月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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古代遺跡の出来事

第49話 地上に向けて13

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月の魔女とよばれるまで

第49話 地上に向けて13

パウエルの言葉に、否定の言葉を返す沙更。荒野の狼のリーダーはパウエルであって、沙更ではない。それに、譲り受けるつもりもなかった。

長くリーダーをやってきたパウエルよりも沙更の方が賢いかも知れないが、今までリーダーをやってきたと言う人望は無い。下手すればもめる元にもなりかねない為に拒否をしたと言うのが正解だった。

「優れた能力を持っていてもその人がリーダーに向くとは限りません。なので、下手に波風を立てるくらいならばパウエルさんがやった方が安全という物です」

「やっぱり、セーナちゃんはそういう点も考慮にいれていたのね。言い分も至極真っ当だし、リーダーはパウエルのままの方が良いわ」

「セーナちゃんがここでリーダーをやりますなんて言うわけが無いよ。もう、リーダーは先読みしすぎ。頼る立場になるのは分かるし、いろいろと頭が回るからリーダーをお願いしたいのも分かるけど、ちょっと無いかな」

現段階で、この世界の知識が乏しい。そんな状態でリーダーを引き受けられないと言うのが本音ではあったがそこは隠しておく。どちらにしても、沙更がリーダーをやることは現時点ではあり得なかった。

「完全に理詰めで諭された。何というか、いろいろと申し訳ない」

「パウエルさんが謝る必要はありません。自分より優れた人に上に立って欲しいと言うのは分かります。でも、今の私ではその期待に応えられません。なので、拒否させて貰いました」

「リーダー、ここは退いておこうぜ。セーナちゃんにそこまで重い物を持たせるのはどうかと俺でも思うんだからなあ」

「ガレムもそう思うのか…。どちらにしても、ウエストエンドに戻ったらいろいろと考える必要はありそうだ」

パウエルはそう言うに留めるとさらに古代遺跡の探索を進めていく。

しばらくすると、古代遺跡の最奥地までやってきた。言うまでも無く行き止まりであり、壁に出っ張り等もないので、隠し部屋などはなさそうに思える。

が、そこでミリアが壁を触っていく。なんとなく違和感があったらしい。他のみんなには分からなかったが、些細な違和感からさわり始めた壁の右側に魔法で隠蔽されていたくぼみを発見する。

「なんか違和感があると思ったら、やっぱりね」

「ミリアの感覚が鋭くなっているからなのか?さっきから、壁を探っていたのは気付いていたからか」

自然に、くぼみを触ってスイッチを押して壁を動かしていく。そこにあったのは隠し部屋だった。
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