月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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古代遺跡の出来事

第45話 地上に向けて9

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月の魔女とよばれるまで

第45話 地上に向けて9

ガレムのジャケットが出来たことで、鎧に関してはみんなに行き届いた格好になった。が、流石に盾だけはどうにもならない。

「あの、魔力の糸で盾作りますか?」

一応、沙更がそう言うと四人とも首を振ったのだ。この時、四人は盾に魔法耐性が付いた場合途轍もないことになる事に気付いていたからだ。はっきり言って貰いすぎであると。

沙更に守って貰って、武器も服も一新して貰っている状態であった。これ以上を望むのはいくら何でもたかりすぎていないかと思っていたのだ。

「セーナちゃん、これ以上物を作って貰うのはちょっと気が引けるかな」

「貰いすぎてしまっているから、これ以上は流石に遠慮したい。君が善意で言ってくれているのは分かるが、甘えすぎてしまっているからな」

「武器を直して貰って、鎧を貰ったら貰いすぎだぜ。セーナちゃんが心配なのは分かるが、それだと俺らが腐っちまう。その気持ちだけで十分ってもんだ」

「ガレムの言っていることがほぼ全てなのよ。守って貰って、武器まで直して貰ってるでしょ?服も作って貰ってるし、これ以上は貰えないわ」

そう言う四人に、沙更としてはお節介しすぎたかなとちょっと反省する。

「ごめんなさい、ちょっとお節介しすぎました。でも、買い換えできそうですか?依頼でお金が貰えるとは言え、結構値が張るのですよね?」

沙更からそう言われるとパウエルとしても苦笑を浮かべるしか無い。元々の盾は、銀貨25枚とそれほど高い代物では無かったからだ。確かに鋼鉄の盾とかを買えば金貨10枚は飛んでいくだろうが、それでも依頼で貰えるお金から考えればなんとかなる値段ではあった。

「依頼を完了すれば、それなりにお金は入ってくるから大丈夫だ。セーナちゃんの気持ちはありがたいと思っているが、こちらが貰いすぎているからここで遠慮させて欲しい」

パウエルは、ありがたいと言いつつもこれ以上は貰えないことを沙更に伝えてきた。ここまで言わせてしまったことも申し訳ないなと思いつつ、沙更は頷いた。

「なら、これ以上はしないでおきますね。で、もう地上まで装備は大丈夫ってことでいいですか?」

確認の為、沙更がそう言うとパウエルたち三人は頷いた。ミリアはこの時点で苦笑を浮かべていたけれど、何も言わない。見違えるほどに装備品が良くなってしまっていたからだ。

「ああ、セーナちゃんにいろいろと心配させたけれどもう大丈夫だろう」

「鋼鉄の斧と魔鉄の剣にメイス、ミリアの短剣もあれば大丈夫だと思うぜ」

「実際、ここに来る前と装備が見違えるほど変わっているわ。だから、そこまで心配しなくても大丈夫よ」

普通に考えれば、ダンジョンで手に入れたと言い切れなくは無いレベルである。服に関しては、それで言い逃れが出来るかと言うと怪しかったが。

しかも、ここは古代遺跡。そう言う品が出てきても問題は無かった。
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