局、パウエルとヘレナの武器が魔鉄に変化すると言う状態になり、一気に戦力アップを果たす格好となっていた。

「わたくしのメイスも魔鉄になってしまいましたわ。セーナちゃん、貴女の魔力はどれだけすごいんですの?」

「うーん、魔力が凄いって言われても」

セーナの魔力と月女神の器を使っているから当然と言えば当然なのだが、人間を越えてしまっている現状下手なことが言えない。ヘレナのことだから、ある程度は察しているのだろうが、それ以上を察知出来ないためのこの会話なのは理解出来る。だけれども、その問いは返答に困るものだった。

そこに助け船を出してくれたのはミリアだ。

「もう、ヘレナは魔力関連だと首を突っ込む。セーナちゃんの魔力が確かに桁外れかもしれないけど、元からじゃないのは分かって言ってる?」

「今の魔法士で出来ないことばかりセーナちゃんがやるから、わたくしにも出来るのなら教えて欲しかっただけですわ」

「ヘレナの今の魔力じゃ無理だと思うけど?セーナちゃんの魔力の量だから出来ることなの分かっているんでしょ?」

ミリアにそう言われれば、ヘレナも引き下がるしかなかった。自分で出来るかと言われたら出来ないだろうと言うのは簡単に推測出来たから。
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