月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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領都へ

第112話 古びた砦で6

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月の魔女とよばれるまで

第112話 古びた砦で6

沙更に促されて、捕らえられている二人を探す。盗賊と戦った部屋の奥に扉があり、扉を開いて中を見れば盗賊たちが残した財宝がそこにはあった。

ミスリルのインゴットや金貨、宝石等のまさにお宝である。

だが、この財宝に沙更は疑問を覚えた。辺境伯領は、鉱山はあれどミスリルの鉱山はなかったからだ。それなのにミスリルのインゴットがあるのが不自然でならない。

確かに、商人たちを襲っていたのは事実だがそれでもミスリルのインゴットを運ぶことはない。鉱山があれば話は別だが、ないのに盗賊のねぐらにそれがあると言う不自然さに首を傾げるしかなかった。そこに、ミリアが声をかける。

「セーナちゃんどうかした?」

「ミリアお姉さん、不自然だと思いませんか?ただの盗賊が、ミスリルのインゴットを持っている事自体がおかしすぎます。ミスリルならば、この一つを売っただけで金貨一万枚以上の値がつくはずです。それなのに、商人からさらに財をせしめていく。そこには疑問しか浮かびません」

「言われてみれば、金属を加工する力もないのに…。確かに腐りはしないけど、変なのは認めるよ」

ミリアとして、そこまで言われて気付いた。それがあれば、盗賊をやる必要すらない。それだけの資産になるのだからやっている方がオカシイという事だ。

「裏があると思っています。もしかしたらですが」

沙更の読みは後で的中することになる。後で知る、その事実に呆れ返ることになることをまだ知らない。

ひとまず、ミスリルのインゴットや金貨などを虚空庫に納めていく。その姿を見て、ヘレナが呆れた顔をしていた。

「お金が欲しいとは思ったけど、これだけの量になると気後れするわね」

「あたしも流石にこの量はね。でも、数年盗賊をやっているだけで、貯められる額じゃないと思うんだけど」

「確かに、言われて見れば怪しいかもしれないな。セーナちゃんは最初から疑っていたが、こうやって見ると異様そのものだな」

リーダーのパウエルも不自然さに気付いたらしい。理由が読めないだけに、慎重に動く必要性があったからだ。

一応、財宝を確保して、さらに奥へと向かう。財宝を確保した際に罠がありそうな気がしたが、罠はなかった。変に勘ぐりすぎたかもと沙更は思いつつもパウエルたちを追いかける。

古びた砦の最奥に、たどり着いたパウエルたちが見たのは捉えられた少女二人だった。ミリアの気配察知スキルで確認できたのも二人だったことから、間違いではない。

パウエルたちが近づいて来たのに気付いたのか、捉えられた少女二人のうちの一人が声をかけてきた。
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