月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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第90話 ゴブリンとの遭遇10

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月の魔女とよばれるまで

第90話 ゴブリンとの遭遇10

ゴブリンロードを倒した後、それぞれ倒れたジェネラルなどの魔石を取り出す。魔石があるモンスターはこれだけで、退治した証になる。倒さない限り、モンスターの魔石は手に入らないからだ。

そして、ゴブリンジェネラルが持っていた鋼製の武器とゴブリンロードが装備していたミスリルの胸当てと聖鋼のハルバードは、沙更の虚空庫に収まることになった。完全に戦利品である。ミスリルの胸当てと聖鋼のハルバードだけでも、かなりの資金になるだけにお金が欲しい荒野の狼としてはほくほくだった。

一番の頭を叩きつぶしたことと既に戦えるゴブリンは残っていない事から、ゴブリンの巣を探索することにした。探索を終え次第、ここをホワイトフレイムで焼くことも忘れては居ない。

沙更は、この森に入った時から助けを呼ばれている気がしていた。それを確かめたかったと言うのが本音だ。実際、開拓村が襲撃されてからまだ三日しか経っていない。村から逃げた人たちがどこに逃げたかも分かっていなかったが、もしも助けられるのなら助けたかった。

助けるのは沙更の意思でもあり、セーナに託された思いでもあった。だからこそ、このゴブリンの巣を探索したかったのだ。

五人でゴブリンの巣を探索していく。散らばらないのは、万が一にゴブリンと出くわさないとも限らないからだ。まあ、ヘレナであってもただのゴブリンなら楽勝なのだが、それでも罠等があった場合に対処が出来ない事もあり得たからだ。

慎重と言えば慎重だが、完全に自分たちが知らない場所であり、しかも人間の領域ではないゴブリンの巣だけに、その判断が間違っているかと言えば言えない部分があった。

徐々に奥に進んでいく。ゴブリンの子供が数匹居たが、流石に見逃すわけにも行かない為に殺処分していった。下手に見逃して進化されては、後々厄介なことになってしまうからだ。情けをかけたが故に、死ぬこともあるのが対ゴブリンなのであった。こちらの常識が通用しない以上非情にならざるを得ないというのもあった。

集落自体には、食料や薪などが置かれている倉庫があり、そこの品で使えそうな食材は持って行くことにした。薪等も確保しておいて、後で必要な村などがあれば渡しても良いだろうと言う事で回収しておく。全て虚空庫に突っ込んでいくが、中身が埋まる感じが一切しない。

「思うに、セーナちゃんの虚空庫って反則技だよね。あれだけの物を突っ込んでるのに、はみ出すそぶりもないよ」

「何でも入る訳ではありませんよ?入れた物は、種別分けを勝手に虚空庫で行ってくれますから取り出す時にもわかりやすくはなってるのが救いです。余りに多量な物を入れた時に探せないって事が無いですから」

「そういう点でも凄すぎるんだよ。ある程度の重量を一袋に詰められる魔力袋は高値で販売されているが、セーナちゃんのはそんな物じゃないしなあ」

虚空庫自体、セーナの神の器の影響を受けている。それに、別空間に物を入れている為にこの世界で重みを感じることはない。その時点でも規格外と言って良かった。

ゴブリンの集落の奥まで来ると人の足跡が若干数見えた。ゴブリンに捕らえられていたのだろうか?そう思った沙更が探知の魔法を使う。

集落の奥にある木造の建屋に、ゴブリンと違う生命を感じる。多分、開拓村の人間がここに居る事を感じ取ると中に入っていった。
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