119 / 365
領都へ
第109話 古びた砦で3
しおりを挟む
月の魔女とよばれるまで
第109話 古びた砦で3
ミリアの気配察知で、捕らえられている人が二人と分かった。微弱な気配で、察知が難しかったと言うが気配察知のスキルレベルが低ければ気付くことも出来なかっただろう。
そのうちの一人は、セーナの開拓村の生き残りらしい。セーナの魂が、知っている事を沙更に教えてくれる。それならば、助けだそうと考えるのは冒険者の常であり、盗賊退治よりもそちらが優先になった。
そもそも、盗賊退治はまた仕掛けられては困ると言う事と意趣返しがメインだっただけに、そちらよりも優先することが出来たことは良かったとも言える。
人命救助も盗賊退治も冒険者の仕事なのだから。
「セーナちゃんに出会ってなければ、街道沿いの盗賊退治なんて、あたしたちの腕だと荷が重かったはずなんだけどね」
「それもそうだな。ある意味、大それた事をしている気はするが何というか、今の相棒ならこのくらいは大丈夫だと思わせてくれるんだ」
「盗賊ごときじゃ俺は燃えねえけどな。なんだかんだで、こいつがしっくりきやがる」
やはり、武器のランクが上がったことと高ランクモンスターとの戦闘経験が荒野の狼の実力を押し上げていた。今までならば、これだけの盗賊を片付ける事が出来たかと言うと結構怪しい。
急成長したことで、出来る事が掴み切れていない部分もあったが、それでもミリアとガレムは感覚を既に掴んでいて、ぶれることは無い。
盗賊の頭は、行かせた盗賊の気配が消えたことに気付いた。
(ちっ、既にここまで掴まれてるってか?まったく、どんな手練れだ。こんなことが出来る冒険者なんて、ここ数年耳に入った覚えがねえ)
6.7年前ならウエストエンドにAランクに相当する冒険者パーティーがいた為、そういうことも出来ただろう。が、今のウエストエンドにそこまでの猛者はいないはずだった。居るとすれば、情報が流れてきていたはずだ。それだけ情報を収集するのに手下を使っていたからだ。
(だとすると王都からわざわざ呼び寄せたってことか!?となるとあのくそ貴族まるで役に立たねえ。その辺りの情報は貴族から貰うのが手っ取り早いだろうが!)
現状を考えるとかなり状況が悪化しているのを感じざるを得ない。そして、この状態を招いたのは自分たちだとは気付かない。そこまでの分析が出来る訳では無かった。
今のウエストエンドに、手練れの冒険者がいない以上王都から呼び寄せたと言う結論になる。が、そんな情報は入っていなかった。
まさか、古代遺跡で月女神の眷属とやり合って生き残った冒険者を自分たちが襲ったと言う間抜けな事実は、盗賊の頭の頭には無かった。そこは奪ってナンボなだけにそこまで頭に入れていなかったのだ。
ミリアは、盗賊たちが未だに自分たちを把握していないことを分かっていた。既に、侵入されていることを気づけるレベルならミリアと同格と言って良い。だが、ミリアレベルの気配察知を持つ人間はこの辺境にはいない。そして、相手にそんな力量の人間がいるなんて、盗賊側は想像もしていなかった。
第109話 古びた砦で3
ミリアの気配察知で、捕らえられている人が二人と分かった。微弱な気配で、察知が難しかったと言うが気配察知のスキルレベルが低ければ気付くことも出来なかっただろう。
そのうちの一人は、セーナの開拓村の生き残りらしい。セーナの魂が、知っている事を沙更に教えてくれる。それならば、助けだそうと考えるのは冒険者の常であり、盗賊退治よりもそちらが優先になった。
そもそも、盗賊退治はまた仕掛けられては困ると言う事と意趣返しがメインだっただけに、そちらよりも優先することが出来たことは良かったとも言える。
人命救助も盗賊退治も冒険者の仕事なのだから。
「セーナちゃんに出会ってなければ、街道沿いの盗賊退治なんて、あたしたちの腕だと荷が重かったはずなんだけどね」
「それもそうだな。ある意味、大それた事をしている気はするが何というか、今の相棒ならこのくらいは大丈夫だと思わせてくれるんだ」
「盗賊ごときじゃ俺は燃えねえけどな。なんだかんだで、こいつがしっくりきやがる」
やはり、武器のランクが上がったことと高ランクモンスターとの戦闘経験が荒野の狼の実力を押し上げていた。今までならば、これだけの盗賊を片付ける事が出来たかと言うと結構怪しい。
急成長したことで、出来る事が掴み切れていない部分もあったが、それでもミリアとガレムは感覚を既に掴んでいて、ぶれることは無い。
盗賊の頭は、行かせた盗賊の気配が消えたことに気付いた。
(ちっ、既にここまで掴まれてるってか?まったく、どんな手練れだ。こんなことが出来る冒険者なんて、ここ数年耳に入った覚えがねえ)
6.7年前ならウエストエンドにAランクに相当する冒険者パーティーがいた為、そういうことも出来ただろう。が、今のウエストエンドにそこまでの猛者はいないはずだった。居るとすれば、情報が流れてきていたはずだ。それだけ情報を収集するのに手下を使っていたからだ。
(だとすると王都からわざわざ呼び寄せたってことか!?となるとあのくそ貴族まるで役に立たねえ。その辺りの情報は貴族から貰うのが手っ取り早いだろうが!)
現状を考えるとかなり状況が悪化しているのを感じざるを得ない。そして、この状態を招いたのは自分たちだとは気付かない。そこまでの分析が出来る訳では無かった。
今のウエストエンドに、手練れの冒険者がいない以上王都から呼び寄せたと言う結論になる。が、そんな情報は入っていなかった。
まさか、古代遺跡で月女神の眷属とやり合って生き残った冒険者を自分たちが襲ったと言う間抜けな事実は、盗賊の頭の頭には無かった。そこは奪ってナンボなだけにそこまで頭に入れていなかったのだ。
ミリアは、盗賊たちが未だに自分たちを把握していないことを分かっていた。既に、侵入されていることを気づけるレベルならミリアと同格と言って良い。だが、ミリアレベルの気配察知を持つ人間はこの辺境にはいない。そして、相手にそんな力量の人間がいるなんて、盗賊側は想像もしていなかった。
0
あなたにおすすめの小説
祈りの果てに ― 無限の箱庭で笑う者 ―
酒の飲めない飲んだくれ
ファンタジー
俺は一度、終わりを迎えた。
でも――もう一度だけ、生きてみようと思った。
女神に導かれ、空の海を旅する青年。
特別な船と、「影」の船員たちと共に、無限の空を渡る。
絶望の果てに与えられた“過剰な恩恵”。
それは、ひとりの女神の「願い」から生まれたものだった。
彼の旅路はやがて、女神の望みそのものを問い直す。
――絶望の果て、その先から始まる、再生のハイファンタジー戦記。
その歩みが世界を、そして自分自身を変えていく。
これは、ただの俺の旅の物語。
『祈りの果てに ― 無限の箱庭で笑う者 ―』
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る
伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。
それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。
兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。
何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる