月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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領都へ

第116話 盗賊討伐その後

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月の魔女とよばれるまで

第116話 盗賊討伐その後

土レンガの家で、残していた女性達と少女二人と合流してこれからさらに動こうとして時間切れになったことを沙更は空を見て気付いた。

「もう夕暮れ時なんですね」

「盗賊討伐に時間が掛かっちゃったから、こうなるのも納得と言えば納得かな。今日はここでお休みだけど、セーナちゃんは無理をしたい?」

「ミリアお姉さん、リエットさんや村長の娘さんの体力を考えるとここで無理に動かすのはダメです」

ミリアと沙更の言葉でこれから後の行動が決定される。まだ大森林を抜けていないこともあり、モンスターとの遭遇もあり得る事。そして、助けたばかりの二人に無茶をさせるわけにもいかない。

そのことから、今日はこのまま休むことにした。

ミリアと一緒に眠る沙更は、段々とセーナの身体と自分の魂が馴染んできていることを感じていた。

(思っている以上に、セーナちゃんの身体と私の魂の相性は良いみたい。本当ならば、拒否反応があってもおかしくは無いのにね。セーナちゃんだからかも知れないと言う仮説は成り立つのだけど、それ以上は野暮だと思う)

やはり、月女神の魂の半分だったのをセーナと沙更が出会ったことで一つに修復できたことは大きいのかも知れない。今はまだ神に至ってはいないが多分望むのならばその力が手に入るかも知れない。

だが、沙更はその力を欲しいとは思っていなかった。月女神が望むのは力を受け継ぐことではない事くらいは、話していれば察することが出来た。それだけに、この世界を旅してみようと思う。

(月女神さんが私やセーナちゃんに何を望んでいるのかは今は分からない。けれど、旅をすること自体は間違ってはいないはず)

なんとなくそう確信出来る予感があったからと言うしか無く、その感覚は間違っては居なかった。

街道沿いの盗賊を排除したことで、これから開拓村やエンシェントゲートに向かう商人が増えることが予想された。元々、その仕事は領主である辺境伯の仕事なのだが横取りした格好だ。

でも、それでリエットを救えたのだから良かったんだろうと沙更は思う。自分の娘を売る親など、最低でしか無いと思う。リエットに非が無いとは言わないけれど、親ならそこまでする必要があるかどうか位は考えて欲しいと思ったからだ。

「ミリアお姉さん、リエットさんは大丈夫でしょうか?」

「どうだろう?辺境伯の娘さんだから、大丈夫と言えば大丈夫じゃないかなあ?家の問題でとなったら、困ることになるかも知れないけれど、そこまで事情が分からないから」

「確かに事情が分からない時点で、あれこれ考えてもとは思います。リエットさんが困ったら、手助けしてあげるくらいでいいでしょうか?」

「身分とか貴族に関わり合いになりたくないってヘレナに言われそうだけど、助けた時点で巻き込まれてるから今更って気もするかな」

どちらにしろ、戻れば多分パウエル達のランクは上がると沙更は踏んでいた。ヘレナが若干貢献値が足りないかもだが、それでも討伐した相手が相手の為、パーティー単位でランクアップすることになるだろうと思う。

それだけの功績は既に積んでいたのだから。
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