月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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古代遺跡の出来事

第48話 地上に向けて12

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月の魔女とよばれるまで

第48話 地上に向けて12

古代遺跡地下四階は、パウエルたちが地上から来て、沙更が魔方陣の部屋からと言う形で探索していない場所はまだ結構あった。

トラップ探知がメインとなるとミリアの出番としか言えない。が、今の古代遺跡はモンスターの気配が一切しないことから単純にトラップだけを見張る形になっていた。

「うーん、古代遺跡なのにモンスターを気にしないでトラップだけ探知をするって言うのも初めてかも」

「普通なら、モンスターを排除しつつでしょうからミリアお姉さんには物足りないかも知れませんね」

「集中出来る分、見逃しもないだろうし悪くは無いけどね。っと、言ってる側から」

沙更と話をしていたミリアがあっさりとスイッチタイプの罠を発見する。発見したところで、スイッチ自身を丁寧に排除してトラップを無効化していく。その手際は、パウエルたちが見たことあるミリアの動きよりも更に素早くなっていた。

「おいおい、ミリアお前いつの間にスキルのレベル上げたんだ!?そういや動きも全然変わってやがるし、セーナちゃんと会ってからお前変わりすぎじゃねえ?」

「セーナちゃんには感謝しかしてないからかも?いろいろとあったし、変化しなきゃ応えきれないからなのが答えかな」

ガレムの問いに、ミリアはあっさりとそう言う。エーベルとの会話をああ切り返していなければ、今のミリアはいないだろう。

それでも、ミリアがセーナもとい沙更を気に入ったのは本当で、受けた恩を返したいと思ったのもまた確かだったのだ。だからこそ、今のミリアがいるのだった。

その後も壁の出っ張りに付いたトラップを解除したり、毒矢が仕込まれたワイヤートラップを解除したりといろいろなトラップを解除していく。思っている以上にトラップが多いことに、ミリア自身呆れていた。

「流石にこのトラップの量は異常じゃない?あからさまにここに重要物品が置いてありますよって言ってるような物だと思うんだけど?」

「それ自体がトラップって可能性もありますよ。余りにトラップが多いから、重要な物があると思わせることもあっても良いと思うので」

沙更が冷静にそう言うとミリアが苦笑を浮かべる。

「もう、セーナちゃんがそう言っちゃうとあたしの立場が無いんだけど。でも、そう言っていさめてくれるのはありがたいかな」

「何というか、私がそう言う役目をする方が良いのかなって思っただけです。それに、後衛ですからいろいろと見ないとダメだと思ったんです」

沙更は、魔法士と治癒士を兼任するだけに戦いの場をしっかりと見ておかねばならない。タイミングを間違えれば、それだけで戦況を左右しかねないと分かっているから。

「やっぱりセーナちゃん賢すぎ。あたしじゃ、そこまでは読めないよ」

「俺よりもリーダー向きな気がするが、セーナちゃんのことだから首を振りそうだなあ」

二人の会話を聞いていて、パウエルがそう言うが言うまでも無く沙更は首を振る。荒野の狼のリーダーはパウエルであって、沙更が変わりをするわけじゃ無いからだ。

「もう、パウエルさんがリーダーだからミリアお姉さんたちが動くんです。私がリーダーになることはないですし、資格を持ち合わせないと思います」

沙更の言葉に、パウエルは苦笑を浮かべた。リーダーを変わると言うこと自体がおかしいと暗に言われたからだ。いかに優れた能力があろうとも人徳などはない沙更に譲られてももめる元なのだと気付いたようだ。
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