月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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古代遺跡の出来事

第42話 地上に向けて6

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月の魔女とよばれるまで

第42話 地上に向けて6

ヘレナの神官服を見た感じから再現していく。沙更の魔力の糸は、思うように動いてくれる。ヘレナの意向を聞きつつ。

「ヘレナさん、神官服を作り直しますがなにか要望はありますか?」

「派手な色には出来ないから、白を基本にして腰のところに緑色を少しお願い出来る?」

ヘレナの要望に頷いて、沙更は魔力の糸を作っていく。あまり考えず、思うがままに動かしていく様は、ヘレナを驚かせるには十分だった。

「初めて、セーナちゃんの魔力を動かしているところを見たけど凄すぎるわ。物凄く繊細な操作を必要とするはずなのに、平然とやってしまっているから」

「魔力はセーナちゃんにとって、有って当然だからじゃないかな?深く考えなくてもそこにあるし、無くならないからかもって思うよ」

ヘレナの驚きに、ミリアが感じたことを口にする。ミリアが思ったこと自体が沙更の考えに近いものだった。

明確に言うならば、起きたら使える様になっていて、思ったことに反応してくれると言う感じだった。それだけに、凄いことをしていると言う認識があるわけがなかった。

この世界の常識と沙更とセーナが持つ常識が違うのだ。そして、持っている力も違うのならそうなるのも無理はない。

「無理に、今の魔法士とすり合わせようとするから混乱するんじゃない?ヘレナの知識量はある方だけど、その物差しじゃセーナちゃんには狭すぎるんだよ」

多分、現状でセーナを誰が一番理解しているかなら一番手はミリアだろう。古代魔法士の残留思念と会話している経験があるだけに理解の役に立っていたからだ。

エーベルが認めたのは飲み込みの早さだ。ミリア自身、特別教育を受けた訳ではない。が、察しの良さはかなりのものであった。だからこそとも言える。

そうやって話をしていると沙更の手が止まっていた。ヘレナの神官服が出来上がったらしい。所要時間20分程と服を作ったとは思えない速度としか言えないわけで。

「ヘレナさん、こんな感じですけどどうでしょう?」

白を基調とした神官服、腰にワンポイントで若木の刺繍を入れてあった。沙更が作った服は、その大量の魔力を使って作る為普通の服とは一線を画していた。と言うよりも、魔力の糸で作られていることで、普通の服と違い防御力や対魔法防御に途轍もなく優れていると言う一面を持ち合わせていたからだ。

さらに、特徴として重みが一切無かった。そもそも、魔力という物質に頼らない物から作り上げているだけに質量がないのだ。その時点でかなり一般の品と違いが出てしまっていたのだが、沙更は気付いていなかった。
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