月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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領都へ

第92話 ゴブリンとの遭遇12

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月の魔女とよばれるまで

第92話 ゴブリンとの遭遇12

女性たちを助けたことで、大分予定が狂ってしまったがパウエルたちはそこまで気にしていなかった。

沙更のウィンドウォーク、加速魔法の効力の凄さを知っていたから。馬車もなく、これだけの距離を歩ける人間はいなかったからだった。

強いての問題は、どこの街に送り届けるかだ。ここから一番近いのはエンシェントゲートだけど、また戻る形になってしまう為、無しにする方向になった。これ以上遅くなるのは遠慮したいと思った沙更が意見したからだ。

なにより、冒険者の質も悪いし、特に産業もないために仕事もなかったからだ。それなら、途中にあるクルシスの街の方が規模も大きい。

いろいろと考えることはあるが、女性たちは沙更を見て驚いていた。五歳の女の子が冒険者たちに並んで動いていたからと言うのが一番だろう。

「こんな小さい子供が冒険者さんと一緒なの?」

「驚くのも分かりますが、それは後でじゃダメですか?この森から貴女方を安全な町まで送り届けたいと思っています。けれど、要望があるのならそれは聞きたいのです」

率直な言葉に、女性達はどうしたいのか逆に考えてしまった。少女達二人は、どうやら開拓村から逃げてきたようで若干ながら衰弱していた。女性達も今すぐに動けるかと言えば、結構怪しい感じなのは否めない。

体力もそうだが、精神的にもかなり疲労している為に下手に動くことが出来ない。となれば、どうするかを考えなければならない。

少なくても、ゴブリンの巣があった場所。ここに、何かがあるかと言えばかなり怪しい。出来うる限り、被虐を受けた場所からは遠ざけたいと思うのは当然であった。

「助けてすぐなので、体力などが無いのも分かっています。傷の方は治療させて貰いましたが、体力の方はどうしても時間が掛かります。魔法で補助することは出来ても回復させるにはそれなりの時間が必要なのも承知しております。なので、今は休んでください」

やはり、助けて間もないのと今までが今までだったために、女性達はどうしても普通に動くことが出来なかった。それだけ衰弱していたと言う証拠でもある。そんな状態で動かしたら、倒れてしまうのも理解するしか無い。

すぐに移動させるわけにも行かないと分かってるが故に、ここで一晩明かすことになったのだった。が、このままでは何も無い為雑魚寝してもらうしかないし、冷える可能性があったからだ。

大森林の開拓村側では、ウエストエンド側に比べて気温が低い傾向にあるからこのまま寝させては体調を崩してしまうのが落ちであったし、下手すれば命に関わりかねない。衰弱しているだけに、余り身体の負担を大きくさせることに抵抗感が無いわけが無かった。
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