月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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領都へ

第81話 ゴブリンとの遭遇

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月の魔女とよばれるまで

第81話 ゴブリンとの遭遇

沙更の魔力がパウエル達に影響を及ぼしているのが分かったけれど、それでも離れると言う選択肢はとれるわけも無かった。そもそも、魔力が育つと言う状況自体他にも出来る事が増やせるとパウエルは判断したからだ。

荒野の狼のリーダーであるパウエルがそう言ったのなら、離れると言う選択肢は無い。実際、魔力を使えるようになればいろいろと便利になるのは分かっていたからだ。

「別段、魔力があって困ることも無い。あって、楽になることは多いがな」

「それもそうだよね。魔法を使えるようになるなら、そっちの方が良いのはわかりきってるし」

「俺でも使えるのか?まあ、強化魔法とか使えればもっと楽になるな」

「適正次第でしょう?リーダーやガレムがどんな適正を持ってるかなんて分からない物。ミリアは、セーナちゃんの影響が大きいからもの凄いことになってそう」

などと話をしつつも野営をしていた場所を片付けていく。

片付けてから、数時間。ウィンドウォークでかなりの距離を稼ぎつつ、森を歩いて行く。沙更の魔力を感じるのか、森に居るはずのモンスターたちと出くわしもしない。

案外安全に、森を進んでいると辺りの気配が増えてきた。森に隠れている物のその気配はそこまで大きくは無い。大分近づいてくるとミリアの方でもその気配に気付いたらしい。

沙更の気配察知は、魔力の探知をも兼ねている。そのため、その距離はかなり広く半径5kmをその範囲としていた。そのため、大分気配が多いなと思っていたのだがミリアが気付いたのが一番近い気配から500m程。

ミリア自体も気配察知極を持っていることから、その範囲に入ったと言う事のようだ。そして、沙更に比べてミリアはその気配で相手が誰か気付いたようだった。

「この気配、もしかしたらゴブリンの巣が近いかも。セーナちゃん、この周囲にかなり気配があるでしょ?」

「周囲にかなりの数が居ます。少なくても200くらいは居るでしょうか」

「分散しているから、中心点が巣なのかもねえ。で、リーダーこんなに数が多いモンスターは?」

ミリア新城なり話を振られたパウエルはこの時点で頭に思いついたモンスターを口にした。

「これだけの数だろ?普通に考えればゴブリンだろう。オークだったらもうちょっと分散する」

「今度はゴブリン狩りかよ、まあこの斧に慣れるにはまあまあか」

「どちらにしろ、このまま放置は出来ないわね。ゴブリンの繁殖速度はかなりの物よ。このまま放置したらこの辺境全体をゴブリン達が治めることになりかねない」

ゴブリンを放置すれば、大問題を引き起こすと言うのは冒険者の常識だ。沙更としての異世界の知識も同じ結論を出していた。そのため、介入しないと言うことはあり得なかった。

冒険者ギルドとしても、ゴブリンは積極的に排除するべしとガイドブックに書き込む程で、人間対ゴブリンの戦いはそこかしこで行われていたのだ。

大森林は、開拓村側は寒いため針葉樹が多く、温かいウエストエンド側は広葉樹が多い為そこでモンスターの分布も変わるのだ。だが、変わらないモンスターも居る。それがゴブリンだった。
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