月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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古代遺跡の出来事

第64話 開拓村に戻って3

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月の魔女とよばれるまで

第64話 開拓村に戻って3

セーナの母親を背負い、セーナの家を後にする。残るは、村長の家だけ。母親の遺体を背負い、村長の家の裏まで持って行くとミリアが待っていた。

「セーナちゃん、この人はもしかして?」

「はい、私の母親です。邪教の集団と戦って倒れました。私の魔力を狙って襲ってきたんです」

「だから、セーナちゃん涙を流していたんだ。さっきから流れっぱなしだよ?」

「だって、お母さんを死なせたのは私の所為です。それが悲しくて」

そこまで言った時に、ミリアが沙更の涙を手でぬぐってあげた。それ以上は言わせないとばかりに。

「ダメだよ、セーナちゃんのお母さんは守りたかったんだよ。出来なかったかも知れないけど、セーナちゃんの事を思っていたのは分かるから、悲しいことを言わないで」

「ミリアお姉さん…」

「ごめんね、何も知らないのにそんなこと言っちゃった。セーナちゃんは泣いて良いの。それとこの人がセーナちゃんのお父さんでしょ?折れた鋼鉄の剣の側に倒れていたからね」

「お父さんはこの開拓村唯一の剣士でした。その鋼鉄の剣は、愛用していた物だと思います」

ミリアが持っていた折れた鋼鉄の剣を見て、父親は最後まで抵抗したことを知る。そこは誇らしいと思うし、凄いことでもあった。

父親の遺体と母親の遺体を二人隣り合わせる。村人の遺体を運ぶが、やはり数が足りない事に気付く。

「セーナちゃん、村人さんたちの遺体はこれでおしまいだよ」

「あれ、数が足りない気がします。女性の遺体って、若い人居ました?」

「見ていないと言うか、俺が見た中ではなかったな」

「わたくしも見ていませんわ」

「俺も見てねえなあ」

「セーナちゃんがそう言うって事は、女の子たちは逃げられたと言うことなのかもしれないね。となれば、もしかしたらウエストエンドか近くの町に行ったのかも知れない」

セーナの問いに、パウエルたちは見なかったことを報告し、ミリアもそれに追随する。と、なれば大人たちが女の子たちを逃がしたことになる。

(お父さんたちは、邪教の集団に抗って女の子たちは逃がせたのですね。そこにお父さんたちの意地を感じてしまうのは娘だからでしょうか?)

そんなことを思いつつ、村人の遺体が集まったことで沙更は、村人たちの遺体を光魔法で焼き払って、無事天界へと送り届けるつもりでいた。それが出来る魔法を知っていたから。

光魔法上級であり、対アンデットと魔族にもの凄い効力を発揮するホワイトフレイム。遺体をこの魔法で焼けば、その魂は現世の未練を断ち切られ、天界へと送ることが出来ると古代魔法士たちに言われていた魔法だった。
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